解説!つみたてNISAとiDeCo

初心者におすすめ「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」について解説します!

皆さんの中には「つみたてNISA」の口座は作ったけど、まだ実際に投資を行っていない方もおられるのではないでしょうか?今回は初心者におすすめの「eMAXIS Slim」シリーズから「米国株式(S&P500)」そして「先進国株式インデックス」について紹介していこうと思います。


「eMAXIS Slim」シリーズとは

「eMAXIS Slim」は、「イーマクシス スリム」と読みます。このファンドは、会社の株や不動産を集めたもので、三菱UFJ国際投信という会社が作り運用しています。三菱UFJ国際投信はあまり馴染みのない企業名かもしれませんが、ご存知の三菱UFJ銀行のグループ企業になり、年間の売上高が800億円以上になります。投資信託の設計や運用を専門に行い、eMAXIS Slimシリーズでは13本が揃っており、つみたてNISAの対象の商品はその内の8本となっています。



「eMAXIS Slim」の特徴について

「eMAXIS Slim」の魅力の一つは、手数料が他の商品と比べて非常に低くなっています。売買の際や保有していると、いくつかの手数料がかかるのですが、このシリーズの手数料は信託報酬のみで約0.1%とかなり低く設定されています。一般的な手数料が0.5%-2.5%程度の商品が多い中、とても低い水準になっており、購入者が受け取れるリターン(利益)に大きく影響してきますので、とても嬉しい特徴になっています。


例えば10万円を投資したとしたら、1.5%の場合は年間1650円の手数料がかかりますが、0.1%の場合は110円程度の計算になります(消費税を含めて試算).


「eMAXIS Slim」の注意点とは

「eMAXIS Slim」には元本保証がありませんので注意が必要です。投資信託の中には元本保証の商品もありますが、せっかく投資したお金が減るリスクもあるので、その点は事前に理解しておく必要があります。また海外の株式を対象にした商品の場合、円やドルの変動のリスク(為替リスク)があるので、為替の変動が大きくなると良い方にも悪い方にも影響することも知っておきましょう。


「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の特徴

eMAXISシリーズの中でも人気の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」について解説していきます。S&P500と名前が付いてますが、これはアメリカの主要企業500社を対象としています。


正確に言うとアメリカ500社の株価指数を間接的に取り扱っている形ですが、皆さんもご存知のアップル、マイクロソフト、アマゾンなどの大企業が含まれています。海外への株式投資というとハードルが高く感じてしまいますが、この商品に保有していることで「iPhoneの売れ行きが好調」などのニュースを聞くと、自分に関わることなので世界的な投資をしている実感を得られるかもしれませんね。


ただし、当然ながらこれらの会社が良い業績を上げて株価が上がれば、価格も上がりリターンも増えますが、逆に業績が悪くなり株価が下がれば、損失を被る可能性もでてしまいます。また前述の為替リスクもありますので頭に入れておく必要があります。



「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の運用実績

投資信託の価値やパフォーマンスを把握するための主要な指標となる基準価額ですが、2020年頃までは冴えない価格で12000円台でしたが、徐々に伸びてきて2023年6月時点では21200円ほどになっています。純資産も2兆1000億円以上に増えており、アメリカの大手企業の好況に比例して右肩上がりに伸びている状態です。


つみたてNISAをはじめた方には、この商品のような手数料が安く、わかりやすい仕組みで安定した運用実績のものをおすすめします。

 

出所:三菱UFJ国際投資 レポートより著者加工


「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」の特徴

eMAXISシリーズの中からもう一つ「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」について紹介させていただきます。この商品は日本を除いた先進国22ヵ国に上場する約1300の株式銘柄の指数と連動するような形になっています。


前述の「米国株式(S&P500)」がアメリカ限定だったことに対し、こちらはより世界中の企業の株式をカバーしているイメージになります。この商品の手数料も低くなっており、信託報酬は約0.1%以内になっています。分配金はなしになっていますが、その分手数料の低水準や複利運用に割り当てられている形になっています。


「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」の運用実績

こちらの基準価額は2023年6月時点では、22210円になっています。2022年から20000円を中心に上下運動をしていましたが、今年の4月から一気に価額が押し上がり現在に至ります。純資産総額も4700億円となり、この1年間で1500億円を積み上げるほどになっています。


前述の「米国株式(S&P500)」の商品と比べても、こちらはより世界中の企業に投資を行っている商品です。世界企業の構成を見てみると、アメリカの企業が中心にはなっていますが、「米国株式(S&P500)」のリスク分散として検討にはおすすめの商品となっています。

 

出所:三菱UFJ国際投資 レポートより著者加工


まとめ

今回はつみたてNISAにおすすめの「eMAXIS Slimシリーズ」と2つの具体的な商品について解説しましたが、いかがだったでしょうか?手数料も他の商品と比べても安く、取り扱っている証券会社も多いので、初心者の方は特に投資先の候補に入れても良いと思います。13のシリーズの内、つみたてNISAの対象になっているのは8商品で、どれも名前も似ているので間違わないようにしてください。


この連載の一覧
2025年の税制改正要望、NISA制度・投資関連のものには何がある?
【徹底解説】iDeCoによる節税は嘘と言われるのは本当?実際にシミュレーションしてみた
株価下落で「新NISAで損切り」が話題に!2024年の積立投資のリターンとは
新NISA、オルカン一択は止めた方が良い?ポートフォリオの理想と現実とは
「貯蓄から投資へ」が進まない理由とは?金融教育の義務化で今後は状況が変化する?
新NISAは何歳からできる?年齢制限はある?50代60代こそ始めるべき理由を解説
新NISAの口座変更手続きとは?体験談とともに解説
証券会社が潰れたら株やお金はどうなる? 新NISAの注意点とあわせて解説
人気のつみたてNISAファンド「iFree S&P500インデックス」と「iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし)」を初心者向けに解説します
つみたてNISA【たわらノーロード】シリーズ解析!「全世界株式」と「先進国株式」を比較してみた
資産を育てるチャンス!新しいNISAで高配当株投資は本当にもったいない?
少額投資は意味がないって本当?3つのメリットとシミュレーション結果を徹底解説!
2023年に廃止されるジュニアNISAを賢く運用するコツは?注意点もあわせて解説
【2024年新しいNISA開始】2023年にNISAは始めるべき?メリット・デメリットを解説
資金流入額の多い投資信託は運用効率が良い!
インベスコ世界厳選株式オープンへの資金流入が目立つ
改めて開設手続きは必要?亡くなったらどうなる?新NISAのよくある質問にFPが回答!
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」と「楽天・全米株式インデックス・ファンド」はどちらを選ぶべき?2つの銘柄を比較してみた
「eMAXIS Slim全世界株式」へのさらなる資金流入に期待!
初心者におすすめ「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」について解説します!
新NISA、成長投資枠のファンド約1,000本が公表に!あの人気ファンドはどうなる?
企業型DCやiDeCoは転職後も持ち運びが可能!
2023年にNISAで投資する場合の注意点
【初心者向け】2024年以降の新NISAの特徴は? 現行NISAと併用は可能なの?違いについてカンタン解説!
NISAは60歳からでも出来る!一般とつみたての違いを知って老後資金を運用しよう
新NISAとiDeCo、どちらを選ぶべき?それぞれのメリット・デメリットと選び方
1億総NISA時代にIFAが価値提供できるものは何か
2024年からNISA新制度で投資を始めようという方々に伝えたい複雑化するカントリーリスク
つみたてNISAに確定申告は必要?損失が出た場合の控除など詳しく解説
【確定申告】株の特定口座(源泉徴収あり)とは?取引口座別の確定申告方法とメリットについて
急落後に戻りが期待できる投資信託で運用しよう
本当に一時金形式で受け取った方が良いの?
退職所得控除の利用方法に注意すべき!
素敵な老後を過ごすために積立投資を始めましょう
つみたてNISAは一括購入できる?年間非課税枠を使い切る方法を詳しく解説
2024年から新NISAへ。生涯の投資プランを設計しよう
来年はインデックスファンドで積立投資をしよう
【つみたてNISA】初心者の買い方~SBI証券とゆうちょ銀行を例にはじめ方をご紹介~
残り約1年のジュニアNISAに注目集まる
【つみたてNISA】専業主婦にもおすすめの理由とは?一般NISAとの違いも解説
一般NISAとつみたてNISAを比べてみる ~金融庁「NISAの利用状況」から~
マッチング拠出とiDeCoの併用は不可!
給与受け取りか、企業型DCで運用するか!
企業型DCとiDeCoの併用が可能に!
NISAのロールオーバー(下)
つみたてNISAが利用できない?純金積立での投資をおすすめしない人の特徴5選
将来の資産形成のために積立投資をしよう!
NISAのロールオーバー(上)
換金自由度、それとも税制メリットを優先しますか!?
iDeCoの死亡一時金は受取人指定が可能
一時金、それとも年金受け取りが良い?
iDeCoの運用は投資信託を中心に!
NISAの恒久化は老後資金の獲得方法になるか
DC法改正を活かし受取資産を増やそう
iDeCoの掛金は毎月拠出が良い?それとも年払い?
値下がりはチャンス!ドルコスト平均法
積立投資の開始はお早めに!
積立投資では上昇局面で利益が膨らみやすい
3人に1人が積み立てなし? つみたてNISAの事実
積立投資での投資信託の単価下落は怖くない
iDeCoの金融機関選びはコスト面を重視しよう
「つみたてNISA」の9割に迫る、投資デビュー
iDeCoは引き出し制限に注意も節税メリットは魅力
つみたてNISAやiDeCoはどんな人が加入できるの?

「いまから」 編集部

カジュアルな投資情報メディア「いまから投資」の企画・運営を行っています。「いまから! これから! いまさら?」投資や資産運用をはじめる人にわかりやすいコンテンツを提供します。お金や暮らしにまつわる幅広い情報もわかりやすくお伝えします。

「いまから」 編集部の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております