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つみたてNISA【たわらノーロード】シリーズ解析!「全世界株式」と「先進国株式」を比較してみた

「つみたてNISA」は手軽で賢い投資と言われています。一定の金額までの投資に対して、その運用益が非課税となる制度ですが、皆さんはもう口座を持っていますでしょうか?2024年には更に新しいNISAの制度がスタートします。今回は口座を準備したけど、実際の投資先に悩まれている方にファンドを紹介していこうと思います。


たわらノーロードについて

名前の由来は「米俵」の「タワラ」から来ており、昔の食料保管方法(タワラ)のように大切な資産を守ることを意味しています。また親しみやすさや聞き馴染みのある言葉から「たわらノーロード」と名付けられました。ちなみに「ノーロード(no load)」とは手数料が無料という意味になります。


この「たわらノーロード」は、日本の投資信託の一つで、アセットマネジメントOne株式会社が提供しています。2016年にみずほフィナンシャルグループを中心に4社が均等出資し資産運用業務を統合して誕生しました。資産運用額が非常に大きく、日本最大級の資産運用会社の一つとして位置づけられています。


たわらノーロードシリーズには40以上の銘柄があり、特徴は手数料(販売手数料)が無料の投資信託として、多くの個人投資家から注目されています。今回は特に人気の「全世界株式」と「先進国株式」の2銘柄をピックアップし、それぞれの特徴とパフォーマンスなどを紹介していこうと思います。この記事を通じて、どちらのファンドがあなたの投資スタイルに合っているのか、参考にしていただければと思います。


たわらノーロードの2つの投信を比較してみる

「たわらノーロード全世界株式」のファンドですが、その名前の通り世界へ分散投資がなされているインデックス型の投資信託となっています。先進国、新興国や日本が対象となっており、その投資比率は以下のイラストのようになっています。

 


更に詳細な内容になりますが、たわらノーロード全世界株式は「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」と連動する形となっています。これは、MSCI Inc.が開発した株価指数で、世界の株式市場に上場する大型および 中型の株式で構成されています。


一方「たわらノーロード先進国株式」ですが、アメリカを中心とした先進国の株式に投資する内容になっており、日本を除いた多くの先進国の株にも投資しています。投資比率は以下のイラストのようになっていますが、ソフトウェア、医薬品、テクノロジー関連の企業への投資が多くなっています。



こちらは「MSCIコクサイ・インデックス」と連動する形となっています。日本を除く22カ国の先進国の株価動向を示す代表的な指数が元になっており、大・中型株約1,300銘柄で構成されています。


たわらノーロード全世界株式の特徴と評価

「たわらノーロード全世界株式」は、日本を含む世界の株式投資と手数料の低さから、多くの投資家に支持されるファンドとなっています。グローバルな投資はリスク分散のメリットや、長期的な資産形成を目的とした投資戦略が打てるので、特に安定した運用を求める投資家に評価されています。


一方で、全世界の市場に投資する特性上、外国為替リスクやウクライナとロシアとの戦争のような地政学的な要因など、さまざまな影響を受ける可能性があります。そのため、投資を検討する際はこれらの要素も考慮に入れる必要があるかと思います。「たわらノーロード全世界株式」の特徴について以下にまとめてみましたので、ご参照ください。


特徴


世界規模の投資ができる

たわらノーロード全世界株式は、その名の通り、全世界の株式市場への投資を目的としています。これにより、一つのファンドを利用することで世界への株式投資を行っている規模感を味わえます。


手数料の低さが魅力的

ファンドは「ノーロード」であるため、購入時や解約時の手数料は発生しません。これはコストを抑える点では私たち投資家にとって非常に魅力的になっています。


リスクの分散:

さまざまな国や地域に分散投資されることで、特定の国や市場の動向に依存するリスクが軽減されます。


たわらノーロード全世界株式の運用実績

投資信託の価値やパフォーマンスを把握するための主要な指標となる基準価額ですが、2021年台までは比較的順調に上昇を見せていましたが、その後は全体的に横ばいの推移をしています。今年に入り、アメリカを中心とした株価上昇とともに基準価格と純資産を増加させています。2023年8月時点で、基準価額は約18400円となり、純資産は約81.4億円となっています。


出所:アセットマネジメントOne月次レポートより著者加工


たわらノーロード先進国株式の特徴と評価

「たわらノーロード先進国株式」は、前述の「全世界株式」と同じく、特定の運用方針や低コストの特徴を持つ投資信託として、人気のファンドとなっています。購入時に手数料はかかりませんし、管理手数料も0.1%以下と非常に低く、長期投資に適しています。


ただ、ナスダック市場への投資が多いので、その市場の動きには影響を受けやすい点を考慮する必要があります。「たわらノーロード先進国株式」の特徴について以下にまとめてみましたので、ご参照ください。


特徴


先進国への焦点:

このファンドは、日本を除く主要先進国の株式市場への投資を目的としています。アメリカやヨーロッパ、その他の先進国の株式にアクセスすることができるのは大きな魅力です。


手数料の低さが魅力的:

こちらも購入時の手数料がかからず、管理手数料も低くなっているので、投資コストを抑える大きな利点となっています。


成長分野への積極投資:

このファンドは特にソフトウェア、医薬品、テクノロジーといった成長が期待される業種に投資する傾向があります。


たわらノーロード先進国株式の運用実績

基準価額は、2022年頃までは平坦な推移を見せていましたが、2021年前後より15000円を超え、その後2022年頃までに20000円台まで伸ばしてきました。直近では25000円台を突破し、純総資産額でも3600億円を超える水準となっています。


 出所:アセットマネジメントOne月次レポートより著者加工


まとめ

「たわらノーロード全世界株式」は、全世界の株式市場に投資することを目的としたファンドで、1つの銘柄に全世界へ投資できることが魅力です。一方、「たわらノーロード先進国株式」は、日本を除く先進国の株式に特化した投資を行い、特にテクノロジー関連の業種への投資が特徴になっています。


両ファンドとも「ノーロード」のメリットを持ち、初心者やコストを重視する投資家に向いていますので、それぞれのリターンの特性やリスク許容度に合わせて購入を検討してみてはいかがでしょうか?


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