2024年のREIT指数は8.5%安
2024年はJ-REIT市場にとって厳しい年となりました。REIT指数の値動きを見ると、2024年の1年間では8.5%安と大きく下落しました。
年間を通して下値模索が継続
2024年のREIT指数は年初から水準を切り下げる動きが続きました。早い時期から日銀の政策変更(利上げ)が意識され、利回り商品のREITは敬遠されました。
出遅れるREIT指数(1月30日)
REIT指数、ここまで下げたらその先は・・・(2月20日)
日銀がマイナス金利を解除した3月にはいったん押し目買いが入りました。
REITの逆襲(3月26日)
しかし、5月から8月前半にかけては再び下を試しに行きました。
日経平均株価が4451円安となった8月5日以降は、日本株が急反発したこともあって切り返しました。
J-REITのアツい夏(8月28日)
ただ、株式に比べるとREITの戻りは限定的でした。
10月以降は改めて下げ基調が強まり、12月に安値をつけました。
REIT再び調整中(10月9日)
REIT指数が年初来安値を更新(12月18日)
2024年の高値(終値ベース)は1844.61p(1月22日)、安値は1613.45p(12月19日)となりました。1月に高値、12月に安値をつけており、下げ基調を脱することができませんでした。
1600p割れを回避できるかがポイントに
長期のREIT指数の値動きを見ると、新型コロナの影響を大きく受けた2020年には1100p台まで下げましたが、この時を除くと2016年以降では1600p近辺で下げ止まる場面が多く見られます。2024年も1600p割れは回避していますので、下値のメドとして意識はされていると思われます。言い換えると、1600pを明確に割り込んでしまうと、分配金利回り面で割安に見えたとしても見切り売りが出やすくなるため注意が必要です。
2024年は3月中旬、8月前半、12月中旬と4~5カ月程度の間隔で下を試しに行っていますので、今年の春先の時点で1600pを上回っているかどうかが注目されます。GW辺りまで一度も1600pを割り込むことなく推移できていれば、下げ止まり感が出てくると思われます。2025年のJ-REITに関しては、短期の値幅取りを期待するのではなく、持久戦を想定しておいた方が良さそうです。