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第1回 ドル円145円は「三田(神田・植田・岸田)関所」か

ドル円のテクニカル分析は、ドル高・円安を指向している。上値目標値は、145円処として、142円台でドル買いで参入し、145円で途転売り持ちに転じるシナリオで臨みたい。

【戦略(2023年8月1日週)】

・ドル買い:142.00円 ⇒ ストップロス@141.00円(※転換線:140.38円)

・利食い&途転売り持ち:145.00円 ⇒ストップロス@146.00円

 

1.テクニカル分析

■長期テクニカル分析:第4調整波動を形成中

ドル円高値8年サイクルで、2022年10月21日の高値151.95円でピークアウトしたと仮定する。

サブシナリオ(1)として、2023年6月30日の高値145.07円

サブシナリオ(2)として、2023年後半のV計算値152.70円(125.86円+26.84円)も想定しておきたい。

【ドル円高値8年サイクル】

・1974年:306.90円

・1982年:278.50円

・1990年:160.35円 (※1989年消費税3.0%)

・1998年:147.64円 (※1997年消費税5.0%)

・2007年:124.14円 (※2006年から1年ずれ)

・2015年:125.86円 (※2014年消費税8.0%)・・・2007年の高値に対応

・2022年:151.95円(※2019年消費税10.0%)・・1998年の高値に対応

・2023年:152.70円(V計算値=125.86円+26.84円)

【エリオット波動分析】

・第1上昇波動:75.32円~125.86円 (+50.54円)

・第2調整波動:125.86円-101.19円

・第3上昇波動:

1)151.95円(=151.73円=101.19円+50.54円)

2)152.70円(V計算値=125.86円+26.84円)

・第4調整波動:151.95円~126.00円

・第5上昇波動:176.40円(※2031年:逆ヘッド・アンド・ショルダーの目標値)

 

■中期テクニカル分析:三角保ち合いの上辺144円台を目指す上昇トレンド

第4波動としての三角保ち合い(底辺:126.36円-151.95円)を形成中であり、現状は145円付近を目指す上昇波動を形成中。

三角保ち合いの上値抵抗線(151.95円⇒145.07円)は、毎日4銭低下しており、

8月1日は144.19円、2日は144.15円、3日は144.11円、4日は144.07円まで低下していく。

 

■短期テクニカル分析:買い

【一目均衡表】買い:三役好転

【MACD(移動平均収束拡散法)】買い

【ボリンジャー・バンド】買い:+2σの144.30円処が目標値

【ストキャスティック】買い

【相対力指数(RSI)】買い

 

2.ファンダメンタルズ分析

■日米金融政策

米連邦準備理事会(FRB)は、FF金利誘導目標を5.25-50%まで引き上げ、ドット・プロット(金利予測分布図)で年末に5.50-75%まで引き上げることを示唆。

日本銀行は、金融政策である短期金利運用は「▲0.10%」、金融政策ではない長期金利運用の「イールドカーブコントロール(YCC)」の上限目途は0.50%、指値オペを1.0%として柔軟化を示唆。

 

■本邦通貨当局:ドル高・円安は阻止か?

・神田財務官「あまりにおかしいボラティリティーに対し、正常化することが求められる」

・植田日銀総裁「為替のボラティリティーを抑制する」

・岸田政権:秋の解散・総選挙を見据えて、輸入物価上昇の要因となる円安を回避

 

この連載の一覧
第39回 ドル円、斜行三角形とドル高8年サイクル
第38回 ドル/スイスフラン:「ダブル・ボトム」か「逆ヘッド・アンド・ショルダー」か
第37回 ポンド円:二本立ち二羽烏
第36回 ドル円:黒田シーリングと植田シーリング
第35回 ドル円「トリプル・トップ」か否か?(2)
第34回 ドル円「トリプル・トップ」か否か?
第33回 ポンドドル、「三角保ち合い」のAPEXへ接近中
理外の理:ユーロドルの「ヘッド・アンド・ショルダー」(3)
第31回 ドル円、ヘッド・フェイク待ち?
第30回 ドル円「ダブル・トップ」⇒「トリプル・トップ」??
第29回 ユーロドルの「ヘッド・アンド・ショルダー」(3)
第28回 ドル円「ヘッド・アンド・ショルダー」
第27回 ポンドドル、ヘッド・アンド・ショルダーのネック・ラインに要注目
第26回 ユーロドルの「ヘッド・アンド・ショルダー」(2)
第25回 半値戻しは全値戻し(2)
第24回 半値戻しは全値戻し
第23回 2024年ドル円相場見通し
第22回 ポンドドル、MACDでの売りシグナル
第21回 ドル高・円安8年サイクル(2)
第20回 ドル円の「斜行三角形」目標値は137.25円
第18回 ドル円の「ダブル・トップ」目標値は146.51円
第17回 豪ドル円、上昇第3波動を形成中か
第16回 ドル円V計算値=152.70円
第15回 ドル高・円安8年サイクル
第14回 ユーロドルの「ヘッド・アンド・ショルダー」
第13回 ドル円の「斜行三角形」と「弱気の乖離」
第12回 ドル/スイスフラン「ダブル・トップ」完成
第11回 ドル円の「弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)」
第10回 NZドル円、上昇第3波動を形成中か
第9回 ポンドドルの「ヘッド・アンド・ショルダー」
第8回 ユーロ円の弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)
第7回 縦の糸「価格」と横の糸「時間」の交差:9月12日&148.77円
第6回 ヘッド・アンド・ショルダー(2)
第5回 ヘッド・アンド・ショルダー
第4回 弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)
第3回 8月15日は米国債償還・利払いの円買いの日柄
第2回 8月は円高アノマリー
第1回 ドル円145円は「三田(神田・植田・岸田)関所」か

為替情報部 アナリスト

山下 政比呂

証券会社で株式・債券の営業、米系銀行で為替ディーラー業務(スポット、スワップ、オプション)に従事。プライベートバンクでは、為替のアドバイサーとして円資産からドル建て資産への分散投資を推奨してきたドル高・円安論者。 「酒田罫線法」「エリオット波動分析」「ギャン理論」などのテクニカル分析をベースに、ファンダメンタルズ分析との整合性を図り、相場観を構築。 ウォール街の格言「ゴルフと相場は、どちらもタイミングが全て」に出合い、ゴルフと相場の共通項を模索中。 2016年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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