株に投資してみたいものの、どの株を買ってよいのかわからないという人は多いと思います。【いまから銘柄選び】では、投資を始めようと考える人たちに向けて、様々なアプローチの銘柄選びの方法をご紹介します。
今回は、売上高成長率が高い銘柄をスクリーニングし、その結果を紹介します。
項目設定
銘柄スクリーニングとは、条件を設定して、その条件に合致する銘柄を選び出すというものです。インターネット上で銘柄スクリーニングを提供しているサイトはいくつかありますが、今回はトレーダーズ・ウェブの銘柄スクリーニングを使用します。
トレーダーズ・ウェブの銘柄スクリーニングには37の項目があり、慣れないうちは自身で設定するのは難しいものです。
ただ、心配は無用です。トレーダーズ・ウェブの銘柄スクリーニングには自動で条件が設定される定番スクリーニングがあります。今回は、そのなかの高成長を使用します。
高成長をクリックすると以下の画面が出てきます。OKをクリックするとこれらの項目が自動で設定されます。
では「01:市場」、「30:PBR」、「35:売上高成長率」の3つの条件について簡単に確認します。
「01:市場」は成長性の高い銘柄の抽出を狙うことから東証グロースとします。
「30:PBR」は市場において評価の高い銘柄を注するための項目であり、5倍以上とします。
「35:売上高成長率」は実際に売上高が伸びている銘柄を抽出するための項目であり、50%以上とします。
このスクリーニングの結果、2024/2/7更新時点では28銘柄が抽出されました。以下はスクリーニング結果を売上高成長率の高い順に並べたものです。
では抽出された銘柄をいくつかみてみます。
1位は遊技機向け映像ソフト開発のテクノロジーズ(5248)
同社は2023年12月に24.1期の業績予想の上方修正を発表しました。修正の要因は、子会社で産業用太陽光発電、太陽光設備のメンテナンスなどを行うエコ革が受注していた大型契約案件の収益化が確実になったこととしています。
24.1期3Q累計の決算では、エンタメ映像ソフトウェア開発など行うITソリューション事業の利益を再エネソリューション事業の利益が上回りました。
再エネソリューション事業については、太陽光発電の社会的ニーズが高まるなか、今後も市場規模の成長が見込まれているとしていますので、IT企業という認識ではなく、ITと再エネ関連の企業と認識を改める必要があると考えます。
2位は九州大学発宇宙ベンチャーであるQPS研究所(5595)
同社は2024年1月に24.5期上期(6-11月)の純損益は1.6億円の赤字(前年同期は11.1億円の赤字)だったと発表しました。赤字だったものの会社計画は3.9億円の赤字でしたので、着地は上振れました。
2月7日には福岡県福岡市に研究開発拠点を新設すると発表。これにより、小型SAR(合成開口レーダー)衛星の年間製造能力は、現在の製造拠点と合わせて、現状の4機から最大10機まで増強される見込みとなっています。今後のさらなる成長が期待されます。
3位は月面開発の事業化に取り組む宇宙ベンチャーのispace(9348)
同社は2023年11月に24.3期上期(4-9月)の連結営業損益が20.4億円の赤字だったと発表しました。月面開発と夢のある銘柄ではありますが、黒字化にはまだまだ時間がかかりそうです。
2023年4月に行われた同社の月面着陸は失敗となりましたが、2024年1月にJAXAの小型月着陸実証機(SLIM)が月面へ着陸に成功し、月面開発への期待は高まっています。リスクは大きい銘柄ではあるものの、将来性に期待してみるのもよいと考えます。
最後に
今回は新NISAの投資対象として狙いたい「高成長銘柄」をスクリーニングしてみました。2024年はスタートから大型株優位の相場が続いており、多くの投資家が高成長株に目を向けていないと考えられます。「人のいく裏に 道あり 花の山」という格言もあります。チャンスを狙ってみるのも面白いと考えます。