あの株はいまいくら?

第36回 自転車専門店の「ダイワサイクル」 決算受け株価は水準訂正 営業利益10億円も近い?

「あの株はいまいくら?」では、話題になった銘柄の現状を確認します。今回はDAIWA CYCLE(5888 以下、ダイワサイクル)をみていきます。


関西・関東・中部の郊外ロードサイドを中心に大型の自転車専門店を展開するダイワサイクルは、2023年11月8日に東証グロースに上場しました。


初値については、吸収資金のサイズ的に需給懸念は乏しかったものの、コスト高とコロナ収束の逆風下のなかでの上場であるうえ、競合のあさひ(3333)の評価もそれほど高くないことから、小幅な上昇でのスタートが予想されていました。ではダイワサイクルの上場からの動きを見ていきます。



ダイワサイクルの株価推移(上場~2023年12月29日まで)

同社の初値は1800円と公開価格1610円を上回りました。上場初日は高値1959円まで一時上昇しましたが、その後は売りに押され結局終値は1677円と初値を下回りました。

上場2日目は反発しましたが、その後は売りに押され、一時的に公開価格を下回る場面もみられました。ただ、公開価格を下回る水準では買いが入り、公開価格をやや上回る水準での推移が12月中旬まで続きます。


この流れが変えたのが12月15日に発表した24.1期3Q累計の決算発表です。24.1期3Q累計の営業利益は7億2500万円(前年同期比16.8%増)と好調な着地になりました。24.1期通期の営業利益予想7億4900万円に対する進ちょくは96.9%と非常に順調に推移しています。

4Qについてですが、前期の4Qは大規模な店舗修繕の実施(約5300万円)や光熱費高騰などにより営業赤字となりましたが、今期は黒字となる可能性が高く、通期の着地は会社予想と同程度になると予想されます。


順調な業績推移が確認できたことから、決算発表後の株価は堅調に推移します。2000円の大台を突破し、12月26日には2239円まで上昇しました。



【ダイワサイクルの日足チャート(上場~2023年12月19日まで)】




ダイワサイクルの株価推移(2024年1月4日~3月11日まで)

2024年は年初から全体相場が堅調だったこともあり、同社株も2000円台で安定した値動きが続きます。一時的に2000円を下回る場面はあったものの、そこではしっかりと押し目買いが入っています。2月28日には2496円まで上昇し、それが上場来高値となっています。



【ダイワサイクルの日足チャート(2024年1月4日~3月11日まで)】



まとめ

24.1期3Qの決算では、売上高、営業利益ともに第3四半期過去最高を更新。また、店舗数も順調に増加しており、2023年10月末時点で計122店舗(直営116店舗、FC6店舗)となっています。今期(25.1期)も20店舗程度の出店が見込まれており、中期的には200店舗をめざすとしています。店舗数の増加に伴い、業績拡大が期待されます。


直近で注目されるのは、3月18日に予定する24.1期通期の決算発表において発表されるであろう25.1期の業績予想です。仮に、25.1期の会社予想の営業利益が10億円(24.1期会社予想比33.5%増)となれば、2ケタ億円到達で同社の評価が変わる可能性があります。なお、24.1期の会社予想の営業利益は7億4900円(前期比33.4%)となっていますので、24.1期会社予想並みの成長を実現できれば到達できる水準です。まあ、25.1期は難しいかもしれませんが、順調に店舗数を伸ばしていけば、営業利益10億円達成はそれほど遠くないと考えられます。


コロナ禍の反動や円安などによる原材料価格や運送コストの上昇といった逆風下の上場となりましたが、今後の安定成長を見込んで、中長期な目線で投資してみるのもよいと考えます。


この連載の一覧
第37回 ポケットマルシェ運営の「雨風太陽」 赤字縮小も株価は下落傾向
第36回 自転車専門店の「ダイワサイクル」 決算受け株価は水準訂正 営業利益10億円も近い?
第35回 AI関連として注目集まる「ABEJA」 足もと株価は上場来高値の半値水準
第34回インフラ分野特化のAIベンチャー「グリッド」  初値天井も株価は逆襲局面
第33回 サーモンの養殖、水産品の加工・販売の「オカムラ食品」 上場日の高値を12月に更新
第32回 名刺管理サービスの「Sansan」 大きな流れの変化のタイミングは近い?
第31回 オーダーメード型AI開発の「ラボロAI」 24.9期は組織の土台づくり優先へ
第30回 航空機エンジン部品の製造・販売の「エアロエッジ」 キラリと光る下請け製造業
第29回 メタバースプラットフォーム運営の「monoAI」 とうとう公開価格割れ
第28回 月面開発事業の「ispace」 資金調達懸念も夢は大きい
第27回 キャッシュレス決済サービスの「TMN」 株価はついに公開価格割れ 底打ちはまだ?
第26回 単結晶ダイヤモンドの「EDP」 1Q赤字転落も状況は改善
第25回 AI技術活用したサービス開発の「HEROZ」 株価10分の1からの逆襲局面
第24回「不眠治療用アプリのサスメド 不眠大国ニッポンの救世主?」
第23回「ビジネスコーチ リスキリングが追い風」
第22回「CtoCメディアプラットフォーム運営のnote 黒字化はまだまだ先?」
第21回「クラウド型ソフト“ヤプリ”を提供するヤプリ 初の四半期黒字化達成でトレンド転換か」
第20回「月額制ファッションレンタルサービスのエアークローゼット リオープン関連株の出遅れ?」
第19回「音楽著作権管理のネクストーン 過度な期待のはく落はチャンス?」
第18回「マイクロ波技術ベンチャーのマイクロ波化学 夢の技術も業績が」
第17回「ライブ配信プラットフォーム「ツイキャス」の運営のモイ 急騰でトレンド転換?」
第16回「完全栄養食の開発・販売のベースフード 利益率改善で黒字化なるか」
第15回「航空会社国内3位のスカイマーク 経済再開で需要回復だが懸念も」
第14回「クラウドインテグレーター大手の日本ビジネスシステムズ ChatGPTで再注目?」
第13回「ヘルスケア機器の開発・販売のPHCHD V字回復見通しだが・・・」
第12回「農工大発の創薬型バイオベンチャーのティムス 臨床試験開始再評価の発表で株価急落」
第11回「アルゴリズム開発のパークシャテクノロジー 来期は大幅増益なるか」
第10回「ヘアカット専門店「QBハウス」のQBネットHD」
第9回「にじさんじ運営のエニーカラー ホロライブのカバー上場で需給はさらに悪化?」
第8回「ロボアドのウェルスナビ 預かり資産の増加ペース鈍化?」
第7回「高級家電のバルミューダ 上場来安値更新も?」
【あの株はいまいくら?】第6回「SIXPADのMTG インバウンド消滅響くも反撃に期待」
【あの株はいまいくら?】第5回「クラファンのマクアケ 2年続く下落トレンド 底入れ間近?」
【あの株はいまいくら?】第4回「ユーチューバー事務所のUUUM 株価10分の1からの再出発?」
【あの株はいまいくら?】第3回「ペッパーフードサービス 直近株価は急落 復活はあるか?」
【あの株はいまいくら?】第2回「フリマアプリのメルカリ 株価は底値圏のようだが・・・」
【あの株はいまいくら?】第1回「パズドラのガンホー」

日本株情報部長

河賀 宏明

証券会社、事業会社におけるIR担当・経営情報担当、FPや証券アナリスト講師などを経て2016年に入社。 金融全般に精通。証券アナリスト資格保有。 「トレーダーズ・ウェブ」向けなどに、個別株を中心としたニュース配信を担当。 メディア掲載&出演歴 株主手帳、日経CNBC「朝エクスプレス」、日経マネー

河賀 宏明の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております