株に投資してみたいものの、どの株を買ってよいのかわからないという人は多いと思います。【いまから銘柄選び】では、投資を始めようと考える人たちに向けて、様々なアプローチの銘柄選びの方法をご紹介します。
今回は、東証プライム市場においてベータ(以下、β)値が高い銘柄と低い銘柄を確認してみたいと思います。上位下位それぞれ5位まで出しましたがそのうち3位までの詳細を確認します。なお、算出されるβ値は2024年10月9日更新時点のものとなります。
β値は、全体相場(日経平均株価やTOPIXなど)と比較してリスクが高いか低いかを判断する指標です。β値が1より大きければβ値を算出するときに使用した株価指数(ここではTOPIX)よりもリスクが高い(ハイリスク・ハイリターン)といえます。 1より小さければβ値を算出するときに使用した株価指数よりもリスクが低い(ローリスク・ローリターン)と判断されます。
上位5位(東証プライム)
1位は、船舶用エンジン国内首位の三井E&S(7003)でした。β値は2.01となっています。
β値が2.01の銘柄の動きのイメージは、TOPIXが10%上昇すればその銘柄は20.1%上昇、TOPIXが10%下落すればその銘柄は20.1%下落するというものになります。
2位は、物流施設やアパートメントホテル、再エネ電源を全国で開発する霞ヶ関キャピタル(3498)でした。β値は1.90となっています。
β値が1.90の銘柄の動きのイメージは、TOPIXが10%上昇すればその銘柄は19%上昇、TOPIXが10%下落すればその銘柄は19%下落するというものになります。
3位は、コネクター大手のI-PEX(6640)でした。β値は1.76となっています。
β値が1.76の銘柄の動きのイメージは、TOPIXが10%上昇すればその銘柄は17.6%上昇、TOPIXが10%下落すればその銘柄は17.6%下落するというものになります。
下位5位(東証プライム)
1位は、プラスチック加工大手でIT向け樹脂板首位のタキロンシーアイ(4215)でした。β値は-0.28となっています。
β値が-0.28の銘柄の動きのイメージは、TOPIXが10%上昇すればその銘柄は2.8%下落、TOPIXが10%下落すればその銘柄は2.8%上昇するというものになります。このように、β値がマイナスの場合は逆の動きになります。以下も同様です。
2位は、九州地盤のドラッグストアコスモス薬品(3349)でした。β値は-0.19となっています。
β値が-0.19の銘柄の動きのイメージは、TOPIXが10%上昇すればその銘柄は1.9%下落、TOPIXが10%下落すればその銘柄は1.9%上昇するというものになります。
3位は、経営改革を推進するためのソフトウエア開発・販売・保守や、ソフトウエアベースのコンサルティング・BPOサービスを提供するアバントグループ(3836)でした。β値は-0.13となっています。
β値が-0.13の銘柄の動きのイメージは、TOPIXが10%上昇すればその銘柄は1.3%下落、TOPIXが10%下落すればその銘柄は1.3%上昇するというものになります。
まとめ
β値は過去の実績から算出されたものですので、必ずそう動くというものではありません。しかし、全体相場の動向によりその銘柄がどのような動きをするのかを予測するのに役立ちます。
今回は、東証プライム市場のβ値の上位5位、下位5位を紹介しましたが、β値は高いから良い、低いから悪いといったものではありません。その時々の状況でβ値が高い銘柄が選別されたり、低い銘柄が選別されたりします。
投資を行ううえで、その銘柄のβ値を知ることは有用です。過去の実績からリスクの高い銘柄なのか、低い銘柄なのか知ることができるからです。これを銘柄選びや投資金額の判断材料の1つに加えていただければと思います。