解説!つみたてNISAとiDeCo

新NISA、成長投資枠のファンド約1,000本が公表に!あの人気ファンドはどうなる?

2023年6月21日に一般社団法人投資信託協会は、2024年から始まる新NISA制度の成長投資枠の対象となる国内の投資信託・上場投資信託(ETF)・上場投資法人(REITなど)約1,000本を公表しました。


2023年4月には、対象となるファンドは、2,000本程度と報道されており今回は第1弾の発表です。投資信託協会のホームページによると、今後は12月まで順次公開予定です。


本記事では、今回公表された1,000本のファンドのうち投資家に人気のある投資信託、NISA枠で分配金をもらっている方向けの資産運用を解説していきます。



成長投資枠のファンド約1,000本

成長投資枠の対象となる金融商品は上場株式のうち整理・監理銘柄を除くもの、投資信託は①信託期間20年未満、②毎月分配型の投資信託、③デリバティブ取引を用いた一定の投資信託、④レバレッジ型などを除外することが定められています。


投資家に人気のあるファンドは対象となっているのでしょうか?

2023年4月末時点で、国内の追加型株式投資信託(ETFを除く)で純資産総額(残高)が1兆円を超えるファンドは4つあります。



「1兆円超え」の4つのファンドのうち、インデックス型投資信託のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と全世界株式(オール・カントリー)は成長投資枠・つみたて枠どちらも対象となっています。


一方で毎月分配型の投資信託は除外されるため「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替へッジなし)予想分配金提示型」「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」は記載がありませんでした。


アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信については、Aコース(為替ヘッジあり)・Bコース(為替ヘッジなし)・米国割安株投信(隔月決算・予想分配金提示型)・米国割安株投信(年2回決算型)は成長投資枠の対象となっています。


その他、投資家に人気があるファンドの新NISAの対象・非対象は以下のとおりです。



インデックス型投資信託の他には、バランス型投資信託やテーマ別投資信託などが対象です。


国や地域はアジア・北米・欧米・オーストラリアなど多岐にわたり、新興国として注目を集める中国・インドのインデックス型投資信託もあります。


投資信託の他には、東証ETF・REITなどが成長投資枠の商品として公表されています。



毎月分配型の投資信託が除外に。分配金が欲しい投資家はどうすれば良い?

毎月分配型の投資信託は、新NISAの成長投資枠では除外されています。「毎月分配金や配当金が欲しい」という投資家はどうすれば良いのでしょうか?


毎月分配型の商品除外されているものの、2カ月に1回決算がある「隔月決算型」の商品は成長投資枠の対象となっています。


分配金をこまめにもらいたいかたは「隔月決算型」の商品の運用報告書を読み、投資するファンドを検討してみましょう。成長投資枠で上場株式を購入し、配当金をもらう方法もありますが一般的に株式は投資信託よりリスクが高いので慎重な検討を心がけましょう。


新NISAの対象ファンド、次の発表は2023年7月10日

新NISA成長投資枠の対象となるファンドなどの公表は、次回は2023年7月10日です。


今回多くの投資家に人気のあるeMAXIS Slimの全世界株式・S&P500はつみたて枠とともに、成長投資枠でも対象となっていることが分かりました。


引き続き今後の動向を注視していきましょう。

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ファイナンシャル・プランナー/ライター

田中 あさみ

大学在学中に2級FP技能士の資格を取得。会社員を経て独立し、金融・投資・相続・法律などの記事を執筆している。 自身でも米国株やETF・投資信託等を運用中。

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