以前、J-REITの決算期は株式と比べて分散されていることについて触れました(J-REITで毎月分配)。その中でも分布を見ると、2月・8月の決算銘柄が多くなっています。
J-REITの時価総額トップ10(2023年1月30日時点)の中にも2月(8月)決算銘柄は多く、日本都市ファンド(8953)、野村不動産マスターファンド(3462)、GLP(3281)、大和ハウスリート(8984)、オリックス不動産(8954)と、半分の5銘柄が2月決算銘柄となっています。
今回は2月決算のJ-REITについていくつか紹介します。なお、推奨を目的とはしていませんので、その点はご了承ください。
2月決算銘柄の仲間入りしたアドバンス・ロジスティクス
まずはアドバンス・ロジスティクス投資法人(3493)です。もともとは「伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人」という名称でしたが、2022年の6月に商号を変更しています。
属性としては物流系で、ポートフォリオを見ると物流不動産が100%(2022年10月19日時点)となっています。
同社に関しては、決算期を1月・7月から2月・8月に変更しており、23年2月期が変則で7カ月決算となります。通常より1カ月多い分、23.2期の分配金が多めになる見込みです。
2023年1月30日時点の会社HPによると、前22.8期に確定した1口当たり分配金が2715円であったのに対して、23.2期の予想は3239円となっています。なお、あくまで特殊要因であり、その次の23.8期に関しては、2806円と減少する予定となっています。
ミドルサイズのオフィスに注力するOneリート
続いてはOneリート投資法人(3290)です。みずほ信託銀行がスポンサーとなっており、属性はオフィス系です。2022年12月23日時点ではオフィスの割合が100%となっています。
売買する際に流動性が高いミドルサイズのオフィスビルに投資するスタンスを採っており、東京経済圏および地方政令指定都市などを主な投資対象としています。
奇をてらっていないオーソドックスなオフィスREITと言えますので、オフィス需要が好調な時には選好されやすいでしょう。
三井不動産の住居物件が主力の日本アコモデーションF
続いては日本アコモデーションファンド投資法人(3226)です。温泉以外も始めますの回で、大江戸温泉リート投資法人(3472)が温浴施設に加えてアコモデーション施設を組み入れられるよう規約を変更したことについて触れましたが、同社はアコモデーション資産への投資を主としています。
同社はアコモデーション資産を「主として居住および宿泊の用に供される不動産」と定義しており、賃貸住宅とホスピタリティ施設(寮・社宅、サービスアパートメント、シニア住宅、宿泊施設)が2本柱となっています。ただ、賃貸住宅への投資比率を90%以上とするスタンスとしており、属性としては住居系と言えます。三井不動産(8801)がスポンサーとなっており、「パークアクシス」「パークキューブ」ブランドの物件がポートフォリオに多く入っています。
株式の権利取りの季節でJ-REITにも注目
これらのほか、ローカルREITで紹介した福岡リート(8968)も2月決算銘柄です。
株式市場では3月決算銘柄が圧倒的に多く、その手前から権利取りの動きが活発になってきます。配当利回りを重視する投資家の参入が増えてくることで、REITの分配金利回りにも注目が集まる可能性があります。
J-REITは直近で崩れたものも多いだけに、2月決算銘柄の動きが良くなってくれば、REIT全体でも底打ち感が出てくるかもしれません。2023年の2月決算銘柄の権利付き最終日は2月24日(金)です。購入対象とするかどうかは別としても、値動きには注目しておきたいところです。