今週のチャート予報 やるなら今でしょ!

第4回 弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)

ドル円の一目均衡表でのテクニカル分析は、依然として三役好転の強い買いシグナルが点灯しています。攻防の分岐点である転換線は、144.93円に位置して支持線となっています。しかしながら、三角保ち合いの上値抵抗線(151.95円⇒146.56円)付近に到達し、相対力指数(RSI)では、反転シグナルである「弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)」が出現しましたので、売りで臨みます。

【戦術(2023年8月22日週)】ドル売り:@146.40円 ⇒ ストップロス@147.00円

 

■「弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)」

ドル円の高値が145.07円から146.56円まで更新されたにも関わらず、オシレーター系指標(逆張り指標)の相対力指数(RSI)が、高値を更新できていないことで、上昇エネルギーの枯渇とみなし、売りシグナルになります。

 

1.      ジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長講演

2022年のジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演では、金融引き締めを「やり遂げるまでやり続けなければならない」と述べ、利上げを継続する姿勢を鮮明にする超タカ派的な内容でした。

7月米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見では「9月会合では追加利上げも、現状維持もあり得る。今後の金融政策は、経済指標次第」と述べていました。

今週末25日に予定されているジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演での注目ポイントは以下の通りです。

 

■NY連銀のレポート「パンデミック後の短期的Rスターの進展」

タカ派的なシナリオは、NY連銀のレポートでの短期的な中立金利の上昇の可能性に肯定的な見解を示した場合です。

ハト派的なシナリオは、否定的な見解を示した場合となります。

 

■7月の消費者物価指数(CPI)と失業率

7月のCPIは前年比+3.2%と6月の同比+3.0%から13カ月ぶりに上昇し、失業率も3.5%へ低下していました。経済指標次第となると、9月FOMCでの追加利上げに言及する可能性が高まりつつあります。

 

2.中期テクニカル分析:三角保ち合いを形成中

ドル円は、第4波動としての「三角保ち合い」(底辺:126.36円-151.95円)を形成中であり、146.56円までの上昇で、上値抵抗線(151.95円⇒146.56円)に到達したと見込みます。

 

この連載の一覧
第39回 ドル円、斜行三角形とドル高8年サイクル
第38回 ドル/スイスフラン:「ダブル・ボトム」か「逆ヘッド・アンド・ショルダー」か
第37回 ポンド円:二本立ち二羽烏
第36回 ドル円:黒田シーリングと植田シーリング
第35回 ドル円「トリプル・トップ」か否か?(2)
第34回 ドル円「トリプル・トップ」か否か?
第33回 ポンドドル、「三角保ち合い」のAPEXへ接近中
理外の理:ユーロドルの「ヘッド・アンド・ショルダー」(3)
第31回 ドル円、ヘッド・フェイク待ち?
第30回 ドル円「ダブル・トップ」⇒「トリプル・トップ」??
第29回 ユーロドルの「ヘッド・アンド・ショルダー」(3)
第28回 ドル円「ヘッド・アンド・ショルダー」
第27回 ポンドドル、ヘッド・アンド・ショルダーのネック・ラインに要注目
第26回 ユーロドルの「ヘッド・アンド・ショルダー」(2)
第25回 半値戻しは全値戻し(2)
第24回 半値戻しは全値戻し
第23回 2024年ドル円相場見通し
第22回 ポンドドル、MACDでの売りシグナル
第21回 ドル高・円安8年サイクル(2)
第20回 ドル円の「斜行三角形」目標値は137.25円
第18回 ドル円の「ダブル・トップ」目標値は146.51円
第17回 豪ドル円、上昇第3波動を形成中か
第16回 ドル円V計算値=152.70円
第15回 ドル高・円安8年サイクル
第14回 ユーロドルの「ヘッド・アンド・ショルダー」
第13回 ドル円の「斜行三角形」と「弱気の乖離」
第12回 ドル/スイスフラン「ダブル・トップ」完成
第11回 ドル円の「弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)」
第10回 NZドル円、上昇第3波動を形成中か
第9回 ポンドドルの「ヘッド・アンド・ショルダー」
第8回 ユーロ円の弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)
第7回 縦の糸「価格」と横の糸「時間」の交差:9月12日&148.77円
第6回 ヘッド・アンド・ショルダー(2)
第5回 ヘッド・アンド・ショルダー
第4回 弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)
第3回 8月15日は米国債償還・利払いの円買いの日柄
第2回 8月は円高アノマリー
第1回 ドル円145円は「三田(神田・植田・岸田)関所」か

為替情報部 アナリスト

山下 政比呂

証券会社で株式・債券の営業、米系銀行で為替ディーラー業務(スポット、スワップ、オプション)に従事。プライベートバンクでは、為替のアドバイサーとして円資産からドル建て資産への分散投資を推奨してきたドル高・円安論者。 「酒田罫線法」「エリオット波動分析」「ギャン理論」などのテクニカル分析をベースに、ファンダメンタルズ分析との整合性を図り、相場観を構築。 ウォール街の格言「ゴルフと相場は、どちらもタイミングが全て」に出合い、ゴルフと相場の共通項を模索中。 2016年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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