株に投資してみたいものの、どの株を買ってよいのかわからないという人は多いと思います。【いまから銘柄選び】では、投資を始めようと考える人たちに向けて、様々なアプローチの銘柄選びの方法をご紹介します。
今回はトレーダーズ・ウェブの銘柄スクリーニングを使用し、「低ベータ銘柄」を探してみたいと思います。
相場の先行き不透明感が高まった場合、「気にせずそのまま保有する」、「売却して現金化する」という対応が考えられます。これに加えて「銘柄を入れ替る」という対応も有効です。今回は、先行き不透明感が高まった場合に備えて、入れ替え銘柄候補をスクリーニングでみつけたいと思います。
具体的には、東証プライム上場企業でベータ(β)が低い銘柄をスクリーニングにより抽出します。
ベータ(β)は、全体相場(TOPIX)と比較してリスクが高いか低いかを判断する指標です。ベータ(β)が1より大きければベータ(β)を算出するときに使用した株価指数(ここではTOPIX)よりもリスクが高い(ハイリスク・ハイリターン)となり、 1より小さければベータ(β)を算出するときに使用した株価指数よりもリスクが低い(ローリスク・ローリターン)と判断できます。
また、ベータ(β)はマイナスになることもあります。これは全体相場(TOPIX)が上がれば、その銘柄は下がる傾向があるということです。逆にいえば、全体相場(TOPIX)が下がれば、その銘柄は上がる傾向があるといえます。
相場の先行き不透明感が高まった場合、ベータ(β)が低い銘柄やマイナスの銘柄への入れ替えを検討してみることが有効です。では、項目を設定していきましょう。
項目設定
今回のスクリーニングでは、シンプルに市場とベータ(β)の項目のみを設定します。
01:市場については、今回は東証プライムとします。
09:βは0.1倍以下とします。なお、この設定項目の結果を表示させるため、一番右のチェックボックスにチェックを入れるようにしてください。
この条件でスクリーニングを行うと2024/7/25更新時点では25銘柄が抽出されました。以下は、ベータ(β)の低い順に並べたものです。
抽出結果の確認
永谷園ホールディングス(2899)はMBOにより、C&Fロジホールディングス(9099)はTOBにより上場廃止となる予定ですので、ランキングしていないものとし、その他の銘柄についてみていきます。
1位は冷凍品など食材販売の「業務スーパー」をFC展開する神戸物産(3038)で、ベータ(β)は-0.16となっています。
同値で同じく1位となったのは九州地盤のコスモス薬品(3349)で、ベータ(β)は-0.16となっています。
3位は通販主力の無添加化粧品メーカーのファンケル(4921)で、ベータ(β)は-0.04となっています。
4位は日系最大級の総合コンサル会社であるベイカレント・コンサルティング(6532)で、ベータ(β)は-0.03となっています。
5位はグループウェア大手のネオジャパン(3921)で、ベータ(β)は-0.02となっています。
まとめ
ベータ(β)は過去の実績から算出されたものですので、マイナスであっても必ず逆に動くというわけではありませんが、全体相場が大きく下げる局面において、それほど下落しないことが期待されます。
相場が下落基調のときは売却して様子をみることも有効ですが、下がりにくい銘柄を選択するということも有効です。銘柄を入れ替えるかどうかは別にして、このスクリーニングで低ベータ銘柄を抽出できるようにしておいて損はないと考えます。