本年度から高校の家庭科の授業が新学習指導要領になったことをご存知でしょうか。従来の家庭科の授業で思い浮かぶことといえば、調理実習や裁縫などではないかと思います。しかし家庭科の授業でついに高校生達が資産形成を学習する時代になりました。
学生時代にこのような将来の資産形成について具体的に学ぶことができるというのは、とても画期的でありながら、本来豊かな人生を生きていくために必要不可欠であるのかもしれません。
私達は、大人になってから投資について興味があれば学び、一部の限られた人間だけが投資によって大きな成功を収め、いわゆる「億り人」と呼ばれたり、人によってはFIREを達成したりして、裕福で自由な人生を手に入れていますが、本来教育の場で平等に投資について学んでいれば、もっと多くの人達が資産形成を効率的に行い、将来に備えることができるはずなのです。
実際に授業を開始した栃木県内の高校では、前向きに捉える教諭がいる一方で、教諭自体に投資経験がないため身近な経験則を語ることができないと不安に捉える教諭もいるため、栃木県教育委員会では弁護士などの専門家を講師としていきたいとしています。この現場からも、今を必死に生きる人達の中には、全く投資とは無縁の人生を送っている方もいるのです。
今後、学生達は私達大人よりも投資について詳しくなる時代がそこまできています。しかし、今ちょうど投資信託に興味をもち、これから投資をしたいと考える方もまだまだ遅くはありません。
本記事では、今更聞けない投資信託の仕組みについてわかりやすく解説していきます。
投資信託の仕組み
投資信託の概要については、過去の記事【投資信託とは】で解説した通りですので、概要についてはもう理解されている方も多いでしょう。しかし、投資信託の仕組みはどうなっているのかと問われても明確に答えることができるという方は多くはないのではないでしょうか。本項目では、投資信託に関係する機関の役割と基準価額について掘り下げていきます。
関係機関の役割
投資信託を行う際、投資家達がやりとりするのは証券会社や銀行、郵便局となるため、証券会社が投資信託を運用していると勘違いしてしまうことがありますが、そうではありません。実際には投資信託には大きく3つの機関が関わっていますので、それぞれの役割について解説していきます。
証券会社や銀行、郵便局など
証券会社や銀行、郵便局などは、投資信託を行う投資家の口座を管理する他、投資信託の販売や換金、さらには投資信託による分配金や償還金などの支払いを行う機関となります。あくまで投資家と投資信託の架け橋的な存在であり、投資信託を運用しているわけではありません。
投資信託運用会社
投資信託運用会社とは、証券会社や銀行、郵便局が投資家達から集めた資金を運用する方法を考える会社のことです。投資信託の設定を担うだけでなく、在籍している専門家が集めた資金をどの資産にどのような手段で投資を行うのかを考え、後述する信託銀行に運用を指示する役割を担う機関となっています。
信託銀行
信託銀行とは、前述した投資信託運用会社の専門家からの運用の指示に従い、指定の株式や債券などの売買や管理を担う機関のことです。投資家達から集めた資金を実際に動かしています。
このように、投資信託では、投資家達がやりとりする証券会社や銀行、郵便局の他に主に2つの機関が関わっているため、取引には様々な手数料などがかかるのです。
基準価額
投資信託における基準価額についてもおさらいしておきましょう。基準価額とは、投資信託の値段のことを指し、大抵の場合1口あるいは1万口当たりの値段を言います。
極端な例を用いると、例えば1口当たり100円で購入し運用を開始した投資信託は、運用開始後1口の値段がずっと100円ではなく、運用実績により日々変動していきます。1口当たりで見ると金額も少なくわかりにくいことから、多くの場合では1万口当たりの値段を公表することが一般的となっています。
基準価額の大きな特徴としては、1日に1回価額が算出されるということです。そのため、株式の運用とは異なり、リアルタイムで売却を行うことができず、基準価額公表の前の段階で売却を行わなければならないというルールがあるので注意しましょう。
引用:東海東京証券
このルールから、基本的には投資信託は短期運用よりも長期運用を行うことが推奨されています。
算出方法
基準価額の1万口あたりの算出式は下記のようになります。
基準価額=純資産総額/総口数×10,000口
ここで言う純資産総額とは、投資信託においてファンドとして管理されている総資産から負債を引いたものであり、言い換えれば投資家が所有する資産のことを指します。
まとめ
投資信託の仕組みについて、本記事ではわかりやすく解説してきました。
投資信託をこれからはじめてみたいという方、興味があっても今更誰にも投資信託について質問できないなどと悩んでらっしゃる方のお力になれていれば嬉しく思います。
次回は【投資信託の成功例】について、先輩投資家達の体験をご紹介していくので、ぜひご覧ください。