株に投資してみたいものの、どの株を買ってよいのかわからないという人は多いと思います。【いまから銘柄選び】では、投資を始めようと考える人たちに向けて、様々なアプローチの銘柄選びの方法をご紹介します。
第10回は銘柄スクリーニングを使用して成長性の高いと想定される銘柄(成長株)を探します。成長株といってもしっかりと定義があるわけではありません。今回は、東証グロース市場の上場銘柄を対象に、「売り上げが大きく伸びている」、「PBRが高い」という条件を設定し、スクリーニングを行います。
「PBRが高い=割高な銘柄」と考えてしまいがちですが、「PBRが高い=投資家からの評価の高い銘柄」と考えることもできます。期待されているからこそ高PBRが許容されているということです。では、スクリーニングをはじめましょう
項目の設定
今回もトレーダーズ・ウェブの銘柄スクリーニングを使用します。
トレーダーズ・ウェブの銘柄スクリーニングのページでは、以下のように37の項目があります。今回は、売り上げが大きく伸びている銘柄かつ、PBRが高い銘柄を探しますので、「35:売上高成長率」と「30:PBR」が重要な項目になります。
以下は「35:売上高成長率」です。左のチェックボックスにチェックし50%以上と入力しました。さらに、右のチェックボックスもチェックを入れています。右のチェックボックスはスクリーニング結果に表示したい場合に選択します。
次に「30:PBR」です。、5倍以上と設定します。
最後に「1:市場」を設定します。今回は東証グロースを対象とします。
定番スクリーニングを活用
トレーダーズ・ウェブの銘柄スクリーニングには以下の定番スクリーニングがあり、そのなかに高成長という項目があります。
定番スクリーニングの「高成長」をクリックしOKボタンを押すと、上記の「35:売上高成長率」、「30:PBR」、「1:市場」が自動で入力されます。
まずはこの定番スクリーニングで項目を設定し、必要に応じて数値などをカスタマイズしてください。
スクリーニング結果
今回は28銘柄(2023/2/9更新時点)が抽出されました。以下は抽出された28銘柄を売上高成長率の高い順に並べたものです。
1位はクルーズ予約サイト「ベストワンクルーズ」運営するベストワンドットコム(6577)となりました。この銘柄に関しては成長というよりもコロナ禍からの回復というイメージです。
2位はFHTホールディングス(3777)となりました。同社は、Zend製品やデータベース製品を中心にソリューションおよびサポートを提供するIT関連事業や、発電所の開発およびセカンダリー案件も含めた太陽光発電所の取得・売却や売電事業などの再生可能エネルギー事業を行っています。
事業内容は面白いのですが、赤字が継続していることや株価が50円を下回っていることを踏まえると、投資対象とするのは難しいと考えます。
3位は独自開発のAIアルゴリズムを活用したサービスを展開しているニューラルポケット(4056)となりました。
同社は、今期(23.12期通期)の営業黒字転換を予想しています。なお前期の赤字は、過去最大の売上高や売上成長を実現するなか、社内検収体制の拡充が追いつかず、2022年12月末時点において 3億9700万円と過去最高の期末受注残高が生じたことなどが要因とのことです。
リスクをとるならば今期(23.12期)のさらなる回復に期待してみるのもよいでしょう。リスクを抑えて投資したい場合は、まずは5月に発表されるであろう23.12期第1四半期決算の内容を確認すべきと考えます。
そのほかには、6位にスマートフォン・PC向けRPG「メメントモリ」が大ヒットとなっているバンク・オブ・イノベーション(4393)、13位に近視予防抑制、脳活性化などに強いバイオベンチャーである坪田ラボ(4890)、15位にインフルエンサーと企業をマッチングするマーケティングプラットフォームサービス「toridori base」をはじめとしたインフルエンサーマーケティングサービスの開発・提供を行うトリドリ(9337)など、今後の成長が楽しみな会社が選ばれています。
最後に
今回のスクリーングは、投資対象とすべきではない銘柄も抽出されますので、初心者向けではありません。ただ、これまでのスクリーニングに比べて宝探し感は強いと思います。初心者の人は、まずは「将来が楽しみな銘柄を知る」ことを目的として、このスクリーニングを活用していただければと思います。