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第69回 ドル円「ヘッド・アンド・ショルダー」の右肩を形成中か

ドル円は、ドル高・円安8年サイクルにより、2024年7月3日の高値161.95円で当面の高値を付けた可能性が高まっています。

参考までに、次回のドル高・円安8年サイクルは2031-32年での175.50円(※1978年安値)を想定しておきます。

また、ドル円は、太陽黒点の極大期付近で高値を付けて反転しています。

第24期極大期の高値125.86円(2015年)は、黒田第31代日銀総裁の円安牽制発言で示現しました。

第25期極大期の高値161.95円(2024年)は、神田財務官のドル売り・円買い介入と植田第32代日銀総裁の利上げで示現しました。

 

ドル円は、2023年1月の安値127.23円を起点とする中期支持線(⇒抵抗線)を下抜けて139.58円まで下落しました。ネック・ラインである140円を明確に割り込んだ場合、161.95円を頭とする「ヘッド・アンド・ショルダー」が完成して、全値押しの127.23円までの下落の可能性が高まります。

現状は、161.95円を頭とする「ヘッド・アンド・ショルダー」の左肩(151.91円)に対応する右肩を形成中だと思われます。

右肩の候補として、フィボナッチ・リトレースメント76.4%戻しの156.75円まで反発しています。

 

【戦術(2024年12月2日週)】

ドル売り:@152.00円(※200日移動平均線) ⇒ ストップロス@155.00円

 

2016年12月のドル円は、トランプ第45代米大統領の経済政策(減税や輸入関税)によるインフレ懸念から「第1次トランプラリー」が起こり、11月の安値101.20円から118.66円まで上昇(+17.46円、17.3%)しました。しかし、第1次トランプ米政権(2017年~2020年)の間、この高値を上回ることはありませんでした。

2024年11月のドル円は、トランプ第47代米大統領の経済政策(減税や輸入関税)によるインフレ懸念から「第2次トランプラリー」が起こり、11月の安値151.30円から156.75円まで上昇(+5.45円、3.6%)しました。

この水準は、7月の高値161.95円から9月安値139.58円までの下落幅のフィボナッチ・リトレースメント76.4%戻し(156.67円)に対応しています。

第2次トランプ米政権(2025年~2028年)の間、この高値を上回ることはあるのでしょうか。

 

1.ドル高8年サイクル

ドル・円相場は、8年サイクルで高値をつけています。

・1974年1月:304.90円

・1982年10月:278.50円(約8年10カ月)

・1990年4月:160.35円 (約7年6カ月)

・1998年8月:147.64円 約8年4カ月)

・2007年6月:124.14円 (約8年10カ月)

・2015年6月:125.86円 (約8年1カ月)

・2024年7月:161.95円 (約9年)

■第1次トランプ米政権(2017年~2020年):2015年の高値からの下落途上

■第2次トランプ米政権(2025年~2028年):2024年の高値からの下落途上?

 

2.エリオット波動

・第1波動:75.32円-125.86円(+50.54円)

・第2波動:125.86円-101.19円(▲24.67円 半値押し)

・第3波動:101.19円~161.95円(+60.76円)

・第4波動:161.95円~126円(※第4波動と第1波動は重ならない)

・第5波動:126円~175.50円

■第1次トランプ米政権(2017年~2020年):第2調整波動

■第2次トランプ米政権(2025年~2028年):第4調整波動?

 

3.太陽黒点とドル円相場

太陽黒点は、約11年周期で極大期・極小期を繰り返していますが、ドル円の9年サイクルに対応しています。

【太陽活動周期】 【極大期】⇒ピークアウト 【極小期】⇒ボトムアウト

・20期(1964-76)1968年+3年=1971年 360.00円 1976年+2年=78年 175.50円

・21期(1976-86)1979年+3年=1982年 278.50円 1986年+2年=88年 120.25円

・22期(1986-96)1989年+1年=1990年 160.35円 1996年-1年=95年 79.75円

・23期(1996-08)2000年-2年=1998年 147.64円 2008年+3年=11年 75.32円

・24期(2008-19)2014年+1年=2015年 125.86円 2019年+1年=20年 101.19円

・25期(2020-31)2024年10月=2024年 161.95円

■第1次トランプ米政権(2017年~2020年):第24極大期の終盤

■第2次トランプ米政権(2025年~2028年):第25極大期の終盤

この連載の一覧
第69回 ドル円「ヘッド・アンド・ショルダー」の右肩を形成中か
第68回 ユーロドル「ダブル・トップ」完成で目標値0.9682ドル点灯
第66回 ドル円、「トランプ・トレード」対「ヘッド・アンド・ショルダー」
第65回 ポンドドル、「ヘッド・アンド・ショルダー」完成
第64回 ドル円、第25太陽黒点極大期で高値反転か
第63回 NZドル/ドル:売りシグナル点灯中
第62回 ポンドドル、「ヘッド・アンド・ショルダー」を形成中
第61回 ユーロドル:「ダブル・トップ」完成で目標値1.0790ドルが点灯
第60回 ドル円、イシバノミクスによる「ヘッド&ショルダー」完成か
第59回 ドル円、「ヘッド・アンド・ショルダー」未完成
第58回 ドル円、全値押し(127.23円)の可能性
第57回 NZドル円:売りシグナル点灯中
第56回 豪ドル/NZドル:売りシグナル点灯中
第55回 ユーロドル:「ダブル・トップ」形成と見込んで売り
第54回 ドル円、中期抵抗線を抵抗に戻り売り
第53回 ドル円、一目・転換線を抵抗に売り
第52回 ドル円、中期支持線を下抜け
第51回 ポンドドル、「ヘッド・フェイク」が下落トレンド示唆
第50回 NZドル円:売りシグナル点灯中
第49回 ユーロ円:半値戻しは全値戻し
第48回 ドル円、弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)
第47回 ドル円、175円か145円か?
第46回 ユーロドル:ストキャスティックで売りシグナル
第45回 ユーロ/スイスフラン:中期支持線を下抜け
第44回 ユーロドル:MACDデッドクロスで売りシグナル
第43回 ポンドドル、「三角保ち合い」上辺付近で「H&S」を形成中
第42回 NZドル/ドル:三役好転 対 弱気の乖離
第41回 ドル円「半値戻しは全値戻し」
第40回 ポンドドル、「ヘッド・アンド・ショルダー」のネック・ラインへ接近中
第39回 ドル円、斜行三角形とドル高8年サイクル
第38回 ドル/スイスフラン:「ダブル・ボトム」か「逆ヘッド・アンド・ショルダー」か
第37回 ポンド円:二本立ち二羽烏
第36回 ドル円:黒田シーリングと植田シーリング
第35回 ドル円「トリプル・トップ」か否か?(2)
第34回 ドル円「トリプル・トップ」か否か?
第33回 ポンドドル、「三角保ち合い」のAPEXへ接近中
理外の理:ユーロドルの「ヘッド・アンド・ショルダー」(3)
第31回 ドル円、ヘッド・フェイク待ち?
第30回 ドル円「ダブル・トップ」⇒「トリプル・トップ」??
第29回 ユーロドルの「ヘッド・アンド・ショルダー」(3)
第28回 ドル円「ヘッド・アンド・ショルダー」
第27回 ポンドドル、ヘッド・アンド・ショルダーのネック・ラインに要注目
第26回 ユーロドルの「ヘッド・アンド・ショルダー」(2)
第25回 半値戻しは全値戻し(2)
第24回 半値戻しは全値戻し
第23回 2024年ドル円相場見通し
第22回 ポンドドル、MACDでの売りシグナル
第21回 ドル高・円安8年サイクル(2)
第20回 ドル円の「斜行三角形」目標値は137.25円
第18回 ドル円の「ダブル・トップ」目標値は146.51円
第17回 豪ドル円、上昇第3波動を形成中か
第16回 ドル円V計算値=152.70円
第15回 ドル高・円安8年サイクル
第14回 ユーロドルの「ヘッド・アンド・ショルダー」
第13回 ドル円の「斜行三角形」と「弱気の乖離」
第12回 ドル/スイスフラン「ダブル・トップ」完成
第11回 ドル円の「弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)」
第10回 NZドル円、上昇第3波動を形成中か
第9回 ポンドドルの「ヘッド・アンド・ショルダー」
第8回 ユーロ円の弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)
第7回 縦の糸「価格」と横の糸「時間」の交差:9月12日&148.77円
第6回 ヘッド・アンド・ショルダー(2)
第5回 ヘッド・アンド・ショルダー
第4回 弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)
第3回 8月15日は米国債償還・利払いの円買いの日柄
第2回 8月は円高アノマリー
第1回 ドル円145円は「三田(神田・植田・岸田)関所」か

為替情報部 アナリスト

山下 政比呂

証券会社で株式・債券の営業、米系銀行で為替ディーラー業務(スポット、スワップ、オプション)に従事。プライベートバンクでは、為替のアドバイサーとして円資産からドル建て資産への分散投資を推奨してきたドル高・円安論者。 「酒田罫線法」「エリオット波動分析」「ギャン理論」などのテクニカル分析をベースに、ファンダメンタルズ分析との整合性を図り、相場観を構築。 ウォール街の格言「ゴルフと相場は、どちらもタイミングが全て」に出合い、ゴルフと相場の共通項を模索中。 2016年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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