日経平均は週間で6%安、REIT指数は小幅に上昇
先週(2024年4月15日~19日)は、日経平均株価が大幅に下落しましたが、一方で、東証REIT指数は週間で上昇しました。
39000円台で推移していた日経平均は大きく崩れて37000円を割り込む場面もあり、週間では約2455円(6.2%)下落しました。REIT指数は1750p~1800pレベルのもみ合いに終始し、週間では約3p(0.2%)上昇しました。
米国の長期金利が上昇する中でもREITはしっかり
この週は米国で経済指標や要人発言を受けて長期金利が上昇し、利下げへの期待が大きく後退しました。また、オランダのASMLや台湾のTSMCの決算を受けて、半導体株が大きく下落しました。さらに、イランの複数地域で爆発があったと伝わるなど、中東における地政学リスクも高まりました。日経平均が大幅安となったのも仕方がないと言えるほど、ネガティブな材料が続出しました。
その中で、J-REITは底堅く推移しました。米国の長期金利上昇は利回り商品のREITにとって警戒すべき材料ではありましたが、大きく崩れることはありませんでした。
日経平均には天井感、REIT指数には底打ち感
日経平均が大きく下落したことに関しては、今年に入ってからの上昇の度合いが大きかったことも影響していると思われます。2023年の年末に33000円台で推移していた日経平均は、3月に入って40000円を上回り、22日には41000円台に乗せました。
一方、2023年の年末に1800p近辺で推移していたREIT指数は、3月中旬に1650p近辺まで水準を切り下げました。
ただ、3月に入って日経平均には天井感、REIT指数には底打ち感が出てきています。先ほどのチャートは週足でしたが、日足チャートで見ると、REIT指数と日経平均が近い時期に転換点を迎えたことが確認できます。
REIT指数の下値不安が後退、日経平均にも期待
先週のネガティブな材料について掘り下げると、半導体株の下落はREITに直接的な影響はありません。中東の地政学リスクも、軍事的な緊張が世界レベルで高まることがなければ、影響は軽微と言えます。この2点に関しては、J-REITを売る材料にはなりません。ただ、米国の長期金利の上昇は強い売り材料となっても不思議はありませんでした。米金利上昇を受けても崩れなかったことで、REIT指数の下値不安は大きく後退したと考えられます。
また、REIT指数が底堅く推移したことは、日本株にも期待の材料となります。REITはリスクを抑えた金融商品ではありますが、ノーリスクの商品ではありません。マーケットが不安定となれば売りに押されます。そして、株式もREITも大幅安になってしまうような地合いでは、リスク資産から資金が逃げていきます。J-REITが崩れなかったということは、日本株の下げがクラッシュの始まりを示唆するものではなく、あくまで利益確定売りの一環であるとの見方をサポートします。
足元では日経平均とREIT指数に対象的な動きが出てきましたが、この先もそれが続くというよりは、どこかで足並みがそろってくるとイメージしておいた方が良いかもしれません。今週に入って4月22日、23日は日経平均、REIT指数ともに上昇しています。REIT指数の堅調継続に期待するとともに、日経平均に調整一巡感が出てくるかにも注目しておきたい局面です。