ドル円は、ドル高・円安8年サイクルにより、2023年11月13日の高値151.91円で、当面の高値を付けた可能性が高まりつつあります。
短期的には、ダブル・トップ(151.72円・151.91円)、中期的にもダブル・トップ(151.95円・151.91円)が完成していますが、現状は「トリプル・トップ」を形成しつつあります。
次回のドル高・円安8年サイクルは2031年での160.35円~175.50円を予想しておきます。
トリプル・トップになるには、ボリンジャー・バンドの転換シグナル「ヘッド・フェイク」を待つことになります。すなわち、ボリンジャー・バンド+2σが上昇したにも関わらず、価格が反落した場合となります。
ヘッド・フェイクが出現しなかった場合、152円を超えて上昇トレンドが継続する可能性が高まります。
【戦術(2024年3月5日週)】
ドル売り:@151.00円 ⇒ ストップロス@152.00円、利食い@148.00円
ドル円が、ヘッドフェイクを出現させて反転するシナリオは、以下の通りです。
1) 本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入
神田財務官と鈴木財務相は「注視する」という段階ですが、介入直前には「断固たる措置」という警告が発せられます。
2) 3月日銀金融政策決定会合での金融政策正常化
2月22日、植田日銀総裁は衆議院予算委員会に出席し、「消費者物価は去年までと同じような右上がりの動きが続くと予想している。そういう意味でデフレではなく、インフレの状態にあると考えている」と述べました。
3) 政府によるデフレ脱却宣言
政府が物価の上昇傾向を受け「デフレ脱却」を表明する検討に入ったことが報じられています。政府は日本経済がデフレにあるとの見解を2001年3月の月例経済報告に併せて公表した資料で「緩やかなデフレにある」と示していましたが、デフレ脱却を表明すれば、23年間にわたり安定成長を妨げてきた足枷が外れたと認めることになります。
岸田首相は、今年の春闘で昨年を上回る賃上げを実現して、6月の定額減税とあわせて実質賃金をプラスにして、消費を活性化させて、9月の自民党総裁選での再選を目論んでいると思われます。