株に投資してみたいものの、どの株を買ってよいのかわからないという人は多いと思います。【いまから銘柄選び】では、投資を始めようと考える人たちに向けて、様々なアプローチの銘柄選びの方法をご紹介します。
第11回は銘柄スクリーニングを使用し、最近話題になっている低PBR(株価純資産倍率)銘柄を探します。
なぜ話題かというと、東証フォローアップ会議において、PBRの低い企業に改善措置などの開示を求める案が提示されたためです。東証による要請が始まれば、PBRの低い会社はその是正に向けて自社株買いや増配を実施する可能性があります。では、スクリーニングをはじめましょう。
最重要項目(PBR)の設定
今回もトレーダーズ・ウェブの銘柄スクリーニングを使用します。
トレーダーズ・ウェブの銘柄スクリーニングのページには37の項目があります。今回は、PBRが低い銘柄を探しますので、「30:PBR」が最重要項目となります。
以下は「30:PBR」です。今回はPBR0.7倍以下と設定します。さらに、右のチェックボックスもチェックを入れます。右のチェックボックスはスクリーニング結果に表示したい場合に選択します。
次に、「1:市場」を設定します。今回は東証プライムを対象とします。
この2つの条件でスクリーニングを行うと526銘柄(2023/3/2更新時点)が抽出されました。さすがに多いですので、配当利回りも条件に加えます。
「34:配当利回り」は以下のように4%以上で設定します。
この3つの条件でスクリーニングを行うと113銘柄(2023/3/2更新時点)が抽出されました。まだ多いので、業績を加味することにします。
「36:経常増益率」は、以下のように10%以上で設定します。
スクリーニング結果
4つの条件を設定すると24銘柄(2023/3/2更新時点)まで絞ることができました。以下は抽出された24銘柄をPBRの低い順に並べたものです。
1位は三重銀行と第三銀行が共同株式移転の方式により設立した三十三フィナンシャルグループ(7322)。
同社の株価はスクリーニングの対象日である2023年3月2日に昨年来高値を更新。昨年12月半ばから堅調な株価推移となっています。
2位は各種繊維工業品の製造・加工および販売などを行うシキボウ(3109)。
同社の株価は2023年2月28日に昨年来高値を更新。こちらも昨年12月から堅調な株価推移となっています。
3位は合成樹脂フィルム大手の大倉工業(4221)。
同社の株価は昨年12月に窓を開けて下落していましたが、低PBR銘柄物色の流れに加え、2月10日に23.12期の連結営業利益について大幅な増益(前期比19%増)を見込むと発表したこともあり、足元では窓埋めを達成しています。
そのほか4位に東洋インキSCホールディングス(4634)、9位に野村ホールディングス(8604)、16位にみずほフィナンシャルグループ(8411)、21位に石油資源開発(1662)などが選出されています。
最後に
今回のスクリーングは低PBR、高配当、好業績で抽出しています。出来高が極端に少ない銘柄には注意が必要ですが、投資初心者にも比較的安心なスクリーニングといえます。
条件設定の自由度は高いですので、自分なりにアレンジしてみるのも良いでしょう。低PBRは旬な話題でもあります。ぜひこのスクリーニングを試してみてください。