株に投資してみたいが、どの株を買ってよいのかわからないという人は多いと思います。投資情報サイトや雑誌などで紹介されている銘柄から投資先を見つけるのもよいですが、自分で銘柄を探すことは、最初こそ大変かもしれませんが、だんだん楽しくなってくるものです。
【いまから銘柄選び】では、投資を始めようと考える人たちに向けて、様々なアプローチの銘柄選びの方法をご紹介します。第1回は身近な会社から投資先を選ぶ方法をご紹介します。
まずは上場しているか確認
株式投資というと多くの人はハードルが高いと感じるでしょう。しかし、普段から利用しているお店を応援するという目的であれば、そのハードルは大きく下がります。
外食関連であれば、マクドナルドや吉野家、サイゼリアなど普段からよく利用するお店の株に投資してみることは、投資の第1歩としておすすめです。もちろんこれらの会社は東京証券取引所に上場しており、株式の売買が可能です。
もう少しこだわりを持って投資するのもよいでしょう。例えば、とんこつラーメンが好きだとして、とんこつラーメンチェーンに投資しようと考えたとしましょう。
まず有名なラーメンチェーンである「一蘭」を候補にあげました。しかし、「一蘭」はこのコラムの作成時点では上場していないため、残念ながら投資することは難しいです。
あきらめきれないので、同じく有名なとんこつラーメンチェーンである「博多一風堂」に投資したいと考えました。しかし、「博多一風堂」という名称の上場会社は見つかりませんでした。
「博多一風堂」も「一蘭」と同様に投資できないのでしょうか?実は「博多一風堂」に投資することは可能です。「博多一風堂」という名称の上場会社はありませんが、「博多一風堂」の運営を行う力の源ホールディングスは上場しています。
このように我々が普段親しんでいるブランド(店舗名など)と上場している会社名が異なる場合があります。いまはインターネットで簡単に調べられますので、まずは気に入ったお店などが上場しているか確認しましょう。
【上場会社名と普段利用するお店の名称が異なる事例】
利用しているからこそ気づけること
身近な会社に投資することは、そのお店などを応援したいと思うことが大事です。おいしいお店であれば頑張ってほしいと思うでしょう。利用客に目を向けてみるのも重要です。お客さんが多いか少ないかはもちろん、男性と女性の比率、家族連れが多いかなど、お店によって特徴は変わります。
ここで、串カツ田中ホールディングスが運営している「串カツ田中」の例をご紹介します。「串カツ田中」は居酒屋業態なのですが、以下のように親子で作れるサイドメニューなど子供向けサービスがあり、家族客が多いことが特徴です。
串カツ田中HPより引用
串カツ田中ホールディングスが大きく成長できた要因の一つにファミレスと居酒屋の中間というポジショニングを取れたことがあると考えられます。
普段から串カツ田中をよく利用し、家族客が多いということに気づいていれば、「この会社は伸びるのではないか」と判断できたかもしれません。そして、そのタイミングで投資できていれば、大きな利益を獲得できたかもしれません。
「身近な会社から投資先を選ぶ」メリットとして、実体験できることがあります。上記の串カツ田中の例のように利用しているからこそ、気づけけることがあります。
ビジネスモデルへの知識を深める
「身近な会社から投資先を選ぶ」ことは、その会社がどのようにして売り上げや利益を上げているかを理解しやすいです。自分が支払ったお金がその会社の売り上げとなり、利益となる感覚を持ってください。それが投資先のビジネスモデルの知識を深める第1歩になります。
上場会社には企業間の取引を中心としており、あまり身近ではない会社も多くあります。ただ、モノやサービスを提供して対価を得ていることに大きな違いはありません。ビジネスモデルへの知識を深めていけば、その会社がどのようにして、売り上げや利益を上げているか理解できるようになってくると考えます。
最後に
投資のよくある失敗談として「よくわからない会社の株を買って損した」というものがあります。やはり投資するならその会社がどのようにして売り上げや利益を上げているかは知っておくべきです。
株価には値動きがあり、特に業績動向(売り上げや利益などの動向)に大きく影響を受けます。株価が大きく上下した場合に、なぜそうなったのだろうと考えることが重要です。「身近な会社から投資先を選ぶ」ことは、投資において重要な「投資する会社をよく知る」ことが比較的に容易に行えます。だからこそ、投資の第1歩としておすすめとなります。