株に投資してみたいものの、どの株を買ってよいのかわからないという人は多いと思います。【いまから銘柄選び】では、投資を始めようと考える人たちに向けて、様々なアプローチの銘柄選びの方法をご紹介します。
2023年の日経平均株価は5月に3万円を超え、7月には3万3753円まで上昇する場面がありました。大型株を中心に上昇が続き、「買いのチャンスを逃してしまった」と思っている人も多いのではないかと思います。このような状況ですが、PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回っている銘柄は多くあります。
今回は、そのPBR1倍割れ銘柄のなかから、時価総額が大きく配当利回りが高い銘柄をスクリーニングで抽出したいと思います。
項目の設定
今回もトレーダーズ・ウェブの銘柄スクリーニングを利用します。このページには37の項目があります。
今回のスクリーニングでは、以下のように4つの項目(01:市場、28:時価総額、30:PBR、34:配当利回り)を設定します。
「01:市場」は東証プライムとします。
「28:時価総額」は1000億円以上とします。
「30:PBR」は0.7倍以下とします。
「34:配当利回り」は4%以上とします。
なお、右のチェックボックスにチェックが入っているとスクリーニング結果に表示されます。必要のない項目はチェックを外すようにしてください。今回は重要項目であるPBRと配当利回りはチェックを入れましたが、時価総額は特に必要ないのでチェックは入れていません。
スクリーニング結果
これらの条件を設定すると、30銘柄(2023/7/13更新時点)が抽出されました。以下は抽出された30銘柄をPBRの低い順に並べたものです。
業種では、銀行業が目立ちます。国内で低金利が続いていることもあり、銀行業の多くの銘柄はPBR1倍割れが常態化しています。日本銀行の政策変更や地銀の再編期待もあることから、銀行業の今後に期待できないわけではありませんが、今回は銀行業以外で、注目した2銘柄を紹介したいと思います。
まずは、11位のエクセディ(7278)。クラッチ最大手でAT部品が柱となっています。
同社は4月28日に24.3期通期の連結営業利益予想を130億円(前期比48.4%増)、年間配当予想を120円(前期は90円)にすると発表しました。増益に加えて、増配です。
同社は長期ビジョン達成に向けて、新ビジネス領域として電動化需要への対応を挙げています。具体的には、ドローン、スマートロボット、インホイールモータ、発電機システムなどが示されています。今後のビジネス領域の拡大に期待してみるのも面白いと考えます。
続いては26位のUBE(4208)。「化学」と「機械」の2事業を展開しています。
同社は5月12日に24.3期通期の連結営業利益予想を300億円(前期比84.2%増)、年間配当予想を100円(前期は95円)にすると発表しました。機能品セグメントが堅調に推移するとともに、樹脂・化成品セグメントで需要が回復することや原燃料価格が一定程度下落することから、大幅な増益を見込んでいます。
4月には、同社が電気自動車(EV)の生産コストの削減につながる車体の製造装置を開発したことが報じられました。車体に使う部品の3分の1ほどをアルミで一度に成型できるとのことであり、こちらの進展も楽しみです。
最後に
今回はPBR1倍割れ銘柄のなかから、時価総額が大きく配当利回りが高い銘柄をスクリーニングで抽出し、そのなかから注目銘柄を紹介しました。
ただ、スクリーニング条件を少し変更するだけで、結果は異なります。埋もれているお宝はまだまだあると思われますので、皆さんもぜひ宝探し感覚でスクリーニングに挑戦してみて下さい。