特定の銘柄の値動きを追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回はソフトバンクグループを取り上げます。
ソフトバンクグループは7月にも取り上げており、値動きを見た1カ月で株価が4割上昇しました。
2025年7月9日の株価は1万0570円
1カ月後、8月12日の終値は1万4825円
4255円(+40.3%)の上昇
証券コードは9984で、プライム市場に上場しています。
しばらく上昇が続いた後に急失速
値動きを見た期間ではかなり上に値幅が出ましたが、その後もしばらく強い動きが続き、10月29日には2万7695円まで上昇しています。
仮に7月9日の1万0570円で買い付けて保有していた場合、4カ月弱で2.6倍になっています。
一方、11月以降は急失速しています。11月25日には一時1万5180円まで下落しました。仮に10月29日の高値2万7695円で買い付けた場合、高値から安値までの下落率は-45%と半値近くの下げとなり、最低単位での購入でも1カ月弱で100万円を超える損失となっています。

株価上昇で日経平均を大きく刺激する銘柄に
こちらがソフトバンクグループの週足チャートとなります。

改めて振り返ってみると、7月から8月にかけての上昇は助走段階で、9月から10月にかけて上昇に弾みがついてきたことが見て取れます。
そして、9月から10月にかけて日経平均株価も大きく水準を切り上げました。もともとソフトバンクグループは日経平均を刺激しやすい銘柄ではありました。AIに対する期待が高まる中でソフトバンクグループの日々の値幅が大きくなる日が増え、ソフトバンクグループ同様に日経平均を刺激しやすい半導体株の一角も同じような動きを見せたことから、日経平均はAI関連主導で一気に5万円の節目を上回りました。
一方、足元ではAI関連銘柄が調整色を強めており、日経平均も上昇に一服感が出てきています。
好決算を発表も株価は売りで反応
ソフトバンクグループの風向きが悪くなったのは、上期決算を発表した11月11日辺りからです。
上期の純利益は前年同期比2.9倍の2兆9241億円と大幅な増益となりました。ただ、好決算を期待して株価が上昇していましたので、決算発表直後の株価の反応は売りとなりました。今回の決算発表時には1:4の株式分割を発表しましたが、好感される材料とはなりませんでした。会見では保有していたエヌビディア株を全株売却していたことを発表しており、これが嫌気されたとの見方もありました。
その後、11月19日にはエヌビディアが決算を発表しましたが、こちらも良好な内容ではありましたが、株価の反応は案外でした。発表直後の時間外の株価は大幅高となりましたが、20日の米国市場では買いが先行したものの、下げに転じて終えています。これらの動きから、市場ではAI関連銘柄に対する期待が急速に萎みました。
しばらくは振れの大きな動きが続く可能性
ソフトバンクグループの11月26日の終値は1万6260円でした。100株単位で最低購入代金は162万6000円となります。今回はこのタイミングで購入したと仮定して、1カ月後、12月26日(金)の株価と見比べます。
振れ幅が大きくなっていますので、1カ月後の株価の水準は大きく変化している可能性があります。
12月26日は分割の権利付き最終日となります。12月の後半に株価の基調が上向きであれば最終日に向けて駆け込み買いが期待できる一方、下り坂となっていた場合には、分割後の需給悪化を警戒した手じまい売りが出やすくなる可能性があります。年末まで注目度の高い状態は続きそうですし、この銘柄がどう動くかが年末の日経平均にも大きな影響を与えるかもしれません。
実際に投資する場合は超ハイリスク・ハイリターンの銘柄となっています。だからこそ、こういった銘柄の今後の値動きをイメージすることは投資脳を鍛えるのに役立ちます。「そろそろ下げ止まりそう」「次の上昇に向けてパワーを蓄えている」「年内いっぱいは期待しづらい」「もうこの銘柄は終わった」など、いろいろな見方があるかと思います。
仮説を立ててみて、後日、それが合っていたかどうかを振り返る。こういったシュミレーションを繰り返すことで、ご自身の見立てがその時々のマーケットとフィットしているかどうかをつかむことができます。難しい銘柄ではありますが、1カ月後に上がっていそうか下がっていそうかを予想してみてください。




