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第54回 ドル円、中期抵抗線を抵抗に戻り売り

ドル円は、ドル高・円安8年サイクルにより、2024年7月3日の高値161.95円で当面の高値を付けた可能性が高まっています。

参考までに、次回のドル高・円安8年サイクルは2031-32年での175.50円(※1978年安値)を想定しておきます。

ドル円は、2023年1月の安値127.23円を起点とする中期支持線(⇒抵抗線)を下抜けて、141.70円まで下落した後、149.39円まで反発して、フィボナッチ・リトレースメント38.2%戻し149.44円に到達しました。

しかし、中期抵抗線を明確に上抜けない限り、61.8%押しの140.49円、そして、全値押しの127.23円までの下落の可能性を視野に入れておきたいと思います。

 

7月31日の植田日銀総裁のタカ派発言とパウエルFRB議長のハト派発言がドル安・円高のきっかけでしたが、8月23日の両者の発言が変わらなければ、ドル安・円高が再現されると思います。

 

【戦術(2024年8月20日週)】

ドル売り:@149.00円 ⇒ ストップロス@150.00円、利食い@130.00円

 

1.ドル高8年サイクル

ドル・円相場は、8年サイクルで高値をつけています。

・1974年1月:304.90円

・1982年10月:278.50円(約8年10カ月)

・1990年4月:160.35円 (約7年6カ月)

・1998年8月:147.64円 約8年4カ月)

・2007年6月:124.14円 (約8年10カ月)

・2015年6月:125.86円 (約8年1カ月)

・2024年7月:161.95円 (約9年)

 

2.エリオット波動

・第1波動:75.32円-125.86円(+50.54円)

・第2波動:125.86円-101.19円(▲24.67円 半値押し)

・第3波動:101.19円~161.95円(+60.76円)

・第4波動:161.95円~126円(※第4波動と第1波動は重ならない)

・第5波動:126円~175.50円

 

3.日米金融政策のデカップリング(decoupling)・・日米10年債利回り格差の縮小観測

※7月31日

■日銀金融政策決定会合:追加利上げ0.25%⇒0.75~1.00%への利上げの可能性

・植田日銀総裁(タカ派)「0.5%が壁になるとは認識していない」

・内田日銀副総裁(ハト派)「株価や為替相場が不安定な状況で利上げは行わない」

■米連邦公開市場委員会(FOMC):9月の利下げ(▲0.25%~▲0.50%)開始の可能性

※8月23日

■植田日銀総裁:衆議院財務金融委員会での閉会中審査

■パウエルFRB議長:ジャクソンホール会合

この連載の一覧
第58回 ドル円、全値押し(127.23円)の可能性
第57回 NZドル円:売りシグナル点灯中
第56回 豪ドル/NZドル:売りシグナル点灯中
第55回 ユーロドル:「ダブル・トップ」形成と見込んで売り
第54回 ドル円、中期抵抗線を抵抗に戻り売り
第53回 ドル円、一目・転換線を抵抗に売り
第52回 ドル円、中期支持線を下抜け
第51回 ポンドドル、「ヘッド・フェイク」が下落トレンド示唆
第50回 NZドル円:売りシグナル点灯中
第49回 ユーロ円:半値戻しは全値戻し
第48回 ドル円、弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)
第47回 ドル円、175円か145円か?
第46回 ユーロドル:ストキャスティックで売りシグナル
第45回 ユーロ/スイスフラン:中期支持線を下抜け
第44回 ユーロドル:MACDデッドクロスで売りシグナル
第43回 ポンドドル、「三角保ち合い」上辺付近で「H&S」を形成中
第42回 NZドル/ドル:三役好転 対 弱気の乖離
第41回 ドル円「半値戻しは全値戻し」
第40回 ポンドドル、「ヘッド・アンド・ショルダー」のネック・ラインへ接近中
第39回 ドル円、斜行三角形とドル高8年サイクル
第38回 ドル/スイスフラン:「ダブル・ボトム」か「逆ヘッド・アンド・ショルダー」か
第37回 ポンド円:二本立ち二羽烏
第36回 ドル円:黒田シーリングと植田シーリング
第35回 ドル円「トリプル・トップ」か否か?(2)
第34回 ドル円「トリプル・トップ」か否か?
第33回 ポンドドル、「三角保ち合い」のAPEXへ接近中
理外の理:ユーロドルの「ヘッド・アンド・ショルダー」(3)
第31回 ドル円、ヘッド・フェイク待ち?
第30回 ドル円「ダブル・トップ」⇒「トリプル・トップ」??
第29回 ユーロドルの「ヘッド・アンド・ショルダー」(3)
第28回 ドル円「ヘッド・アンド・ショルダー」
第27回 ポンドドル、ヘッド・アンド・ショルダーのネック・ラインに要注目
第26回 ユーロドルの「ヘッド・アンド・ショルダー」(2)
第25回 半値戻しは全値戻し(2)
第24回 半値戻しは全値戻し
第23回 2024年ドル円相場見通し
第22回 ポンドドル、MACDでの売りシグナル
第21回 ドル高・円安8年サイクル(2)
第20回 ドル円の「斜行三角形」目標値は137.25円
第18回 ドル円の「ダブル・トップ」目標値は146.51円
第17回 豪ドル円、上昇第3波動を形成中か
第16回 ドル円V計算値=152.70円
第15回 ドル高・円安8年サイクル
第14回 ユーロドルの「ヘッド・アンド・ショルダー」
第13回 ドル円の「斜行三角形」と「弱気の乖離」
第12回 ドル/スイスフラン「ダブル・トップ」完成
第11回 ドル円の「弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)」
第10回 NZドル円、上昇第3波動を形成中か
第9回 ポンドドルの「ヘッド・アンド・ショルダー」
第8回 ユーロ円の弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)
第7回 縦の糸「価格」と横の糸「時間」の交差:9月12日&148.77円
第6回 ヘッド・アンド・ショルダー(2)
第5回 ヘッド・アンド・ショルダー
第4回 弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)
第3回 8月15日は米国債償還・利払いの円買いの日柄
第2回 8月は円高アノマリー
第1回 ドル円145円は「三田(神田・植田・岸田)関所」か

為替情報部 アナリスト

山下 政比呂

証券会社で株式・債券の営業、米系銀行で為替ディーラー業務(スポット、スワップ、オプション)に従事。プライベートバンクでは、為替のアドバイサーとして円資産からドル建て資産への分散投資を推奨してきたドル高・円安論者。 「酒田罫線法」「エリオット波動分析」「ギャン理論」などのテクニカル分析をベースに、ファンダメンタルズ分析との整合性を図り、相場観を構築。 ウォール街の格言「ゴルフと相場は、どちらもタイミングが全て」に出合い、ゴルフと相場の共通項を模索中。 2016年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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