あの時あの動き、過去から学ぶ

第28回 ドル高・円安8年サイクル

 ドル円相場には、「ドル高・円安8年サイクル」が観測されており、2015年6月の高値125.86円から8年後の2023年6月の151.73円処が時間と価格の目安とされていました。

 8年サイクルは、4年置きのワールドカップや冬季オリンピック、そして、米国の中間選挙に対応しています。

 

■ドル高・円安8年サイクル

・1974年:306.90円

・1982年:278.50円

・1990年:160.35円 (※1989年消費税3.0%)

・1998年:147.64円 (※1997年消費税5.0%)

・2007年:124.14円 (※2006年から1年ずれ)

・2015年:125.86円 (※2014年消費税8.0%)・・・2007年の高値に対応

・2023年:151.73円(※2019年消費税10.0%)・・・1998年の高値に対応

 

■ドル円のエリオット波動分析

・第1上昇波動:75.32円~125.86円 (+50.54円)

・第2調整波動:125.86円-101.19円

A波動:125.86円-99.02円(半値押し)

B波動:99.02円-118.66円

C波動:118.66円-101.19円

・第3上昇波動:151.73円(=101.19円+50.54円)※第1波動=第3波動

 

 しかしながら、2022年10月21日に高値151.95円を付けて、FEDピボット(FRBの利下げ転換)やBOJピボット(日銀の利上げ転換)への思惑から、ドル安・円高が進行しています。

すなわち、2006年の本来のピークアウトが2007年に1年ずれたことで、2015年、2023年とずれていたピークアウトが、本来の2022年に戻った可能性が高まりつつあります。

 

 ピークアウトが昨年2022年10月だったのか、あるいは今年2023年6月頃かは今のところ不明ですが、151.95円を頭とする「ヘッド・アンド・ショルダー」(※ネック・ライン:130.41円・130.58円)が完成しつつあることで、151.95円でのピーク説が有力になっています。

しかし、2023年1月3日の129.52円までの下押しは、東京市場が休場で閑散取引の中で、ネック・ライン割れという「チャート崩し」の可能性も残されていますので、今後の動向を見極めることになります。

 

 第3上昇波動が151.95円で終了し、第4調整波動の目処は、第1波動(75.32円~125.86円)の終点である126円処となります。

また、「ヘッド・アンド・ショルダー」や「V計算値」による下値目標値は、108.87円となります。

 

そして、2030年のドル高・円安ピークに向けた第5上昇波動で、目標値1)160.35円(1990年4月の斜行三角形の起点)や2)176.40円(逆ヘッド・アンド・ショルダーの目標値)を目指す展開を予想します。

 

ドル高・円安を先導してきた米連邦準備理事会(FRB)の金融政策正常化の道筋は以下の通りとなっています。

■2022年のFF金利引き上げ

・第1次 3月16日:0.25-0.50% (+0.25%引き上げ)

・第2次 5月4日:0.75-1.00% (+0.50%引き上げ)

・第3次 6月15日:1.50-1.75% (+0.75%引き上げ)

・第4次 7月27日:2.25-2.50% (+0.75%引き上げ)

・第5次 9月21日:3.00-3.25% (+0.75%引き上げ)

・第6次 11月2日:3.75-4.00% (+0.75%引き上げ)

・第7次 12月14日:4.25-4.50% (+0.50%引き上げ)

 

■2023年のFF金利引き上げ見通し

・第8次 2月1日:4.50-75% (+0.25%引き上げと仮定)

・第9次 3月22日:4.75-5.00% (+0.25%引き上げと仮定)

・第10次 5月3日:5.00-25% (+0.25%引き上げと仮定)

・第11次 6月14日:5.00-25% (据え置きと仮定)

・第12次 7月26日:5.00-25% (据え置きと仮定)

・第13次 9月20日:5.00-25% (据え置きと仮定)

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為替情報部 アナリスト

山下 政比呂

証券会社で株式・債券の営業、米系銀行で為替ディーラー業務(スポット、スワップ、オプション)に従事。プライベートバンクでは、為替のアドバイサーとして円資産からドル建て資産への分散投資を推奨してきたドル高・円安論者。 「酒田罫線法」「エリオット波動分析」「ギャン理論」などのテクニカル分析をベースに、ファンダメンタルズ分析との整合性を図り、相場観を構築。 ウォール街の格言「ゴルフと相場は、どちらもタイミングが全て」に出合い、ゴルフと相場の共通項を模索中。 2016年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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