初任給40万超で話題に
7月26日付の日本経済新聞で、IT企業のサイバーエージェントが2023年春の新卒入社の初任給を42万円に引き上げると報じられ、話題となりました。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2021年)によると、大卒者の平均初任給(残業代・賞与は別)は22万5400円となっていますから、これを大幅に上回る金額です。
エンジニアなど専門職では、初年度から1000万円を超えるような高給を提示する企業は、決して珍しくはなくなりました。ですが、高度な専門知識が必要な人材でなくとも、新卒社員の初任給がここまで上昇するのかと、驚きをもって受け止めた方も多かったのではないでしょうか。
とはいえ、記事のヘッドラインばかりが注目され、中身についてはそこまで正しく受け止められてなかった面もあるように思います。この42万円という額は一定の残業時間を含んだ金額となっています。残業代が始めから含まれているなら額が高くなるのは理解できます。
同社は年俸制を適用しているため、年収に換算すると42万円×12カ月で504万円となります。残業代込みで年504万円というと、びっくりするほど高額とまでは言えないと感じる人もいそうですね。
初任給だけじゃない 平均給与も高額
初任給が大きく話題になったサイバーエージェントですが、平均給与の方はどうでしょうか。国税庁の発表資料によれば、国民の平均給与は年間で461万円となっています。同社の有価証券報告書によると、同社の21.9期の平均給与は771万1000円。社員の平均年齢は34.1歳と比較的若い方なのを考えると、高額な部類に入ると言えるでしょう。
直近4年間の平均では723.9万円となっていますが、変動幅がそれなりに大きめで一番額が高かった21.9期と一番低かった19.9期では約89万円の差があります。この額はおそらくボーナスによる差だと思われます。
いろいろと話題を集た同社の給料に関する報道ですが、長らくデフレが続いたなかで、給料が上がってくれるれるのは、サラリーマンの立場としては大いに助かります。昨今では、サイバーエージェント以外にも初任給を含めた給料引き上げを行う企業も増えていますので、この流れが継続してほしいものですね。