いまから投資信託

新NISAの成長投資枠でハイリスク・ハイリターンの投資はできるのか

新NISAの成長投資枠は現行の一般NISAを引き継いでいますが高レバレッジの投資信託は対象外です。


成長投資枠では上場株式や2,000本程度の投資信託・ETFなどが対象となります。

つみたて枠は長期投資が前提のローリスク・ローリターンの投資信託などが対象で、長期・分散・積立投資は利益が得やすいといわれる投資方法です。


しかし「つみたて枠は長期投資だから成長投資枠でハイリスク・ハイリターンの投資をしたい」「ハイリスク・ハイリターンでも許容できる」という方もいらっしゃるでしょう。


今回は新NISAの成長投資枠で、つみたて枠よりもハイリスク・ハイリターンの投資をする方法をお伝えしていきます。



新NISAの成長投資枠の対象となる投資信託が追加で公表

2023年6月21日以降、一般社団法人投資信託協会は新NISAの成長投資枠の対象となる国内の投資信託・上場投資信託(ETF)・上場投資法人(REITなど)を公表しています。


2023年7月10日、8月1日にも公開され投資信託は計1490本(その内一般投資家向け削除の届け出が合ったファンドは8本・変更1本)です。ETF・REITの合計は228本です。


対象となる投資信託は2,000本程度といわれていますので、3/4程度が出揃いました。成長投資枠は現行の一般NISAを引き継いでいますので、上場株式(国内・海外)にも投資できると見込まれています。


成長投資枠でハイリスク・ハイリターンの投資をする方法

「成長投資枠でハイリスク・ハイリターンの運用がしたい」という方向けの投資方法を紹介していきます。


ハイリスク・ハイリターンの投資はあくまで上級者向けです。つみたて枠のインデックス型やバランス型投資信託などとは異なり①難易度が高い、②リスクも高いことをおさえておきましょう。


投資初心者は、つみたて枠の投資信託に長期・分散・積立投資することをおすすめします。


1.上場株式の取引

株式の取引は投資信託やETFとは異なり1つの企業に投資するため、ハイリスク・ハイリターンといわれています。ただし、新NISAでは整理・監理銘柄は対象外です。


国内の株は100株が1単元ですが、ネット証券会社を中心に1株から購入できる単元未満株のサービスもあります。海外の株式は為替リスクも生じますので注意しましょう。


株式は権利落ち日・配当落ち日付近は株価の値動きが大きく、決算や企業の不祥事などで株価が大きく変動することもあるでしょう。特に米国株は日本とは異なり1日の値幅制限が無いため、ハイリスク・ハイリターンの取引となる傾向にあります。


チャート分析とファンダメンタル分析を行い、購入を検討しましょう。NISA口座では、売却益だけではなく配当金も非課税になる点も大きな魅力です。


2.ボラティリティーが高い指数にインデックス投資

日本では東証マザーズ、米国ではナスダック指数など新興市場の指数にインデックス投資をするとボラティリティー(価格変動)が大きくなります。


実際に、筆者は東証ETF「NEXT FUNDS NASDAQ100(為替ヘッジなし)連動型上場投信 (1545)」を購入し1年で33%程度のリターンを得ることができました。


東証ETF・ナスダック100を購入し、1年間寝かせたらどうなる?東証ETFのメリット・デメリットと体験談


「変動幅は大きいけど許容でき、利益を見込める」という場合には、ボラティリティーが高い指数にインデックス投資をするのも良いかもしれません。


3.新興国の投資信託を選ぶ

新興国は日本や海外の先進国に比べてハイリスク・ハイリターンといわれています。

新NISAの成長投資枠の対象となる投資信託には、インドやフィリピンなどの東南アジアを中心にブラジルなどの新興国を対象とするファンドもあります。


特にインドは近年成長が著しく投資家も注目する国です。

インドの株式市場を代表するSENSEX指数の1年間の推移を見ていきましょう。


 

出典:TradingView


2022年10月・2023年3~4月には下落していますが、実は日本やアメリカの指数の方がボラティリティーは大きくなっています。

 

青:SENSEX指数(インド)紫:TOPIX(日本)オレンジ:日経平均株価225(日本)

緑:S&P500(アメリカ)黄色:ナスダック100(アメリカ)

出典:TradingView


下落幅が最も大きい指数はナスダックで、SENSEXは最も下落幅が小さくなっています。

日本もアメリカに比べると下落幅は小さいことが分かります。


4.テーマ別投資信託・アクティブファンドの運用

テーマ別投資信託やアクティブファンドは、インデックス型投資信託より高リスク・高リターンの傾向にあります。


なおテーマ別投資信託には「指標に基づくインデックス型投資信託」を謳っている商品がありますが、中には「当社独自の指標」である投資信託もありますので注意が必要です。


アクティブファンドは短期でリスク・リターンを狙えますが、信託報酬がインデックス型より高いので気をつけましょう。場合によっては「アクティブファンドより、新興市場の指数にインデックス投資した方が利益は多かった」というケースもあります。


まとめ

新興国や新興市場の指数に投資することで、インデックス投資でも高いリターンを見込むことが可能です。上場株式は投資信託と比べ高リスク・高リターンの投資ができ、配当金にも課税されません。

しかし、リターンが高いとリスクも高くなりますので十分な分析・検討が必要です。


「高リスク高リターンの投資は全体の2割」などルールを決め、自分に合った成長投資枠の投資方法を考えていきましょう。


※上記はあくまでつみたて枠より高リスク高リターンの方法を紹介する記事であり、高リスクの投資や特定の投資信託を推奨するものではありません。

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ファイナンシャル・プランナー/ライター

田中 あさみ

大学在学中に2級FP技能士の資格を取得。会社員を経て独立し、金融・投資・相続・法律などの記事を執筆している。 自身でも米国株やETF・投資信託等を運用中。

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