「老後のために資産運用しているが、最適なポートフォリオが知りたい」「どのような金融商品で資産運用を行えば良い?」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
ポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)を作るためには金融商品のリスク・リターンや自身のリスク許容度などについて知る必要があります。本記事ではポートフォリオとは、金融商品のリスク・リターン、ポートフォリオを作るためのポイント3つを解説していきます。
ポートフォリオとは
ポートフォリオとは預金・株式・債券など金融商品の組み合わせを指します。例えば総資産が1000万円で預貯金が500万円、株式200万円、投資信託300万円を保有している人のポートフォリオをグラフにすると以下のようになります。
ポートフォリオは、上記のように図で可視化しておくことで把握しやすくなります。既に資産運用を行っている方は、まず自身のポートフォリオを作成しましょう。
ポートフォリオを考える上でまず知っておきたい事は、金融商品のリスクとリターンです。
金融商品のリスク・リターンを知ろう
金融商品の「リターン」とは金融商品を保有又は売却することで得られる利益を指し、リスクはリターンの「不確実性」「振れ幅」を指します。基本的にリスクが高い金融商品はリターンが高く、リターンが低い金融商品はリスクも低いです。
金融広報中央委員会のサイト「知るぽると」に掲載されている「リスクとリターンのイメージ図」は以下の通りです。
預金は最も低リスク・低リターンで債券は比較的低リスク・低リターンの金融商品です。
投資信託は商品によりますが、特定の株価指数との連動を目指して運用するインデックスファンドは低リスク・低リターンと言われています。プロの投資家が投資商品を選択・運用し高いリターンを目指すアクティブファンドはインデックスファンドより高リスク・高リターンです。
株式は1つの企業に集中して投資しますので、高リスク・高リターンと言えるでしょう。
地域によってもリスク・リターンが異なります。
高リスク・高リターンの金融商品と低リスク・低リターンの金融商品を一定の割合で組み合わせることで、リスクを分散した資産運用が可能となります。なお、iDeCo(個人型確定拠出年金)で運用できる投資信託のリスク・リターンは以下のようになっています。
iDeCoで資産運用している方は、参考にしましょう。
ポートフォリオを作るためのポイント3つ
老後のための資産形成に適したポートフォリオを作るためのポイントは以下の3つです。
公的年金のポートフォリオを参考にする
バランスファンドを活用する
個々のリスク許容度を知る
1.公的年金のポートフォリオを参考にする
私達が納付している公的年金(国民年金・厚生年金)は「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」が運用しています。GPIFは運用状況を公開しており、2001年度以降の累積収益は以下の通りです。
特に2020年度は世界的に株価が高く、多額のリターンが出ています。GPIFのポートフォリオは2020年4月より変更となり、国内債券・外国債券・国内株式・外国株式、25%ずつを基本としています。
変更前には以下のポートフォリオでしたが、「年金財政上必要な利回りを満たしつつ、最もリスクの小さいポートフォリオを選定した結果、国内債券の割合が減少した一方、外国債券の割合が増加した」という理由で上記の割合になりました。
プロが「リスクが低い」と判断し、運用実績があるGPIFのポートフォリオを参考に資産運用を行うのも選択肢の1つです。
2.バランスファンドを活用する
投資信託には国内外の株式・債券・REIT(不動産投資信託)を分散させて運用する「バランスファンド」と呼ばれる商品があります。バランスファンドを購入する事で世界の幅広い資産に投資が可能となりますので、ポートフォリオを作る自信が無い方やバランスが気になる方に適している商品です。
しかし投資信託を組み合わせて購入することでバランスファンドとほぼ同じ運用ができるという声もあります。投資をバランスファンドに一任できる人であれば向いているかもしれませんが、自身で運用したい方や信託報酬(手数料)をおさえたい方には不向きでしょう。
3.個々のリスク許容度を知る
「どのくらい損失を受け入れられるか」を示した度合いをリスク許容度と呼びますが、リスク許容度は年齢・世帯・収入・資産などによって異なります。
例えば20代でシングル、積極的に運用したい方は外国株式中心の「攻め」のポートフォリオ、50代でファミリー世帯の慎重な性格の方は国内債券が多い堅実なポートフォリオの作成をおすすめします。自身のリスク許容度を上記の表で判断し、リスク許容度に応じたポートフォリオを作りましょう。
まとめ
ポートフォリオと金融商品のリスク・リターン、ポートフォリオを作るための3つのポイントをお伝えしてきました。この記事で金融商品のリスク・リターン、自身のリスク許容度などを知りポートフォリオ作成に役立てていきましょう。