皆さんは「つみたてNISA」の口座はもう作成しましたか?2024年は新しいNISAの制度がスタートしますので、ぜひ準備を進めておいていただければと思います。今回は「口座は作った!」もしくは「これから作る!」という方に、実際の投資先となる銘柄は何を選択すればいいか、具体的なファンドを例にご紹介していこうと思います。
楽天のインデックスファンドについて
楽天グループの「楽天投信投資顧問株式会社」が提供するファンドは、その利便性と手軽さから多くの個人投資家に支持されています。
今回ピックアップしたインデックスファンドですが、こちらは特定の株価指数がパフォーマンスの良し悪しになるよう設計された投資信託のことを指します。つまり、日経平均株価やTOPIXのようなものを「インデックス」と言い、投資する側はその「インデックス」に連動したリターンを得ることが可能となります。
そのため特定の企業や業界の専門知識がなくても、初心者の投資家でも取り扱いがしやすく、市場全体の動きにパフォーマンスが依存しているため、結果的に分散投資に繋がっているとも言えます。
楽天のインデックスファンドはその手数料の安さが特徴で口座開設からファンドの購入まで、証券にも寄りますが、スマートフォンやパソコンを通して比較的簡単に投資することができます。
更に「つみたてNISA」や「新つみたてNISA」を活用することで、税制上のメリットを受けながら、長期的な資産運用を行うことができます。いつもスマホから投資ができるのは、とても便利ですよね。
楽天のインデックスファンドを比較してみる
今回は「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」と「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の2つをピックアップし、それぞれの特徴と投資適性について比較検討していきます。どちらのファンドも魅力的な特徴を持っていますが、なにぶん名前が似ているので混同しないことが求められます。
ちなみに愛称も「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」は【楽天・VT】で、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」は【楽天・VTI】となっており、投資初心者にはわかりにくくなっています。まずは名前の違いと、それぞれの内容の違いを理解していただければと思います。
楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天・VT)の特徴
楽天・全世界株式インデックス・ファンド(以後、楽天・VT)は、その名の通り、全世界の株式市場に投資するファンドになります。この銘柄1本で日本だけでなく先進国や新興国など全世界の株式に分散投資ができ、その数は約8800の銘柄に間接的に投資ができる内容となります。
このファンドの最大の特徴は、その広範な地域分散にあります。全世界の多様な経済に投資することで、特定の地域や国の経済動向に左右されるリスクを軽減することが可能になります。
どうしても日本に住んでいる私たちからすると、先進国の市場に目が行きがちになってしまいます。しかしながら、これからの経済成長が期待される新興国はたくさんあり、中長期的な視点で見ると高いリターンが見込める場合が出てきます。ただし、政治的なリスクや経済の安定性に問題があるため、逆に言うとリスクも高いということを理解しておく必要も出てきます。
楽天・VTの運用実績
投資信託の価値やパフォーマンスを把握するための主要な指標となる基準価額ですが、2022年頃までは右肩上がりの上昇を見せていましたが、昨年は全体的に横ばいの推移をしていました。今年5月頃からは、アメリカを中心とした株価の上昇とともに基準価格と純資産を堅実に増加してきています。
2023年6月時点で18800円の基準価格は、販売開始をされた2017年の10000円から6年間で188%上昇させた計算になります。また現在の純資産は3140億円になっています。
出所:楽天投信投資顧問レポートより著者加工
楽天・VTの手数料
投資信託の購入や維持など、複数の手数料がかかる信託報酬(運用コスト)ですが、この銘柄は年間管理費用で0.195%となっています。
全世界の株式市場に投資するためのファンドとしては比較的安価で、これは長期的な投資においては、運用コストの差が大きな影響を及ぼすため、非常に嬉しいポイントとなります。
ただし、全世界の株式市場に投資するため、通貨リスクも考慮する必要も出てきます。外国の株式に投資するときは、その国の通貨で取引され、その通貨が円に対して上昇すればリターンが増えますが、逆に下落すればリターンが減少と言った為替リスクも理解する必要が出てきます。
楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・VTI)の特徴
楽天・全米株式インデックス・ファンド(以後、楽天・VTI)は、米国株式市場の約4000銘柄に投資ができ、皆さんがご存知のAppleやMicrosoft、Amazonなど世界を代表する大型株だけでなく中型株・小型株も網羅されている内容になります。
ただし4000銘柄に間接的に投資されていると言っても、Apple、Microsoft、Amazonの3社だけで約14%程度の組入比率が占められており、上位10銘柄になると約20%を占めています。ここ数年、特にIT分野の業績が押し上げられているので、その動向に連動する形でリターンが期待できます。
楽天・VTIの運用実績
基準価額は、2023年6月時点で22600円となっており、販売を開始された2017年の10000円から6年間で226%上昇させています。
2020年頃から徐々に上昇をみせ、順調に純資産も伸ばしています。また現在の純資産は約9995億円になっており、まもなく1兆円にタッチする規模になります。
出所:楽天投信投資顧問レポートより著者加工
楽天・VTIの手数料
こちらの手数料もかなり低水準に押さえられており、年間管理費用で0.162%となっています。前述の楽天・VTと比べても大きな差はない内容になっています。
まとめ
今回は「楽天・VT」と「楽天・VTI」の2銘柄を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?両ファンドの大きな違いは、投資対象の範囲が「世界の株式市場か」、それとも「アメリカの株式市場に限定するか」になります。
「楽天・VT」は多様な国や地域、産業の銘柄に投資することで、投資のリスクを分散させることになり、一方「楽天・VTI」は特にアメリカ経済やIT分野を重視し、成長に対するリターンを追求する形になります。
両ファンドとも手数料の安さとパフォーマンスの高さが売りなので、つみたてNISAの税制メリットを受けながら世界への投資をはじめてみてはいかがでしょうか?