いまから銘柄選び

第36回 2025年に注目のゲーム関連株3銘柄

株に投資してみたいものの、どの株を買ってよいのかわからないという人は多いと思います。【いまから銘柄選び】では、投資を始めようと考える人たちに向けて、様々なアプローチの銘柄選びの方法をご紹介します。


今回は、2025年に注目のゲーム関連株3銘柄を取り上げたいと思います。



1. 任天堂(7974)

まずは2025年の大本命といえる任天堂です。2025年に家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」の後継機種が発売される可能性が高いとみられているためです。


「Nintendo Switch」の国内の発売は2017年3月でした。発売直前である2016年12月の終値は2454円(分割考慮後)、2017年1月の終値は2312円(分割考慮後)、2月の終値は2350円(分割考慮後)でした。そして2017年12月の終値は4119円(分割考慮後)まで上昇しています。


2025年も同様の株価上昇を期待したいところですが、任天堂の株価は12月に入り上場来高値を連日で更新し、12月5日には9370円まで上昇しています。株価が下落基調だった「Nintendo Switch」発売前の状況とは反対です。

「Nintendo Switch」が大ヒットとなったことで、後継機種への期待も高まっていますが、期待先行で株価も上昇している状況です。高値警戒感も出ていますので、押し目のタイミングを狙いたい局面と考えます。


【任天堂の週足チャート(2023年9月~2024年12月5日まで)】



2. カプコン(9697)

カプコンは2025年2月28日に「モンスターハンターワイルズ」の発売を予定しています。「モンスターハンターワイルズ」は、大人気シリーズ「モンスターハンター」の最新作となります。


2018年に発売された「モンスターハンター:ワールド」は全世界で2500万本販売を達成(2024年3月に発表)していることから、「モンスターハンターワイルズ」の大ヒットも期待されます。なお、11月に行われたオープンベータテストも大きな問題はなく好評のうちに終了しています。


懸念としては、「モンスターハンターワイルズ」を快適にプレイするための要求スペックが高いところです。対応機種としてPlayStation5、Xbox Series X|S、PCが記載されています。PlayStation4やNintendo Switchの記載はありませんので、それらに対応する可能性は低いとみられています。PCの要求スペックも高いことから、そもそもプレイするハードルが高いと考えられます。


カプコンの株価は堅調に推移しており、2024年12月5日時点での上場来高値は2024年11月15日につけた3659円となっています。カプコンについても「モンスターハンターワイルズ」の発売を控えて、期待先行で株価が上昇していると考えられます。上記の懸念もありますので、先行きに関しては楽観しすぎない方がよいと思います。


【カプコンの週足チャート(2023年9月~2024年12月5日まで)】



3.スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)

スクエニHDの24.3期通期の連結純利益は149億円(前の期比69.7%減)と大幅な減益となりました。決算と併せて、新中期経営計画(25.3期~27.3期)も発表しており、同社はこの中計期間を「さらなる成長に向けた再起動の3年間」と位置づけています。


2025年は「さらなる成長に向けた再起動の3年間」の2年目に突入します。1年目はスマホゲーム「トワツガイ」、「ドラクエ チャンピオンズ」、「ドラクエけしケシ!」などのサービスを終了。

一方で、人気スマホゲーム「ドラゴンクエストウォーク」に、寝ている間に睡眠状態を計測したり、アラームや録音もできたりする機能である「ゆうべはおたのしみでしたね」や、「なぞり ドラけし!」を新機能として追加しました。


「ドラゴンクエストウォーク」の新機能追加は、「質への転換」のひとつのカタチであると思われます。人気のあるゲームをより良くすることをめざした追加と考えるからです。


今後については、発売日は未定ですが「ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎(ドラクエ12)」の発売が予定されています。また、大人気MMORPG「ファイナルファンタジーXIV」のモバイル版である「ファイナルファンタジーXIV モバイル(LIGHTSPEED STUDIOSが開発、スクウェア・エニックスが許諾・監修)」の開発も進んでいるとのことです。


株価は2024年5月の急落から回復してきたところです。新中期経営計画はまだ道半ば。「さらなる成長に向けた再起動の3年間」2年目に突入するなか、さらなる改革の進展に期待したいと思います。


【スクエニHDの週足チャート(2023年9月~2024年12月5日まで)】



最後に

今回は、2025年に注目のゲーム関連株3銘柄を取り上げました。ただ、2025年のゲーム業界は「Nintendo Switch」の後継機種の話題が中心になると思われます。日本が誇る世界的な大企業である任天堂のさらなる収益拡大に寄与するよう、後継機種の大ヒットに期待したいと思います。



この連載の一覧
第37回「大きく下げた銘柄を買えるかを確認」
第36回 2025年に注目のゲーム関連株3銘柄
第35回 β値の上位下位を確認 ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンどっちを選ぶ?
第34回「急落のチャンスを狙いたい 大型優良株を再確認」
第32回「相場急落 銘柄見直しなら低ベータ銘柄」
第31回 増益・PER10倍以下・PBR0.6倍以下
第30回 大型優良かつ低リスクの銘柄を探す
第28回「公開価格割れの銘柄からお宝を探す」
第27回「増収・増益で低PER・低PBRの銘柄を探す」
第26回 設定を自動入力 10万円以下で投資できる増収増益銘柄をスクリーニングで確認
第25回「設定を自動入力 スクリーニングで高配当株を確認」
第24回「設定を自動入力 定番スクリーニングで大型優良株を確認」
いまから銘柄選び 第23回 新NISAで狙いたい 高成長銘柄
第22回 新NISAで狙いたい 大幅経常増益で低PER銘柄
第21回 配当利回りが魅力~早稲田学習研究会~
第20回 今後は円高が進行? 円高メリット銘柄~「ニトリHD」~
第19回「10万円で買える高配当銘柄」
第18回「新NISAの成長投資枠に最適? グロース株の逆襲に備える」
第17回「大きく下げた銘柄にチャンスあり? 平均への回帰」
第16回「お宝発見? PBR1倍割れの高配当株~結果確認と再抽出~」
第15回「新NISAに向けて 好きなものに投資しよう~ゲーム関連株(任天堂)~」
第14回「お宝発見? PBR1倍割れの高配当株」
第13回「スクリーニングに挑戦しよう~まだまだある!配当利回り5%超銘柄」
第12回「スクリーニングに挑戦しよう~株価も業績も上向き~」
第11回「スクリーニングに挑戦しよう~低PBRが話題です~」
第10回「スクリーニングに挑戦しよう~成長株発見~」
第9回「旬な話題に敏感な企業? ChatGPTやNFT」
第8回「スクリーニングで発見~ローリスク高配当株~」
【いまから銘柄選び】第7回「高配当株の注意点」
【いまから銘柄選び】第6回「スクリーニングに挑戦しよう~大きく下げた株にチャンスあり?~」
【いまから銘柄選び】第5回「スクリーニングに挑戦しよう~守りながら攻める:低β戦略~」
【いまから銘柄選び】第4回「スクリーニングに挑戦しよう~10万円以下~」
【いまから銘柄選び】第3回「テーマ株に挑戦」
【いまから銘柄選び】第2回「スクリーニングに挑戦しよう~配当利回り編~」
【いまから銘柄選び】第1回「身近な会社から投資先を選ぶ」

日本株情報部長

河賀 宏明

証券会社、事業会社におけるIR担当・経営情報担当、FPや証券アナリスト講師などを経て2016年に入社。 金融全般に精通。証券アナリスト資格保有。 「トレーダーズ・ウェブ」向けなどに、個別株を中心としたニュース配信を担当。 メディア掲載&出演歴 株主手帳、日経CNBC「朝エクスプレス」、日経マネー

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