株に投資してみたいが、どの株を買ってよいのかわからないという人は多いと思います。【いまから銘柄選び】では、投資を始めようと考える人たちに向けて、様々なアプローチの銘柄選びの方法をご紹介します。
第8回は銘柄スクリーニングを使用して、ローリスクかつ高配当の銘柄をみつけることをめざします。
重要項目の設定その1「配当利回り」
今回もトレーダーズ・ウェブの銘柄スクリーニングを使用します。
トレーダーズ・ウェブの銘柄スクリーニングのページでは、以下のように37の項目があります。今回はまず高配当の銘柄を探しますので、「34:配当利回り」が重要な項目になります。
以下は「34:配当利回り」です。左のチェックボックスにチェックし、5%以上と入力しました。さらに、右のチェックボックスもチェックを入れています。右のチェックボックスはスクリーニング結果に表示したい場合に選択します。
重要項目の設定その2「β」
今回のスクリーニングはローリスクな高配当株を、みつけることをめざしていますので、ローリスクの条件設定も重要です。使用するのは「09:β」です。
ここでのβは1より大きければTOPIXよりもリスクが高く、 1より小さければTOPIXよりもリスクが低いと考えることができます。
今回「09:β」を0.5以下に設定します。これはTOPIXが10%下落したとしても5%以下の下落で済む可能性が高い銘柄を選ぶということです。
なお、βについては、【知っておきたいリスクの話】第2回「TOPIXを基準に保有株のリスクを知る」で説明しています。βについてもっと詳しく知りたいという方はそちらも併せてご覧ください。
市場の設定
最後に、「1:市場」を設定します。上記のβはTOPIXを基準に算出されていますので、東証プライムのみを対象とします。構成銘柄が近い市場を選んだほうが、βの信頼性が高くなります。
スクリーニング結果
今回は23銘柄(2023/1/5更新時点)が抽出されました。以下は抽出された23銘柄を配当利回りの高い順に並べたものです。
結果には建設業が目立ちます。1位に西松建設(1820)、2位に淺沼組(1852)、4位に奥村組(1833)が入りました。
1位の西松建設は、2021年度から2023年度までの3カ年は、連結配当性向70%以上を目標として継続的に株主還元を実施するとしています。ただ、その後も連結配当性向70%以上が維持されるかどうかはわかりませんので、高配当の継続は不透明といえます。
3位の東芝(6502)は非公開化が検討されています。今回のスクリーニングは安定した配当を得ることが目的ですので、投資対象からははずすべきでしょう。
5位と6位には証券会社が入りました。市場の低迷もあり業績が悪化している会社も多いことから、投資する前に業績動向をしっかり確認する必要があると考えます。
11位にはソフトバンク(9434)が入りました。業績、配当実績ともに安定してますので、購入を検討してみてもよいでしょう。
最後に
今回のスクリーングでは、高配当で安定した株価推移となる銘柄を見つけることをめざしました。もちろん全体相場が大きく崩れれば影響を受けますが、他の銘柄に比べれば傷は浅く済む可能性は高いです。
相場は良い時もあれば、悪い時もあります。値上がり益ではなく、長期保有で安定した配当を受け取ることを狙うという人は、ぜひこのスクリーニングを試してみてください。