原油高騰、日常生活に深刻な影響
今年3月、ロシアによるウクライナ侵攻で原油価格が値上がりし、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)の価格は一時1バレル=130ドルを突破。2008年7月以来の高値を更新しました。
そのあとは戻り売りなどに押される格好で100ドルを割り込む場面もありましたが、ここにきて再び上昇基調となっており、110-120ドル台で推移。再び130ドル台をうかがう可能性も出てきています。
※出所:Trading View
原油高騰による影響は、電気料金の値上げやガソリン価格の上昇だけにはとどまりません。製造コストや輸送コストの上昇が製品価格に転嫁され、私たちの日常生活や企業の経済活動に深刻な影響を及ぼします。
円安進行がさらに追い打ち
さらに追い打ちをかけるように、外国為替市場では円安が進行しています。ドル円相場は6月29日、一時1ドル=137.00円と1998年9月以来約24年ぶりの高値を更新しました。6月に続き7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも米連邦準備理事会(FRB)が0.75%の大幅利上げに踏み切る可能性が意識される一方、日銀は大規模な金融緩和策を維持。日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いが進んでいます。
※出所:Trading View
原油価格の上昇と円安は、当然ながら日本にとってはさらなる物価上昇圧力となります。すでに私たちの周りにある商品やサービスなどの価格は断続的に上昇しており、「値上げラッシュ」の様相が強まっています。帝国データバンクの調査によると、6月以降は食品だけでも3600品目を超える値上げが予定されているといいます。
くわえて、電気代やガス代も値上がりしています。私が住む群馬県前橋市では気温が40℃と熱中症に厳重警戒が必要な危険な暑さとなっています。気温上昇とともにエアコンなど家電を使用する機会が増える時期に光熱費高騰が重なり、家計を直撃しています。
原油価格の上昇と円安がどこまで進むか分からない
世界銀行(World Bank)は今年4月、「一次産品市場の見通し」を発表し、2022年のエネルギー価格指数が前年比50.5%増の143.6、農産物などの非エネルギー価格指数が同19.2%増の133.5との見通しを示しました。いずれの価格指数も22年をピークに23・24年は段階的に下落する見通しとなっていますが、「過去5年間の平均水準を大幅に上回る」としています。
原油価格の上昇と円安がどこまで進むか分からない状況の中、物価上昇に伴う家計の支出も当然増えていく見込みです。しかしながら、支出の増加にあわせて給料などの収入が増えるとは限りません。老後の生活を支える年金も然りです。
コモディティ(商品)投資のススメ
物価上昇から私たちの生活を守るためには今あるお金を守り、さらに増やす必要があります。大事に貯金をするだけではお金の価値は目減りしていきます。「インフレ」=物価が上昇すると、同じ金額で買えるモノやサービスの量が少なくなるため、「お金の価値が目減りする」ことになるのです。
つまり、「いまから投資」=資産を運用していく必要があると言えるでしょう。
では、どのような資産運用を始めれば良いのでしょうか?
私は価格上昇圧力にさらされている「コモディティ(商品)」を中心に株や債券・暗号通貨などあらゆる手段を使ってお金を増やすことを提案していきたいと思います。それはあたかも「ひとりヘッジファンド」のように、さまざまな取引手法を駆使して相場が上がっても下がっても利益を追求することを目的としたいと考えます。