株に投資してみたいものの、どの株を買ってよいのかわからないという人は多いと思います。【いまから銘柄選び】では、投資を始めようと考える人たちに向けて、様々なアプローチの銘柄選びの方法をご紹介します。
今回は、増益ながらPERは10倍以下、 PBRは0.6倍以下(0.5倍以下だと抽出銘柄数が少なかったため0.6倍以下としています)の銘柄をスクリーニングで探してみたいと思います。なお、今回もトレーダーズ・ウェブの銘柄スクリーニングを使用します。
定番スクリーニングを活用
トレーダーズ・ウェブの銘柄スクリーニングには自動で条件が設定される定番スクリーニングがあります。今回は、そのなかの「割安」を基本として、そこから一部の条件を追加、修正したいと思います。
上記の設定が終わると、以下のように3つの項目(01:市場、29:PER、36:経常増益率)が自動で設定されます。
「01:市場」は東証プライム、東証スタンダード、東証グロースと設定されます。
「29:PER」は10倍以下と設定されます。
「36:経常増益率」は5%以上と設定されます。
今回は、「01:市場」について、変更をクリックして、東証プライムのみに変更します。
そして、「30:PBR」の条件を追加してください。「30:PBR」ですが、まず左と右の両方チェックを入れて、その後に0.6倍以下と入力して下さい。
この条件でスクリーニングを行うと2024/7/2更新時点では30銘柄が抽出されていました。以下は抽出された銘柄をPERの低い順に並べたものです。
では、抽出された銘柄の上位3社の業績などを簡単にみていきます。
1位は、業界中位で印刷・情報用紙が主体の三菱製紙(3864)
5月に発表した24.3期通期の連結純利損益は41.7億円の黒字(前の期は5.7億円の赤字)となりました。原燃料価格高騰に対応した製品価格改定やコストダウン効果が寄与したとのことです。
25.3期通期の連結純利益予想は80.0億円(前期比91.8%増)と、大幅な増益を見込んでいます。
株価は、6月11日に年初来高値である864円まで上昇しましたが、足もとでは700円台半ばで推移しています。
2位は、無機・有機顔料および加工顔料などの製造・販売を行う大日精化工業(4116)
5月に発表した24.3期通期の連結営業利益は45.5億円(前の期比72.7%増)と好調な着地となりました。販売価格の改定を進めたことが寄与したとのことです。
25.3期の通期の連結営業利益予想は52.0億円(前期比14.3%増)と増益を見込んでいます。原材料価格は高止まりの見込みであるものの、販売数量の増加および販売価格の改定を進めるとしています。
株価は、6月25日に年初来高値である3520円まで上昇。足もとでは3300~3400円台で推移しています。
3位は、段ボール製品加工の専業首位のトーモク(3946)
5月に発表した24.3期通期の連結営業利益は80.6億円(前の期比9.1%増)と増益での着地となりました。段ボール事業において、主力の加工食品向け販売量が前年上回ったことや、価格適正化が奏功したとのことです。
25.3期の通期の連結営業利益予想は103.0億円(前期比27.8%増)と大幅な増益を見込んでいます。段ボール事業において、引き続き製品の安定供給のための価格適正化を推進するとともに、Eコマース(EC)向け片面段ボール封筒の本格稼働を見込んでいます。
株価は、5月9日に年初来高値である2960円まで上昇。足もとの株価も2800円台と高値圏で推移しています。
最後に
7月1日にTOPIXが終値ベースで34年半ぶりの高値を付けるなど、全体相場は堅調に推移しています。割安放置されている銘柄は少なくなっていますが、今回抽出された銘柄はバリュエーション面ではまだまだ割安と判断できます。上値が余地あると見込んで投資してみるのも面白いと考えます。