日銀の利上げ決定でREIT指数が上昇
日銀は2025年1月23日~24日に開催された金融政策決定会合で、政策金利の引き上げ(0.25%→0.50%)を決定しました。この決定を受けて、REIT指数に強い動きが見られました。
結果発表以降も上昇が続く
チャートを見ると、結果発表前の動きは横ばいで、特に期待買いなどは入っていなかったことが分かります。それもそのはず、今回は事前に利上げが実施されるであろうことはかなり織り込みが進んでいました。利上げそのものは利回り商品のREITには歓迎しない材料ですので、会合前のREIT指数は低空飛行が続いていました。
興味深いのは、結果発表日以降も強い動きが続いている点です。REIT指数は中長期では下落基調が続いており、高くなれば戻り売りに押される懸念はありました。しかし、結果発表日の1月24日に大幅高となり、週明け27日も連日で大幅高。28日には節目の1700ポイントを難なく超えてきました。
2024年3月にも同様のパターン
日銀が金融引き締め的な政策を決定したにもかかわらず、REITが強い反応を見せた。こういった動きは2024年3月にも見られました。
日銀は2024年3月18日~19日の会合で、マイナス金利の解除、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の撤廃、ETF・REITの買い入れ終了などを決定しました。この決定を受けて、3月19日のREIT指数は大幅高となり、その後もしばらく買いが続きました。
「良い金利上昇」への期待感?
利上げは利回り商品のREITには歓迎しない材料と述べましたが、景気が良く、それに沿う形で利上げが行われるのであれば、プラスに作用することもあります。賃金が上がり、多くの人の所得が増える。そしてそのことが多くの消費を生み出す。そういった好循環が発生するのであれば、不動産価格の上昇が見込まれます。
今回は、企業の力強い賃上げが続くことに対する確信が深まったという点も、日銀が利上げに踏み切った要因の一つとみられています。この先、ベースアップなど明るい話が多く出てくることが期待されます。
それも一時的な買い戻し?
一方、2024年3月と今回の共通点としては、その手前のREIT指数がかなり弱かったということも挙げられます。2024年は1月後半から2月にかけて鋭角的に下落しました。2024年の後半も10月から12月にかけて長く下げ基調が続きました。
そもそも、2024年3月の日銀会合以降の上昇で底打ちとはなっていないわけですから、今回も一時的な買い戻しにすぎない可能性はあります。
大きなトレンドが変わったかどうかを見定めるには、ある程度の時間を要します。ちなみに、2024年は月間でREIT指数が上昇した月が3月、4月、8月の3回しかありませんでした。2025年の1月は29日時点で前月比3.9%高となっており、月初から好スタートを切れそうではあります。まずは2月に大崩れすることなく、もう一段水準を切り上げることができるかどうかが注目されます。