いまから銘柄選び

第21回 配当利回りが魅力~早稲田学習研究会~

株に投資してみたいものの、どの株を買ってよいのかわからないという人は多いと思います。【いまから銘柄選び】では、投資を始めようと考える人たちに向けて、様々なアプローチの銘柄選びの方法をご紹介します。


今回は、配当利回りが魅力的な銘柄として、早稲田学習研究会(5869)を紹介します。24.3期の配当予想は52.8円(24.3期は全額期末配当)となっています。2023年12月25日の終値1116円で計算した配当利回りは「4.73%」。では、同社の詳細をみていきましょう。



部門と校舎数

2023年12月22日に東証スタンダードに上場した早稲田学習研究会は、以下の3部門にわけて学習塾事業を展開しています。


ゼミ部門・・・・・・小学生・中学生対象の集団指導塾「W早稲田ゼミ」の運営

ハイ部門・・・・・・高校生対象の集団指導塾「W早稲田ゼミハイスクール」の運営

ファースト個別部門・・・小学生・中学生・高校生対象の個別指導塾「ファースト個別」の運営


2023年10月31日現在の校舎(教室)数は、以下となっています。


群馬県(ゼミ部門:12校舎、ハイ部門:6校舎、ファースト個別部門:2教室)

栃木県(ゼミ部門:9校舎、ハイ部門:5校舎)

埼玉県(ゼミ部門:14校舎、ハイ部門:3校舎、ファースト個別部門:1教室)

東京都(ファースト個別部門:7教室)


このように早稲田学習研究会は、群馬県、栃木県、埼玉県が中心に事業を展開しています。今後については、東京に積極的に進出するのではなく、まずは埼玉県を中心に出店により事業拡大を図っていくとしています。



業績推移

業績ですが、以下のように22.3期以降順調に売上高、利益ともに増加しています。




業績をみるうえで注意点としては季節性です。新学期スタート時期である1Qを底とし、夏期講習・冬期講習および入試直前対策授業を実施する2Q、3Q、4Qに売り上げが膨らむ傾向にあるとしています。1Qの業績が伸びないということは意識しておく必要があります。



今後について

学習塾事業は少子化の影響を受けてしまいます。一方で、小中高校生の子供一人当たりの学習塾への年間支出額は、「学習指導要領の改訂」、「グローバル化に伴う小学校での英語教育の義務化」、「大学受験者の増加」などの影響を受け増加傾向にあるとのことです。


このように、ターゲット総数の減少はあるものの子供一人当たりの学習塾費が増加することにより、学習塾市場は当面拡大していくことが想定されています。


同社は、上場で調達した資金は、W早稲田ゼミの2025年3月期開校予定の坂戸鶴ヶ島校、東松山校および鹿沼校の新規出店に係る土地・建物の取得や内装工事などの資金の一部に充当する予定としています


このように、今後も校舎数の増加による業績の拡大が期待されます。そして同社は「経営成績および財政状態を勘案した上で、年間配当性向50%以上を目安に安定的な配当の実施をめざす」としています。したがって、順調に業績が拡大すれば、配当の増額、さらには株価上昇が期待できます。



最後に

配当利回りが4%を超えていて、安定した業績成長が見込まれる銘柄というのは、相場の上昇もあり、以前に比べ少なくなっています。早稲田学習研究会は2023年12月に上場したばかりです。3月の権利取りに向けて早めに仕込んでみるのも面白いと考えます。



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第26回 設定を自動入力 10万円以下で投資できる増収増益銘柄をスクリーニングで確認
第25回「設定を自動入力 スクリーニングで高配当株を確認」
第24回「設定を自動入力 定番スクリーニングで大型優良株を確認」
いまから銘柄選び 第23回 新NISAで狙いたい 高成長銘柄
第22回 新NISAで狙いたい 大幅経常増益で低PER銘柄
第21回 配当利回りが魅力~早稲田学習研究会~
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第8回「スクリーニングで発見~ローリスク高配当株~」
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【いまから銘柄選び】第5回「スクリーニングに挑戦しよう~守りながら攻める:低β戦略~」
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【いまから銘柄選び】第3回「テーマ株に挑戦」
【いまから銘柄選び】第2回「スクリーニングに挑戦しよう~配当利回り編~」
【いまから銘柄選び】第1回「身近な会社から投資先を選ぶ」

日本株情報部長

河賀 宏明

証券会社、事業会社におけるIR担当・経営情報担当、FPや証券アナリスト講師などを経て2016年に入社。 金融全般に精通。証券アナリスト資格保有。 「トレーダーズ・ウェブ」向けなどに、個別株を中心としたニュース配信を担当。 メディア掲載&出演歴 株主手帳、日経CNBC「朝エクスプレス」、日経マネー

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