「あの株はいまいくら?」では、話題になった銘柄の現状を確認します。今回はガーデン(274A)をみていきます。
同社はM&Aを活用した飲食事業を展開しており、ラーメン事業、レストラン事業、ステーキ事業、寿司事業等の飲食店舗の運営、並びに保有するブランドに係るフランチャイズ事業および不動産事業を行っています。
24.2期の売上高構成比は、ラーメン事業66.5%、レストラン事業15.4%、ステーキ事業9.4%などとなっており、ラーメン事業が全体の7割弱の売り上げを占めています。
ラーメン事業の主力ブランドは「横浜家系ラーメン壱角家」でその店舗数は99店舗となっており、ラーメン事業全体114店舗の大部分を占めています(2024年9月30日現在)。
人気のラーメン株であるものの、公開規模が60億円近くあることで需給に関して不安視されており、初値は様子見姿勢が強くなるのではないかとみられていました。では、ガーデンの株価の動きをみていきます。
ガーデンの株価推移(上場から2025年1月8日まで)
2024年11月22日に東証グロースに上場した同社の初値は3060円と公開価格3200円を下回りました。初値形成後は一段安となり下値を切り下げる展開となり、上場初日の終値は2895円と3000円の大台を下回りました。
その後も下げ止まらず上場2日目から4日目まで下げが続き、上場4日目である11月27日につけた安値2620円が上場来安値となっています。
上場直後に大きく売られたことでその後は切り返しの動きが続いています。12月初旬に3000円台の大台に乗せたものの、維持できませんでした。しかし、12月後半に3000円の大台を回復した後は安値で3000円割れはあるものの、終値では3000円の大台を維持しています。
【ガーデンの日足チャート(上場から2025年1月8日まで)】
上場後初の決算発表
上場後初の決算発表が1月10日に行われました。10日引け後に発表された25.2期第3四半期累計の営業利益は13.7億円となりました。なお、通期の会社計画の営業利益18.5億円は据え置いています。
25.2期上期の営業利益は10.4億円でしたので、3Q(9-11月)の営業利益は3.3億円となります。通期の営業利益18.5億に対する進ちょくは74%であり、計画通りとはいえやや物足りない印象です。この着地だと上振れ期待は後退すると考えられます。
また、3Q累計期間の店舗出退店の状況は、出店は直営店が壱角家4店舗、山下本気うどん6店舗、フランチャイズが3店舗となっています。退店は、直営店が1店舗、フランチャイズが13店舗となっています。フランチャイズ退店が多いことが気になります。
今後について
上場前から株主優待制度の導入にも前向きな姿勢がみられていましたので、2月の期末を前にこのタイミングでの優待制度の導入も期待されていましたが、残念ながら決算と同時に発表とはなりませんでした。上場した直後で準備の余裕がなかった可能性が考えられます。
今回の決算発表を受けてもし株価が大きく下落するようなら、拾ってみるのもよいでしょう。株主優待制度導入期待は続きますし、同社には上場後のM&A再開期待があります。M&Aを中心とする会社は、上場前後に業績が停滞しがちです。今期については仕方ないとし、来期(26.2期)の成長加速に期待してみるのもよいと考えます。