株に投資してみたいものの、どの株を買ってよいのかわからないという人は多いと思います。【いまから銘柄選び】では、様々なアプローチの銘柄選びの方法をご紹介します。
今回は平均に戻ろうとする動き(回帰の動き)の動きに着目し、銘柄をスクリーニングしてみます。具体的には、移動平均線から株価が大きく下方乖離している銘柄のうち、値動きの大きいものを選別し、平均への回帰の動きで利益の獲得をめざせる銘柄を探します。
項目設定
今回もトレーダーズ・ウェブの銘柄スクリーニングを利用します。このページには37の項目があります。
今回のスクリーニングでは、
16:乖離率(100日)
移動平均線から株価が大幅に下方乖離している銘柄を抽出するための条件設定
10:HV(ヒストリカル・ボラティリティ)
値動きの大きいもの銘柄を抽出するための条件設定
28:時価総額値
動きが出やすい小型の銘柄を抽出するための条件設定
の3つの項目を設定します。今回は重要度の高い順に設定していきます。
「16:乖離率(100日)」は-10%以下とします。
100日移動平均線からの下方乖離が10%以上ある(100日線までの戻りでも10%以上のリターンが期待できる)銘柄を抽出しています。 25日移動平均線を利用してもよいのですが、直近急落銘柄が抽出される可能性が高くなりますので、ここではもう少し長い期間とします。よりハイリスク・ハイリターンを望むのならば、25日移動平均線など期間の短いものを使用してもよいでしょう。
「10:HV(ヒストリカル・ボラティリティ)」は50以上とします。
20日間のデータで計算されたヒストリカル・ボラティリティであり、値動きの大きかった銘柄を抽出します。
「28:時価総額」は100億円以上~1000億円以下とします。
ある程度値幅が出ることが期待される小型株を中心とします。 ただし、下限を設けて低位株などは排除しています。
このスクリーニングの結果、2023/9/21更新時点では以下の22銘柄が抽出されました。
動きの大きなものを抽出していますので、個人投資家好みの銘柄が多く抽出されています。
1位のAbalance(3856)は、8月18日に23.6期通期決算を発表し、その後に大きく株価が下落しています。
2位のマイクロアド(9553)は、8月9日に23.9期3Q累計の決算を発表し、前四半期比で減益となったことが嫌気され、急落となっています。
3位のアースインフィニティ(7692)は、8月14日に23.7期通期決算を発表し、今期(24.7期)の営業利益予想を6.1億円(前期比2.9%増)としました。増益であるものの、小幅増にとどまったことが嫌気され、株価は大きく下落しています。
最後に
このスクリーニングでは、業績が悪化している銘柄が多くなる傾向がありますので、ハイリスクであることは念頭に入れておかれた方が良いと思います。ファンダメンタル分析も必須となりますので、投資初心者には不向きといえます。
しかし、抽出された銘柄がなぜ移動平均線から株価が大きく下方乖離しているか、その要因を探るのは投資学習として非常に有効です。脱初心者をめざして抽出された銘柄を分析してみることもよいと考えます。