株に投資してみたいものの、どの株を買ってよいのかわからないという人は多いと思います。【いまから銘柄選び】では、投資を始めようと考える人たちに向けて、様々なアプローチの銘柄選びの方法をご紹介します。
今回はトレーダーズ・ウェブの銘柄スクリーニングを使用し、「増収・増益で低PER・低PBRの銘柄」を探してみたいと思います。
項目設定
今回のスクリーニングでは、市場、PER、 PBR、 売上高成長率、 経常増益率の5つの項目を設定します。
01:市場については、今回は東証プライムとします。
29:PERは10倍以下とします。
30:PBRは1倍以下とします。
35:売上高成長率は10%以上とします。
36:経常増益率は10%以上とします。
この条件でスクリーニングを行うと2024/4/23更新時点で30銘柄が抽出されました。設定項目の結果を表示させるため、一番右のチェックボックスにチェックを入れています。なお。今回はデフォルトで表示されるようになっている前日比と騰落率については表示スペースの都合で表示させないように、チェックを外しています。
抽出結果の確認
1位はセメント事業などを行う太平洋セメント(5233)。2月に発表した24.3期3Q累計の営業利益は418億円(前年同期比12.3倍)と大幅な増益でした。米国のセメント事業やフィリピンのセメント事業の販売数量が前年同期を上回ったことなどが寄与したとのことです。
米国のセメント事業については、中長期的に同社の業績をけん引すると期待されています。来期以降のさらなる業績拡大に期待してみても面白いと思います。
2位は自動車樹脂部品製造のダイキョーニシカワ(4246)。2月に発表した24.3期3Q累計の営業損益は71億円の黒字(前年同期は6億円の赤字)と大幅な増益でした。
主要顧客全体での生産台数の増加に加え、OEM各社への販売増加もあり、増収となりました。またコスト改善活動の実施に加え、原材料・エネルギー費・労務費上昇分の価格への一部転嫁なども寄与したとのことです。
注意したいのは、4Qに顧客の生産・出荷停止による減産影響が見込まれるとしている点です。なお、同社は通期の会社予想について、生産・出荷停止に伴う利益への影響や補償などの不確定要素を考慮し、従来予想を据え置いています。
業績は好調ですが、顧客の生産・出荷停止の影響が不透明ですので、投資するにしても5月に予定されている通期決算発表の内容を確認してからのほうがよいと考えます。
3位は射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機、工作機械などの製造・販売などを行う芝浦機械(6104)。1月に発表した24.3期3Q累計の営業利益は96.5億円(前年同期比2.9倍)と大幅な増益でした。中国におけるリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置の大幅な増加により、売上高が大幅に増加したことが寄与しました。
注意したいのは、上期時点の営業利益が81.6億円だったので、3Qは低調だったということです。そのため、4Qでしっかりと復調できるかがポイントとなります。芝浦機械についても5月に予定されている通期決算発表の内容を確認したほうが良いと考えます。
最後に
今回は増収・増益で低PER・低PBRの銘柄をスクリーニングで探してみました。今回のスクリーニングはグロースではなく、バリュー寄りの株を探すものとなります。今年に入り半導体銘柄などのグロース株の上昇が目立ちます。上昇している株は手を出しづらいものです。出遅れているバリュー株を狙ってみるのも面白いと考えます。