長期・積立・分散投資は初心者でもリターンを得やすい投資手法と言われています。投資を支援する非課税制度「つみたてNISA」は対象の商品が長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託に限られており、インデックス型・バランス型が中心です。
長期投資を始めるにあたって「長期投資には結局どの投資信託を選べば良いの?」「なぜ○○(ファンド名)が良いと言われているの?」と疑問を抱くかたは多いのではないでしょうか。
今回は長期間の投資に適したファンドとは、投資信託を選ぶ際に知っておきたいこと5つ、人気が高い投資信託について解説していきます。
長期投資に適した投資信託とは?
長期・積立・分散投資を支援する非課税制度「つみたてNISA」で購入できる投資信託は、インデックス型・バランス型が中心です。
インデックス型投資信託とは、特定の指数(日経平均株価・S&P500など)と連動した動きを目指すファンドです。インデックス・ファンドには、主に国内の投資信託と海外のETFがあり数多くの商品が存在します。
バランス型投資信託とは国内債券・国内株式・外国債券・外国株式・REIT(不動産に特化した投資信託)などを一定の割合で組み合わせたものです。配分の比率を自動で調整(リバランス)してもらえますが、インデックス型より信託報酬(運用中にかかる手数料)が高めの商品が多いです。
つみたてNISAのように長期に渡って投資する場合、どのファンドを選べば良いのでしょうか?
投資信託を選ぶ基準とは?知っておきたい5つのこと
投資信託を選ぶ際には以下の5つを把握しておきましょう。
1.インデックス型orバランス型
長期投資を推奨するつみたてNISAで投資できる商品は長期・分散・積立投資に適した一定のものに限られています。よって、長期投資にはインデックス型又はバランス型が適していると言えるでしょう。インデックス型とバランス型どちらを選ぶかは、個人の投資方針によるところが大きいと言えます。
バランス型は自身でリバランスをする必要が無いですがインデックス型より信託報酬が高めです。一方、インデックス型は信託報酬が低めですが自身で定期的に配分比率を見直す必要があります。
「信託報酬が高くなってもいいからバランスを重視したい」というかたはバランス型、「自身でリバランスをするので信託報酬を低くおさえたい」というかたはインデックス型が適しているでしょう。
2.手数料
投資信託は売買時・信託報酬(運用中のコスト)など手数料がかかります。長期での運用は信託報酬のコストが大きくなりますので、可能な限り信託報酬が低いファンドを選びましょう。なお、つみたてNISAの投資信託は全てノーロードで購入時の手数料は0円です。
3.純資産総額
純資産総額はファンドの「規模」を表したもので、総資産額から運用費や負債などを差し引き計算します。純資産総額が大きいファンドは人気が高いと言えます。
純資産総額が低いと運用が非効率になってしまう、運用を止めてしまうなどのデメリットが生じます。ただし、純資産総額が低くても複数のファンド(ベビーファンド)を取りまとめて運用している「マザーファンド」の残高が十分にある状態であれば運用への影響は少ないでしょう。
4.運用成績
過去の運用成績はファンドを選ぶ上で重要な判断材料となります。運用会社のホームページで投資信託の基準価額、利回り・分配金の推移などを確認しましょう。投資信託協会のホームページでもチェックできます。
インデックス型は「特定の指数と連動しているか」という点にも注目しましょう。投資信託の評価会社が発表するレーティング(評価)やランキング(順位)なども客観的な判断の指標となります。
5.投資対象
投資の対象は主に国内債券・国内株式・外国債券・外国株式です。バランス型には国内・外国のREITが含まれているものもあります。それぞれの商品のリスク・リターンは、金融広報中央委員会の「知るぽると」の「投資対象によるリスクとリターンの関係」を参考にしましょう。
リターンを重視するかたは外国株式型が適している可能性があります。
バランスを重視するかたは、バランス型もしくは複数のタイプを組み合わせることで分散投資が可能です。
いま人気がある投資信託とは?
2022年12月時点で純資産総額が大きい商品として「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」などがあります。
S&P500は米国で時価総額の大きい500社の指標、全世界株式は日本を含む先進国・新興国の株式市場の値動きに連動する投資成果を目指しています。「人気がある投資信託を選べば良いのでは?」と思うかたもいらっしゃるかもしれません。確かに上記の商品は過去に指数との連動性が高く、評価会社の評価も高いです。
しかし、全て外国株式ですのでリスク許容度が低い人には含み損に耐えられない可能性があります。投資信託は全て元本割れのリスクがあります。リスク許容度(どの位損失に耐えられるかの度合い)が低いかたは、国内債券型と組み合わせるなどの方法でバランスのとれた運用を検討しましょう。
※上記は「人気が高い投資信託」の紹介であり、購入を推奨するものではありません。
長期投資の投資信託は総合的な判断を
投資信託を長期で運用する予定のかたは、上記5つの要素をもとに総合的な判断を心がけましょう。自身のリスク許容度を知っておくことも重要です。