解説!つみたてNISAとiDeCo

インベスコ世界厳選株式オープンへの資金流入が目立つ

投資信託協会のデータによると、直近3カ月(基準日:7月14日)では「インベスコ世界厳選株式オープン〈為替ヘッジなし〉(毎月決算型)」に資金流入が目立ちました。

同ファンドは「世界のベスト」という愛称でお馴染み投資信託となり、1999年1月より運用を開始しています。




MSCIワールド・インデックス(円ヘッジ指数)をベンチマークとし、日本を含む世界各国(エマージング国を除く)の株式の中から、「世界のベスト」と考える銘柄を厳選して投資を行っています。


主に先進国株式に投資しています。

6月30日時点では米国株を中心に投資しています。




堅調な株式市場を背景に投資家による買い付け額が増加し、資金が流入したとみられます。


「成長」「配当」「割安」に着目!

同ファンドでは、「成長」「配当」「割安」の3つの観点に着目して投資を行っています。


「成長」に関しては、高い競争優位性、健全な財務体質を有し、景気動向に左右されずに成長が期待できる企業に着目しています。

「配当」に関しては、継続的な配当や増配など質の高い配当に着目しています。配当収益は長期的に安定して得られることが期待できる収益との見方から、「成長」と同様に高い競争優位性、健全な財務体質を有し、成長が期待できる企業に着目しています。

「割安」では、企業の本格的価値に比べ、長期的な視点からみた株価水準が割安(低PER)であると判断する企業に着目しています。


先進国の企業約2万社から調整対象企業を絞り込みます。

ステップ1:投資アイディアの発掘」「ステップ2:ファンダメンタルズ分析」「ステップ3:ポートフォリオ構築」を踏んで、約40-50の銘柄を厳選しています。


ビジネスの競争優位性、財務健全性、経営力などについてのファンダメンタルズ分析、株価の適正水準などの評価を行い、ボトムアップ・アプローチにより確信度の高い銘柄を厳選しています。


安定的に毎月150円の分配金支払いを実施

原則として、毎月23日(同日が休業比の場合は翌営業日)の決算日に分配を行っています。

6月の1万口当たりの分配は150円となります。直近では150円が続いています。

100万口保有している投資家は、毎月15,000円(課税前)を受け取ることになります。

安定的な分配金の支払いを実施しながらも、直近数カ月の基準価額は上昇が続いています。



2013年、19年、21年の年間パフォーマンスは良好

年間収益率を確認すると、株式市場の上昇も追い風となり、2013年や2019年、2021年は大幅に上昇していることがわかります。



こうしたパフォーマンスの良好さなどから、2023年6月まで78カ月連続純資金流入を記録しています。

特に2017年以降は年を追うごとに拡大し、純資産額は6000億円を超えました


長期の運用実績が評価され、優れた運用成績を示したファンドを表彰する「R&Iファンド大賞2023」において、「投資信託20年/外国株式バリュー部門 優秀ファンド賞」を受賞しました。


新NISAを活用する場合、年1回決算型の運用を検討しよう

中長期的に安定的な分配支払いと株高による値上がり益が期待できるファンドだと考えています。

ただし、同ファンドでは毎月分配型となるため、2024年から開始される新NISAのつみたて投資枠、成長投資枠の条件を満たしません

同ファンドには、毎月分配型のほかに年1回決算型があります。


投資信託協会は年1回決算型を長期投資に適していると判断し、新NISAの成長枠投資の商品リストに入れております。

新NISAを活用して同ファンドを運用したい方は、年1回決算型の運用を検討して良いと思います


この連載の一覧
2025年の税制改正要望、NISA制度・投資関連のものには何がある?
【徹底解説】iDeCoによる節税は嘘と言われるのは本当?実際にシミュレーションしてみた
株価下落で「新NISAで損切り」が話題に!2024年の積立投資のリターンとは
新NISA、オルカン一択は止めた方が良い?ポートフォリオの理想と現実とは
「貯蓄から投資へ」が進まない理由とは?金融教育の義務化で今後は状況が変化する?
新NISAは何歳からできる?年齢制限はある?50代60代こそ始めるべき理由を解説
新NISAの口座変更手続きとは?体験談とともに解説
証券会社が潰れたら株やお金はどうなる? 新NISAの注意点とあわせて解説
人気のつみたてNISAファンド「iFree S&P500インデックス」と「iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし)」を初心者向けに解説します
つみたてNISA【たわらノーロード】シリーズ解析!「全世界株式」と「先進国株式」を比較してみた
資産を育てるチャンス!新しいNISAで高配当株投資は本当にもったいない?
少額投資は意味がないって本当?3つのメリットとシミュレーション結果を徹底解説!
2023年に廃止されるジュニアNISAを賢く運用するコツは?注意点もあわせて解説
【2024年新しいNISA開始】2023年にNISAは始めるべき?メリット・デメリットを解説
資金流入額の多い投資信託は運用効率が良い!
インベスコ世界厳選株式オープンへの資金流入が目立つ
改めて開設手続きは必要?亡くなったらどうなる?新NISAのよくある質問にFPが回答!
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」と「楽天・全米株式インデックス・ファンド」はどちらを選ぶべき?2つの銘柄を比較してみた
「eMAXIS Slim全世界株式」へのさらなる資金流入に期待!
初心者におすすめ「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」について解説します!
新NISA、成長投資枠のファンド約1,000本が公表に!あの人気ファンドはどうなる?
企業型DCやiDeCoは転職後も持ち運びが可能!
2023年にNISAで投資する場合の注意点
【初心者向け】2024年以降の新NISAの特徴は? 現行NISAと併用は可能なの?違いについてカンタン解説!
NISAは60歳からでも出来る!一般とつみたての違いを知って老後資金を運用しよう
新NISAとiDeCo、どちらを選ぶべき?それぞれのメリット・デメリットと選び方
1億総NISA時代にIFAが価値提供できるものは何か
2024年からNISA新制度で投資を始めようという方々に伝えたい複雑化するカントリーリスク
つみたてNISAに確定申告は必要?損失が出た場合の控除など詳しく解説
【確定申告】株の特定口座(源泉徴収あり)とは?取引口座別の確定申告方法とメリットについて
急落後に戻りが期待できる投資信託で運用しよう
本当に一時金形式で受け取った方が良いの?
退職所得控除の利用方法に注意すべき!
素敵な老後を過ごすために積立投資を始めましょう
つみたてNISAは一括購入できる?年間非課税枠を使い切る方法を詳しく解説
2024年から新NISAへ。生涯の投資プランを設計しよう
来年はインデックスファンドで積立投資をしよう
【つみたてNISA】初心者の買い方~SBI証券とゆうちょ銀行を例にはじめ方をご紹介~
残り約1年のジュニアNISAに注目集まる
【つみたてNISA】専業主婦にもおすすめの理由とは?一般NISAとの違いも解説
一般NISAとつみたてNISAを比べてみる ~金融庁「NISAの利用状況」から~
マッチング拠出とiDeCoの併用は不可!
給与受け取りか、企業型DCで運用するか!
企業型DCとiDeCoの併用が可能に!
NISAのロールオーバー(下)
つみたてNISAが利用できない?純金積立での投資をおすすめしない人の特徴5選
将来の資産形成のために積立投資をしよう!
NISAのロールオーバー(上)
換金自由度、それとも税制メリットを優先しますか!?
iDeCoの死亡一時金は受取人指定が可能
一時金、それとも年金受け取りが良い?
iDeCoの運用は投資信託を中心に!
NISAの恒久化は老後資金の獲得方法になるか
DC法改正を活かし受取資産を増やそう
iDeCoの掛金は毎月拠出が良い?それとも年払い?
値下がりはチャンス!ドルコスト平均法
積立投資の開始はお早めに!
積立投資では上昇局面で利益が膨らみやすい
3人に1人が積み立てなし? つみたてNISAの事実
積立投資での投資信託の単価下落は怖くない
iDeCoの金融機関選びはコスト面を重視しよう
「つみたてNISA」の9割に迫る、投資デビュー
iDeCoは引き出し制限に注意も節税メリットは魅力
つみたてNISAやiDeCoはどんな人が加入できるの?

日本株情報部 アナリスト

角屋 昌範

2005年に国内証券会社へ入社後、投資情報部や調査部に在籍。投資情報部では、米国や香港株式市場見通しの作成など海外金融市場に関する調査業務に携わる。調査部では、ネット関連セクターを中心に国内個別企業のアナリストレポートを執筆した。 国内証券会社などを経て2019年に入社。主に先物市場見通しなど「デリバティブコンテンツ」を担当。 CFP DCプランナー

角屋 昌範の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております