米国の大統領選開票報道を受けて日本のREITも上昇
2024年11月5日に、米国では大統領選挙の投開票が行われました。
翌11月6日の東京市場では、選挙の開票に関するニュースを多く消化しながら、日経平均株価が前日比1005円高(3万9480円)と大きく上昇しました。そして、日本株だけでなく、J-REITにも強い動きが見られました。
JRE、Jエクセレント、日本ロジなどが大幅上昇
直前まで共和党のドナルド・トランプ氏と民主党のカマラ・ハリス氏による大接戦が伝わっていた米国の大統領選挙ですが、開票作業が進むとトランプ氏が優勢との報道が多く出てきました。日本の11月6日15時30分時点ではトランプ氏が当選に必要な得票数を確保してはいませんでした。しかし、各州の情勢などから、ほぼトランプ氏勝利で間違いないだろうといったムードで東京市場はこの日の取引を終えています。
そのような中、J-REIT市場では、ジャパンリアルエステイト(8952)、ジャパンエクセレント(8987)、日本ロジスティクス(8967)などが大幅高となりました。
ジャパンリアルエステイトやジャパンエクセレントは長く続いた下げトレンドを脱却したような動きに見えますし、日本ロジスティクスは直近の高値を上回っています。
なお、REIT全体のトレンドを探る目的で特徴的な動きをしていた銘柄を挙げていますが、これらを推奨する目的ではありませんので、その点はご注意ください。
日本の金融株が買われる中で不動産関連も上昇
この日の日本株市場で上昇が目立っていたのは、三菱UFJ(8306)や三井住友(8316)など銀行株でした。トランプ氏が主張する政策を行うと米国の長期金利は上昇しやすくなるという見方が強く、金利上昇の恩恵を受けるとの期待から買いを集めました。
一般的に、長期金利の上昇は利回り商品のREITには逆風となります。しかし、この日は金利上昇が意識されて銀行株が強く選好される中で、REITも嫌われることなく買いが入りました。また、REITだけでなく、三菱地所(8802)や住友不動産(8830)など不動産株にも強く買われる銘柄がいくつかありました。この点に関しては、トランプ氏が不動産で財をなして有名になった人物で、「不動産王」のイメージが強いことが影響していると思われます。
一時的なアヤ戻しかそれとも局面変化か
J-REITに関しては、2024年に入ってからの動きが弱く、9月にFRBが大幅利下げに踏み切った後も、底打ち感が出てくるどころか10月に入って一段安となりました。米国の大統領選が反転材料になるかと言われると微妙なところです。また、先々で日米の長期金利が上昇するかもしれない点は懸念材料ではあります。
ただ、それだけに11月6日の反応が売りではなく買いとなり、上述のように流れが変わったようにも見える銘柄がいくつかあったことは特筆されます。米国の不動産王が一時的であったにしてもJ-REITを刺激したことは疑いようがありません。この日は株式同様、REITもほぼ全面高となっています。下げ基調が続く中での一時的なリバウンドにすぎないのか、それとも大きな局面変化を示唆しているのか、この先の動きが大きく注目されます。