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気になるあの企業の給料は?

新卒年収を560万円に引き上げたSansan

名刺管理サービス事業を手がけるSansanは6月、2024年4月新卒入社者の初任給を従来の年収504万円から560万円に引き上げると発表しました。およそ11.1%増の年収アップとなります。


月給では36万円から40万円となり、標準的な賞与(年間で月給2カ月分を想定)と合わせ、前述した金額となるようです。これには30時間相当の固定残業手当が含まれます。


残業代が含まれるとは言え、新入社員で年収560万円というのは、一般的に見ても高額な部類と言えるでしょう。


昨年、ネット広告大手でゲームやAbema事業なども手がけるサイバーエージェントが初任給を月給42万円に引き上げた時も、大きな話題となりました。こちらもかなりの高額だとは思いますが、この42万円は固定残業手当と賞与を含む総年俸の1/12としての月給です。


Sansanの場合は賞与は別で月給40万円。賞与を含む年収では560万円ですから、サイバーエージェントのような日経平均株価に採用される上場企業と比較しても、頭一つ抜けた水準と言えるでしょう。


こうした高額な初任給を設定した理由について、同社は「より優秀な人材を採用して事業成長のスピードをさらに一段引き上げる」ためと説明しています。また、新卒初任給と同時に給与テーブル全体についても改定し、全社の給与水準を向上させました。


「改定により採用競争力を高め、組織を拡大してより高い成長率をめざすとともに、業界最高水準の報酬を実現すべくさらに給与を引き上げていく予定」(Sansan)としています。


同社は2007年に設立された比較的新しい企業です。名刺管理サービスなどを含む営業DXサービスSansanを手がけるとともに、2012年には名刺アプリ「Eight」の提供を開始。その後も、インボイス管理サービス「Bill One」などの新事業を急拡大させ、事業拡大を続けてきました。


2019年に東証マザーズ市場に上場。その2年後の2021年には当時の東証1部へと市場変更となり、現在は東証プライム市場に上場しています。


Sansanという社名は知らなくても、テレビCMは見かけたことがあるのではないでしょうか。営業マンが上司に業務報告する際、営業先の会社との人脈づくりに奔走するなかで、実は上司と営業先の相手とは知り合いだった、というオチに「それ早く言ってよー」とツッコミを入れる内容で、その後もシリーズとして複数のCMが製作されています。


このCMは同社の名刺管理サービスをPRする内容で2021年ごろから放送されていたものですが、そこから同社の業務は新事業を含めて、さらに拡大。2020年5月期に134億円だった売上高は、翌2021年5月期には162億円に、2022年5月期には204億円にまで増加しました。2023年7月に発表される予定の2023年5月期では、さらに254億円まで増加する会社計画を立てています。





これだけ急ピッチで業績を拡大させてきた同社ですが、従業員の平均給与についても成長に伴って上昇を続けてきています。2019年5月期には社員547名、平均年間給与が601万円でしたが、2020年5月期には同710名、635万円に拡大。コロナの影響があった2021年5月期こそ社員数は928名に増加したものの、621万円にとどまりましたが、2022年5月期には同1166名、640万円と再び増加しています。


役員の報酬については、直近の2022年5月期において、取締役6名に対し報酬総額は1億3900万円。1人当たり約2300万円となっています。こちらはすべて固定報酬で業績連動報酬はなく、株式報酬もありません。ただ、取締役を含む従業員に対し、新株予約権の発行は行っています。いわゆるストックオプションと呼ばれるものですね。


こうしたものは一般的な給与には含まれないものの、会社の成長に伴って従業員の報酬アップにつながるために、実質的な給与の一部に含まれるかもしれません。となれば、同社の年収は見た目よりもさらに高額の水準であると言えます。


ここまで業績は右肩上がりで増収が続いており、従業員数も平均給与も拡大基調。勢いがあるだけに前述した初任給の引き上げにもつながったと言えるでしょう。もはや、ベンチャー企業の報酬が大企業よりも劣る、とは言い切れません。こうした企業の活躍にますます期待したいところです。


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日本株情報部 アナリスト

斎藤 裕昭

経済誌、株式情報誌の記者を経て2019年に入社。 幅広い企業への取材経験をもとに、個別株を中心としたニュース配信を担当。

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