「つみたてNISA」が投資デビューに利用されています。つみたてNISAの口座を持っている人の87.2%が投資未経験者でした。つみたてNISAは、特に20歳代や30歳代の利用が急増しています。
つみたてNISAって? NISAとつみたてNISAは違うの?
はい。違います。つみたてNISAは、「NISA(少額投資非課税制度)」の3つのタイプの中の1種類。NISAは、一定金額までの投資の利益に税金が課されない制度全体の名前です。
投資の利益は大きく分けて2つあります。1つは値上がり益。もう1つは、株式なら株主配当金、投資信託なら収益分配金です。
3つのタイプとは、成人が利用できる「一般NISA」「つみたてNISA」と、未成年が対象の「ジュニアNISA」です。それぞれの特徴を簡単にまとめました。
NISAは、1人1口座しか作れません。複数の金融機関でNISAを利用することができないほか、成人対象の「一般NISA」と「つみたてNISA」を両方持つこともできません。
金融機関を変えたい場合は、年単位なら、手続きをして変更ができます。過去の年の非課税購入分は購入した金融機関に置いたまま、新たな年の分として別の金融機関でNISA口座を開設し、新しい買い付け分から変更になります。
なお、どのNISAについても、非課税期間いっぱいまで投資している必要はなく、途中で売却や解約をし、換金しても構いません。ジュニアNISAの換金については、18歳になる年度の12月31日まで解約代金や売却代金を引き出すことができません。2023年末の制度終了後は、引き出しも可能になります。
NISA口座は、証券会社、銀行、信用金庫、JAバンク(農協)などの金融機関で開設できます。金融機関によって取り扱い商品が異なるため、自分が購入したい金融商品を取り扱っている金融機関でNISA口座を作りましょう。たとえば、上場株式やETF(上場投資信託)、J-REIT(上場不動産投資信託)は、銀行や信用金庫、JAバンクなどでは売買できません。
また、つみたてNISAは対象の投資信託が限られています。買いたい投信がつみたてNISAの対象でない場合は、一般NISAの口座で投信積立をする方法もあります。つみたてNISAの対象商品は、金融庁のホームページで、随時確認できます。
つみたてNISAの口座が倍増した2021年
証券会社のNISA口座の総数は、2021年末で1,108万口座。2020年末に比べて21.2%増えました(日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果(2021年12月31日現在)より)。
そのうちつみたてNISAは339万口座で、2020年末の172万口座から96.5%増加しました。一方、一般NISAの口座数は前年比3.7%増です。
つみたてNISAが投資デビュー
目を見張るのは、つみたてNISAが「初めての投資」という人の多さです。
前出の日本証券業協会の調査では、証券会社の2021年末つみたてNISA 339万口座のうち、投資未経験者の割合が87.2.%に上っています。前年末は、つみたてNISA口座のうち未経験者は70.7%。初めて投資をする人がつみたてNISAからスタートさせている傾向が強まっています(グラフ)。
一般NISAでは、投資初心者の割合は47.4%です。つみたてNISAは、その特徴である長期・積立・分散投資を活かし、投資の第一歩と位置づけられていることがうかがえます。
【出典】日本証券業協会「NISA及びジュニアNISA口座開設・利用状況調査結果について」
・NISA及びジュニアNISA口座開設・利用状況調査結果(全証券会社) 「直近データ (2021年12月末)」