2024年は2月10日に春節(旧正月)を迎え、新暦・旧暦ともに正式に辰(たつ)年が始まりました。2月9日に終わった卯(うさぎ)年をみてみると、中国の景気減速への懸念などを背景にハンセン指数は年間で29%下落し、2021年2月12日-22年1月31日の丑(うし)年(21%下落)や2015年2月19日-16年2月7日の未(ひつじ)年(22%下落)を超え、直近10年で最大の下げ幅を記録した後とあって、続く辰年への期待はいやが上にも高くなっています。
ハンセン指数は1969年11月24日から算出が始まったので、今回で5回目の辰年となりますが、過去4回あった辰年のパフォーマンスを振り返ってみると、最も古い1976年1月31日-77年2月17日が5%上昇、1988年2月17日-89年2月5日が33%上昇、2000年2月5日-01年1月23日が横ばいとなっています。直近の2012年1月23日-13年2月9日は世界の主要中央銀行が緩和的な金融政策を進めたことで市場のセンチメントも改善し、ハンセン指数は15%上昇。過去4回の平均では14%上昇とまずまずの成績となっています。
辰年の平均騰落率は十二支中7位、トップは子年
干支別にハンセン指数の平均騰落率をみてみると、辰年は7位にとどまり、半分より下に位置しています。十二支のなかで最もパフォーマンスが良かったのは子(ねずみ)年(46%上昇)で、2位の未年(35%上昇)を10ポイント超引き離しています。ちなみに、子年の好調は1972年2月15日-73年2月2日に221%上昇という驚異的な数字を叩き出したことが理由で、72年の子年に続く73年の丑年は、香港では破産や自殺が相次いだ大暴落「73股災(股は株式の意味)」があった年としても知られており、73年の丑年と74年の寅(とら)年の下落率はそれぞれ57%、49%に達しています。
ハンセン指数の平均パフォーマンスが最も悪かった干支は巳(へび)年(14%下落)で、下落率はワースト2位の丑年(6%下落)を8ポイント引き離しています。巳年は過去4回のいずれも下落と負け続きで、ITバブルが崩壊した2001年の巳年は下落率が32%に達しています。辰年が始まったばかりで来年の心配するのはまだ気が早いかもしれませんが、25年は巳年に当たるため、巳年の不調はやや気がかりなデータでもあります。
風水で占う辰年相場、「土」や「火」に関連するセクターを選好
一方、香港では生活に風水が根付いていることもあり、春節が近くなると、証券会社が風水を用いた相場見通しを発表するのが毎年恒例となっています。最も有名なのはCLSAが発表する「風水指数報告」で、ハンセン指数が誕生した1969年と2024年の辰年などを絡めて相場を占っています。リポートでは、24年の辰年のハンセン指数はスロースタートで、いったん下落した後に持ち直し、7-8月に元気を取り戻す見通しで、その後は順調に上昇し、高値を更新すると予想しています。
セクター別では、不動産や建設など「土」に関連するセクターに良い兆しがみられるほか、テクノロジーや石油・ガスなど「火」に関連するセクター、医療ヘルスケア、アパレル、芸術など「木」に関連するセクターも有望としています。半面、海運や貿易など「水」に関連するセクターは期待できないようです。CLSAの近年の風水リポートをみてみると、19年や22年はハンセン指数の推移などを言い当てているものの、その他の年については五分五分といったところ。風水がわかれば、試しに読んでみるのも面白いかもしれません。