2019年に話題となった老後2,000万円問題が記憶に新しい方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。年金以外に2,000万円が必要であるということで、当時衝撃を受けた方は、将来へのお金の不安を募らせたことでしょう。
この2,000万円問題は、もはや常識となっており、コロナ禍で金銭的な不安が増大している中、さらにウクライナとロシアの戦争により物価が高騰し、今の生活が苦しいのはもちろん、将来に向けてのお金の運用について真剣に考え、投資を始める方も少なくありません。
2021年11月9日-16日の8日間で一般社団法人投資信託協会が全国の20-79歳の2万人を対象にインターネットを利用して、「投資信託に関するアンケート調査-2021年(令和3年)投資信託全般」を実施しました。
この報告書のサマリーによると、投資信託の保有状況は全世代で増加傾向にあり、特に30代においては9.5ポイントも増加していることがわかりました。さらに国内株式投資信託よりも外国株式投資信託の保有の方が上回っており、YouTubeやSNSからの情報を参考にしている20-30代が多く、投資信託に対する関心は高まっていることが伺えます。
引用:MORNINGSTAR
そこで、本記事では、これから投資信託を考えている初心者の方に向けて、投資信託のメリットデメリットを徹底解説していきます。
投資信託のメリット
投資信託をはじめる若い世代が増加している背景には、様々なメリットが存在するということが第一に挙げられるでしょう。本項目では、下記の代表的な4つのメリットについて、解説していきます。
● 少額から始めることができる
● 専門家が運用
● 分散投資でリスクを軽減することができる
● 透明性が高く安心
少額から始めることができる
日本株を例にすると、大抵100株単位でのやりとりとなることから、最低でも数十万円の資金が必要となります。一方で投資信託であれば、およそ1万円程度から投資を行うことができるため、気軽に比較的低いリスクで投資をはじめることができます。そのため、不安の多い投資初心者におすすめの投資方法であると言えます。
専門家が運用
投資信託は、その名の通り、投資を信じて託すということになり、プロの専門家が投資家に代わって運用をしてくれます。そのため、投資に知識がない方やなかなか難しくて理解できないという方でも、いつの間にか資産を増やすことができるという特徴があります。
分散投資でリスクを軽減することができる
投資信託では、国内外の株式や債券など、様々な商品に分散させて投資を行うことになるため、保有する1つの銘柄の株式が下落したとしても、別の債券は価値が上がるなどといいったことで、大きく損をする可能性が低い投資方法であると言えます。
透明性が高く安心
投資信託は、プロの投資家に運用してもらうことになりますが、原則的に毎日基準価額が公表されており、資産価値や値動きをいつでも確認することができ安心です。さらに決算ごとに監査を受けていることから、その透明性の高さも保証されています。
投資信託のデメリット
若い世代が注目する投資信託にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。投資信託を行う前には、デメリットも押さえた上で行う必要があるので、きちんと理解しておきましょう。
● 元本保証がない
● コストがかかる
元本保証がない
投資信託は、分散投資ではありますが、あくまで投資であることから、初期投資した金額の元本保証はありません。そのため、いくらプロに運用してもらっているとしても、保有している株式や債券によっては、時に初期投資金額よりも値下がりしてしまう可能性も存在します。
コストがかかる
投資信託を行う際には、様々な機関が関係してくることから、投資家は購入時の手数料や、運用管理費用、信託財産留保額などといった様々な手数料を負担しなければならないということを念頭に入れておく必要があります。
また、投資信託で得た利益は課税対象であることから、場合によっては確定申告も必要となるかもしれません。税金に対する知識も深めておく必要があるでしょう。
まとめ
投資信託のメリットデメリットについて、本記事では、これから投資信託を考えている初心者の方に向けて、徹底解説してきました。
投資信託をはじめる若い世代が多い理由が少しでも理解いただけたのではないでしょうか。もちろん、本文中でも述べた通り、メリットだけでなくデメリットも存在します。次回は【投資信託のリスクとは】でリスクや注意点をさらに深く掘り下げて解説していきますので、ぜひご覧ください。