REIT指数が急騰後に急落
1月後半に大きく水準を切り上げたREIT指数が、2月に入り一転下げ基調を強めています
1月の日銀金融政策決定会合を機に強い買いが入り、1月28日には節目の1700pを突破しましたが、29日の1725.94pで上昇一服。2月に入って10日には1650p台まで水準を切り下げました。30日以降のローソク足は陰線(終値が始値を下回る)が多く並んでおり、ガラッと雰囲気が変わっています。
個別では安値を更新する銘柄も
REIT指数が直近の上昇分の大半を吐き出す中、個別では安値を更新している銘柄が散見されます。東海道リート投資法人(2989)は2月10日に10万1400円まで下落し、昨年来の安値を更新しました。2021年6月につけた上場来の安値10万1200円にも接近しています。
この銘柄は2025年2月12日時点で予想分配金利回りが6%を超えており、J-REITの中でも高水準の部類に入ります。1月(7月)決算銘柄のため、REIT全体の動きが良くなりかけたタイミングで権利落ちが発生するというアンラッキーな点はありましたが、利回り妙味のある銘柄が嫌われているというのは気になる動きではあります。
星野リゾート・リート(3287)も2月7日に20万1400円まで下落し、昨年来の安値を更新しています。ブランドイメージの高いREITではありますが、投資口価格の方は下値模索が続いています。この銘柄は1月後半のREIT高の際にもそれほど見直し買いが入っておらず、下落トレンドに変化が見られません。値ごろ感のある銘柄が下げ止まっていないというのも気になる動きです。
1月後半の上昇は底打ちではなかった可能性
REITに底打ち感が出てきた場合には、分配金利回りの高い銘柄やネームバリューのある銘柄は買われやすくなります。足元でそういった銘柄が好まれていないことを踏まえると、1月後半の上昇に関しては、底打ちを示唆するものではなかったと捉えておいた方が良いのかもしれません。分配金利回りの高い銘柄は業績面では信頼度が劣る傾向がありますので、全体が下げ止まっていないのであれば買いを急ぐ理由はなくなります。なお、東海道リートや星野リゾート・リートは地方物件をポートフォリオに抱えるREITですが、都心部好立地を中心としている銘柄の方が比較的値を保っているようにも見受けられます。
2月12日のREIT指数の終値は1663.30pでした。1640p近辺でもみ合った後に1月の日銀金融政策決定会合でジャンプアップしましたので、上げ分を全消ししてしまうと底打ち期待が大きく後退します。昨年12月19日の安値1611.44pを割り込むとあきらめの売りが出やすくなりますし、その手前の1620~1630pレベルでも見切り売りは出やすくなりますので、心理的節目の1650p割れを回避できるかが目先の焦点となります。