いまから投資信託

米国ETFと投資信託、どちらが良い?メリット・デメリットと体験談

米国の株価指数S&P500・NASDAQ100にインデックス投資する場合、円をドルに替えETFを購入する、日本円で投資信託を購入するという2つの選択肢があります。


ETFは株価のように指し値で売買できる、投資信託より信託報酬が低いというメリットがありますがドルに替えるため為替レートの影響を受けてしまいます。


投資信託は日本円で取引できますが、ETFのように指し値で売買することができずタイムラグが生じ、ETFより信託報酬がやや高めです。


今回は代表的な米国ETFについて、米国ETFと投資信託のメリット・デメリットと体験談をお伝えしていきます。


代表的な米国ETFとは?投資信託の手数料を比較

S&P500やNASDAQ100など米国の株価指数にインデックス投資をする際は、日本円で投資信託を購入する方法と円をドルに替え米国ETFを購入する方法があります。


ETFは売買できる相手がいないと取引が成立しないため、出来高が多いETFを選ぶと流動性が高くなります。


米国ETFの中でも人気があり出来高が多い3つの商品の概要と、投資信託との手数料の比較を見ていきましょう。



VOOはS&P500、QQQはNASDAQ100、VTI はCRSP米国総合指数との連動を目指しています。


上記のうちリスク・リターンを低いものから順番に並べると、VTI、&P500、NASDAQ100です。

米国ETFと投資信託、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。



米国ETFのメリット・デメリット


メリット①信託報酬が安い

米国ETFは信託報酬が安く、VOOは0.03%、VTIは0.03%です。日本の投資信託と比べてコストがおさえられます。


ネット証券会社を中心に、買付手数料無料の商品もあります。


メリット②日本より流通量が多く、商品の流動性が高い

米国は日本より投資をする人の数が多く、上記のETFは盛んに売買が行われています。流通量が多いということは商品の流動性が高く、お金に換えやすいというメリットがあります。


メリット③指し値で売買できるので短・中期の取引にも強い

海外が対象の投資信託はタイムラグが生じるため、下がってから購入しても基準価額に反映されていないことがあります。

しかしETFは、株式のように指定した価格(指し値)で売買できる点が強みです。


上記はインデックス型のETFですが、QQQは値動きの幅が大きいため短・中期でも利益を狙えるというメリットがあります。


デメリット:為替リスクが高い

米国ETFは円をドルに替えて取引するため、為替リスクが生じます。

例えば1ドル100円の時にドルに替え、売買した後に円安(円の価値が下がる)で110円になると利益が生じます。しかし円高(円の価値が上がる)になり1ドル90円になった際には損をしてしまいます。


2021年頃から為替レートの変動幅が大きくなっていますので、為替リスクには注意が必要です。


投資信託のメリット・デメリット


メリット①為替リスクが低い

投資信託は米国ETFとは異なり日本円で売買するため、為替リスクは低い傾向にあります。しかし信託報酬の低い投資信託は、多くの商品が為替ヘッジ(為替レートの変動による損失を回避する行為)なしです。米国ETFほどではありませんが、為替の影響を受けることになります。


メリット②長期保有に適している

インデックス型投資信託は、長期でリスク・リターンが得られる可能性が高く米国ETFとは異なり為替の影響も受けにくいため長期の資産形成に適した商品といえます。


米国ETFと比べると信託報酬はやや高いですがアクティブ型投資信託やバランス型投資信託と比べると信託報酬は低いため、長期保有でもコストはおさえられます。


デメリット①取引にタイムラグが生じる

海外市場に投資する投資信託は、約定が申し込みの翌営業日になる証券会社が多く、取引にタイムラグが生じてしまいます。

よって「市場で指数が下がったから買ったのに、約定価額は下がっていない」という事例もあります。


デメリット②米国ETFと比べると信託報酬が高め

日本の投資信託は米国ETFに比べる信託報酬が高めの傾向にあります。


しかし購入の手数料が無料(ノーロード)の商品が多く、最安値の商品と信託報酬の差を比較すると0.07%以内です。米国ETFと投資信託の大きな違いである為替リスクを考慮しながら検討しましょう。


米国ETF・投資信託の体験談

筆者は2020年頃から米国ETFと投資信託を購入し、両方運用していました。


しかし現在保有しているのは日本の投資信託のみです。

米国ETFを手放した一番の理由は為替レートの変動で、2021年から為替レートの変動幅が大きくなっています。

 

出典:Tradingview


円安傾向にありますので為替差益が発生しています。しかし、市場の変動に加えて為替レートの変動にも敏感になることで疲れてしまい、米国ETFは売却してしまいました。


つみたてNISAでS&P500の投資信託は保有しており、着実にリターンが出ています。


まとめ

米国ETFと投資信託の大きな違いは為替リスクです。指し値で購入できるか否かという点も短・中期の取引では大きな影響を及ぼすでしょう。


投資信託と米国ETFを併せて運用することで為替リスクの軽減が期待できます。

米国ETFが気になる方、投資信託と迷っている方はこの記事を参考に検討してみましょう。


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ファイナンシャル・プランナー/ライター

田中 あさみ

大学在学中に2級FP技能士の資格を取得。会社員を経て独立し、金融・投資・相続・法律などの記事を執筆している。 自身でも米国株やETF・投資信託等を運用中。

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