J-REITは決算期が分散されている
J-REITは株式と比べると銘柄数は圧倒的に少ないのですが、その割に決算期が分散されているという特徴があります。
日本の株式は3月決算銘柄が圧倒的に多いですが、J-REITでは3月(9月)決算銘柄はむしろ少ない部類に入ります。この特徴を活用し、J-REITで毎月決算期を迎えるポートフォリオを構築するアイデアについて紹介します。
J-REIT6銘柄で毎月分配
アイデアといっても難しい話ではありません。決算期の異なる6銘柄を保有すれば、毎月分配金を受け取る権利を得ることができます。
以下はその一例となります
この例では1銘柄の投資口価格が15万円程度、分配金利回りが4%近辺で、決算期が異なるREITを6銘柄をチョイスしてみました。ここで挙げているREITを推奨しているわけではありませんので、その点はご注意ください。また、分配金利回りはあくまで各社の予想であり、確定ではありません。
株式で配当利回りの高いものを6銘柄選べば、同様の効果は期待できます。ただ、先ほど述べたように日本株は3月決算銘柄が多く、それ以外の決算期で利回りが安定的に期待できる銘柄を選ぶとなると、選択肢はかなり狭まります。
また、株式の配当は基本的に業績に連動していますので、業績が急激に悪化した場合には配当も急減するリスクがあります。株式の配当は期末偏重となることも多いです。REITは銘柄の絶対数では株式に劣りますが、基本的にどのREITも安定した分配金が期待できます。
もう一つ、投資口価格の低い銘柄でチョイスすると以下のようなイメージとなります。
投資口価格の低いものは分配金利回りが高くなる傾向がありますが、スポンサーの信頼度が低かったり、分配金が逓減傾向など業績面での期待値が低い銘柄が多くなりやすいので、その点は注意が必要です。
少額投資で同様の効果を得ようとした場合、J-REITを対象としている毎月分配型の投資信託を購入するという選択肢もあります。ただ、毎月分配型の投資信託は、純資産額の増加傾向が続かないと基準価格が目減りする懸念があるという構造的なリスクがあります。
属性を分散すればリスクもより分散される
銘柄の属性を違うものにすれば、リスクも分散できます。以下は例①の属性となります。
NTT都市開発リートはオフィスと住居が2本柱となっています。GLPは物流大手で、総合系を加えれば商業系もカバーできます。なお、産業ファンドは研究施設や工場などを有している珍しいREITとなります。
利回り期待で保有する金融商品は長期投資が基本となります。その点では、リスクは散らしておいた方が安全です。なお、今回の例では安定した分配金を想定したため、業績回復途上のホテル系は外していますが、ホテル系も今後に関しては期待が持てます。
じっくりポートフォリオを構築する戦略も
今回は「REITを活用して毎月分配金を得る仕組みを作ることができるよ」ということについて紹介しました。属性について一通りの知識を得た上で、決算期でも分類してその中で魅力的なREITを探していけば、よりJ-REITについての理解が深まります。
6銘柄でなくても1・7月、3・9月、5・11月など決算期の異なる3銘柄を保有すれば、2カ月に1回分配金を受け取る権利を有することができます。「コツコツ貯金をしてお金がたまったらJ-REITを買ってみよう、その時には決算期に関しても意識してみよう」といったスタンスで、長期スパンで6つの決算期のREITをそろえることにチャレンジするというのも良いかと思います。ぜひ、ご自身の好みを反映したJ-REITのポートフォリオを構築してみてください。