ドル円は、ドル高・円安8年サイクルにより、2024年7月3日の高値161.95円で当面の高値を付けた可能性が高まっています。
参考までに、次回のドル高・円安8年サイクルは2031-32年での175.50円(※1978年安値)を想定しておきます。
ドル円は、2023年1月の安値127.23円を起点とする中期支持線(⇒抵抗線)を下抜けて139.58円まで下落して、フィボナッチ・リトレースメント61.8%押し140.49円に到達しました。
ネック・ラインである140円を明確に割り込んだ場合、161.95円を頭とする「ヘッド・アンド・ショルダー」が完成して、全値押しの127.23円までの下落の可能性が高まります。
【戦術(2024年9月30日週)】
ドル売り:@144.00円&145.00円 ⇒ ストップロス@146.00円
※140円を割り込んだ場合は、追撃売りで臨みます。
1.ドル高8年サイクル
ドル・円相場は、8年サイクルで高値をつけています。
・1974年1月:304.90円
・1982年10月:278.50円(約8年10カ月)
・1990年4月:160.35円 (約7年6カ月)
・1998年8月:147.64円 約8年4カ月)
・2007年6月:124.14円 (約8年10カ月)
・2015年6月:125.86円 (約8年1カ月)
・2024年7月:161.95円 (約9年)
2.エリオット波動
・第1波動:75.32円-125.86円(+50.54円)
・第2波動:125.86円-101.19円(▲24.67円 半値押し)
・第3波動:101.19円~161.95円(+60.76円)
・第4波動:161.95円~126円(※第4波動と第1波動は重ならない)
・第5波動:126円~175.50円
3.イシバノミクス
石破自民党新総裁は、デフレ脱却を旗印にした「アベノミクス」(大規模金融緩和・拡張的財政出動・円安による成長戦略)が短期的な株価上昇や円安による輸出拡大に成功した一方、長期的には日本の競争力が低下したと評価しています。
石破新総裁は「アベノミクス」を「都市部優先」だと批判しており、経済成長を都市部から地方へと広げるための内需主導型の経済政策が必要だと主張してきました。
石破新総裁が目指す経済政策「イシバノミクス」は、金融引締め、緊縮財政、円高政策、を指向していると思われます。
石破新総裁は、適正な為替水準については「常識的に、ドル円は110円から140円と言われている」と述べていました。
また、イシバノミクスにより、債務削減の取り組みや企業再編の波が起これば、日本企業が海外で保有している資産の日本への還流「レパトリエーション」が誘発されることで、円キャリー取引の巻き戻しに拍車がかかることになります。
石破新総裁がドル円の上限と言及している140円を割り込めば、「ヘッド・アンド・ショルダー」が完成して、ドル高トレンドの起点である127.23円を目指す下落トレンドが予想されます。