株式市場が好調の時には「インデックス型投資信託を売るべきか悩んでいる」「投資信託をいつ売れば良いのか」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
投資信託に限らず、金融商品は投資家が自分で目標を設定し達成した時が売り時といえるかもしれません。しかし目標を決めずに購入した場合や、目標には届いたけど悩んでいるというケースではどうすれば良いのでしょうか?
今回は投資信託の売り時をお悩み別に解説していきます。
投資信託の売り時とは?ケース別に解説
「目標を決めずに投資信託を購入した。いつ売るべき?」「目標は達成したが、売却を迷っている」などお悩み別の対処法をお伝えしていきます。
1.目標を決めずに投資信託を購入した。いつ売却すべき?
目標額・利益率を決めずに投資信託を購入してしまった場合は、いつ売却すべきなのでしょうか?
以下2つの選択肢があります。
①そのまま保有し続け、長期の投資にする
②今から目標を設定して達成したら売却する
長期で利益を見込むインデックス型投資信託を運用している場合は、①の長期投資に目標を設定する事例が多いでしょう。
ただし、手元に現金が必要な方、他に投資したい金融商品がある方は売却を検討しましょう。
長期投資をするつもりがない場合、アクティブ型投資信託で長期投資に適さないケースなどでは②目標を設定し達成したら売却することをおすすめします。
明確な数値は設定していなくてもおおよその目標を達成している場合は、売却してしまうのも有効な出口戦略です。当初の目標には届かないと感じる際には「200万円分買い付けた投資信託が300万円になったら売る」「20%の利益が出たら売る」といった目標を改めて設定し、運用を続けます。
2.目標は達成したが、売るべきか迷っている
目標の金額や利益率を達成したものの、売却する決心がつかない場合はどうすれば良いのでしょう?
①目標を達成したので、予定どおり売却する
②目標を上昇修正し、運用を続ける
③一部を売却する
上記3つの選択肢があります。
①は「売却した後上がってしまった」、②は「目標を修正した後、下落してしまい後悔」という恐れがあります。しかし、どんな判断をしても後悔する可能性はありますので「現在売却して得られるリターン」と「売却せずに運用することで生じるリスク・リターン」を天秤にかけ判断しましょう。
③は折衷案ですが、投資信託の一部を売却する場合には以下のような注意点があります。
3.一部売却するべきか悩んでいる
「投資信託の一部を売却するか悩んでいる」という方もいらっしゃるでしょう。
投資信託を含む金融商品は、最高値で売却することが非常に困難です。
そのため一部を売却し利益を確定させることで、利益が確実に得られる可能性が高くなります。
ただし、一部を売却する場合はポートフォリオに影響がありますので注意が必要です。
株式インデックス型投資信託と債券インデックス型投資信託を50%ずつというポートフォリオで運用した場合、債券インデックス型投資信託を50%(全体の25%)売却すると比率が崩れてしまいます。
ポートフォリオのバランスが崩れた場合は、再調整(リバランス)を検討しましょう。
4.長期投資の予定なので売却を迷っている
長期投資の予定でインデックス型投資信託を買い付けたものの、「予想以上に基準価額が上昇してしまったけど売却した方が良いのか迷う」という経験がある方は多いのではないでしょうか。
①当初の目標を達成するため、そのまま持ち続ける
②全部・一部を売却して長期投資の分を再び購入する
上記2つの選択肢のうち、どちらかを選ぶことになります。
この場合、若年層は運用期間が長いため②を選んでも再びチャンスが来る可能性があるかもしれません。一方で50代以上の方はこのまま運用を続けた方が良いと考えられますが、相場の状況や将来の値動きによっては売却した方が良いケースも存在します。
②の「全部または一部を売却」を選ぶことで、利益を確定できるというメリットがあります。
ただし、売却することで長期投資する場合よりもリターンが低くなってしまう、再び購入する際に購入時手数料がかかるといったデメリットが生じてしまいます。
基本的に、インデックス型投資信託は長期・分散・積立で運用すると成果が出やすい手法ですので①を選ぶことをおすすめします。
最終的には投資家が自分で売却のメリット・デメリットを比較し、判断しましょう。
投資信託を売却する時の注意点
投資信託を売却する際には、以下の3点に注意しましょう。
売却によりポートフォリオの再調整(リバランス)が必要になる
再購入する時の購入時手数料を考慮する
インデックス型投資信託は、長期保有が望ましい
投資信託は、一般的にアクティブ型投資信託は短・中期の運用、バランス型・インデックス型投資信託は長期の運用が望ましいといわれています。
タイミングや目標額を始め、自身の保有資産額・ポートフォリオ・投資信託のタイプ・手数料なども考慮しながら「売り時」を判断していきましょう。