各国によって異なる注目経済指標
為替取引は、様々な経済情勢などを具に見て取引しなくてはなりません。
もっとも、重要なのは経済指標でしょう。
その国のインフレ率はどうなのか?雇用情勢はどうなのか?などが重要になります。
例えば日本の場合は雇用情勢は、ほぼ完全雇用となっていることで、雇用指標は左程現在は注目されません。
それよりも、インフレ指標や他国ではあまり話題にならない労働組合の賃金要求などを行う春季生活闘争、いわゆる春闘も注目されます。
一方で、米連邦準備理事会(FRB)は二つの責務が最大雇用(Maximum Employment)と物価の安定(Stable Prices)となっています。
よって、日本同様インフレ指標は重要ですが、雇用統計などの雇用指標も重視されます。
中銀によって責務が違うこともあり、金融政策を見るうえで重要になります。
南アなどはインフレを責務としていますが、雇用については財務省の圧力があるにもかかわらず南ア準備銀行(SARB)は頑なに責務に加えることを拒否しています。
理由としては、30%を超える失業率を記録していることで、雇用情勢とインフレ抑制を同時に行うことがほぼ不可能だからです。
各国によって異なる他の注目点
経済指標でさえ、国により異なる点を注目しなくてはならないのですが、各国の経済や財政に与える影響は様々です。
例えば、ここ最近はやや弱まりつつありますが、豪州は中国との密接な関係を築いています。
豪州が中国経済に依存していたこともあり、中国の経済指標が悪化すると豪州経済にも悪影響を与えることで、豪ドルが売られたりしました。
現在も多少はこの影響は残っています。
他には、原油価格の上下は産油国とされるカナダやノルウェーの通貨にも影響を与えています。
このような中で、昨年12月で注目されたのは南アの通貨ランドの上昇です。
年後半の南アの経済指標が軒並み好結果であったことがじり高になりました。
また、米国から高関税賦課をされたものの、多国間貿易が好調だったことなども、ランド買い要因でした。
しかし、さらに買いを促したのはプラチナ価格の上昇です。
プラチナは南アが世界最大の産出量となっています。
そのプラチナが年後半に上げ幅を大きく拡大しました。
12月前半は1600ドル台だったものが、年末には2600ドル手前まで上昇。
1カ月に満たない短期間で5割以上上がっています。

何気ないニュースもFXの動向を左右している
では、なぜプラチナ価格が上昇したのでしょうか?
複数理由はあります。
例えば、広州先物取引所のプラチナ先物取引量が過去最大に並ぶなど、中国の需要もあります。
ただ、それよりも大きな理由は欧州連合(EU)がエンジン車の販売を2035年に禁止するとした方針を見直すと発表したことです。
プラチナはエンジン車の排ガス浄化触媒に使用されていることで、エンジン車の販売継続の発表を受けてプラチナに買いが集まったわけです。
ニュースが流れた時は、「自動車会社も大変だなあ」と何気なく見ていた方も多かったでしょう。
しかし、このような何気ないニュースでも、経済に影響を与え、その国の通貨の上下を左右しています。
直接的に動きやすい経済指標だけでなく、様々なニュースでFXは動意づくことを忘れずにやってはいけないでしょう。



