解説!つみたてNISAとiDeCo

つみたてNISAが利用できない?純金積立での投資をおすすめしない人の特徴5選

リスクが低く初心者でも行いやすい投資方法である純金積立ですが、「金投資はおすすめしない」といった声もよく聞かれます。その理由は、金が株や為替などの投資方法とは異なる値動きをする特徴から、他の投資方法を基準に純金積立をすると「純金積立をしても無駄だった!」と思ってしまう人がいるからです。


純金積立をおすすめしない人の特徴

純金積立は価格変動が少なく損失が出にくいリスクの低さや、インフレに強く有事の時でも価値がなくならないことから投資方法として非常に優れています。しかし、純金積立での投資をおすすめしない人もいます。純金積立をおすすめしない人の特徴は以下の5点です。


①すぐに投資の恩恵を受けたい人

②集中投資したい人

③つみたてNISAを利用したい人

④低コストで投資したい人

⑤投資の勉強をかねて始めたい人


①すぐに投資の恩恵を受けたい人

 


金は価格変動が小さいため、純金積立はいわゆるローリスク・ローリターンの投資方法です。そのため、金の価格が大幅に上昇するような出来事が起こらない限りは、利益が出るまで長期間かかります。さらに、配当や利息もないため、利益が出るタイミングは何年後、何十年後かに積み立てた金を売却する時だけです。


価格変動が大きく利息や配当が出る投資方法であれば、投資後すぐに利益を出すことが可能です。しかし、純金積立ではそれが難しいため、短期間で資産を増やしたいという理由で投資を考えている人には、純金積立はおすすめできません。おすすめしたい人は、将来インフレが心配だったり、保険の意味合いで投資することに関心があったりする人です。


②集中投資したい人

純金積立は、定額積立するとドルコスト平均法が適用されるため価格変動による損害リスクを減らすことが可能です。また、少額から始められる点や、株や為替とは異なる動き方をする特徴から、分散投資の1つとして行うことに向いています。


長期保有が必要だが利益が出るのは最終的に売却した時のみの点や、リスクが低い代わりに出る利益の見込みも少ない点から、集中投資したい人にはおすすめしません。


集中投資・分散投資とは?

集中投資とは、1つの商品に投資に出せる資産をすべてつぎ込んで行う投資方法です。利益が出そうな商品に多額の資金をつぎ込むことで、商品の価値が上昇すると大きな利益を生み出すことができます。しかし、予想に反し商品の価値が下落すると、大きな損失を生むことになるので、その特徴はハイリスク・ハイリターンです。


集中投資の対義語にあたる分散投資は、いくつかの商品に分散して資金を投資する方法です。どれか1つの商品価値が下落しても、資金を全額つぎ込んでいるわけではないので、損失もある程度小さくとどめられます。集中投資ほどの利益を生み出すことは難しくても、大きな損失を出すリスクを回避したいのであれば、分散投資がおすすめです。


③つみたてNISAを利用したい人

「つみたてNISAの非課税枠が少し余っているから、少額から始められる純金積立をしようかな」と考えている人は要注意です。純金積立は、つみたてNISA、一般NISAともに取り扱いをしていません。


つまり、純金積立をして利益が発生した場合、税金を支払う必要があります。ただし、利益の金額や投資年数に応じて控除を受けることが可能なので、必ずしも税金を全額支払う必要があるとは限りません。

つみたてNISAとは?

 


つみたてNISAとは、1年間に40万円以下の投資であれば最長20年間、決められた対象商品に投資をして得た利益にかかる税金が非課税になる制度です。つまり、投資で得た最大800万円分の利益の税金が無料になります。つみたてNISAが利用できる対象は積立や分散投資に適した、長期保有が前提となる商品です。決められた対象商品は金融庁のホームページなどで確認できます。


④低コストで投資をしたい人

純金積立には、年会費、購入手数料、税金、スプレッドなどのコストがかかります。特に購入手数料は少額ですが、長期保有が前提でローリターンの純金積立においては軽視できない存在です。


その他つみたてNISAによる税金非課税制度が利用できなかったり、購入金額と売買金額の差額であるスプレッドが大きかったりと、積み立てた金を売却して利益を出すタイミングで必要なコストもあります。手数料などのコストは投資するにあたって無駄だと考える人には、純金積立は向いていません。


⑤投資の勉強をかねて始めたい人

純金積立をおすすめしない人の最後の特徴は、「投資を始めてみたいから、経験がてら少額から始められて初心者でも簡単な純金積立をしようかな」といった、投資の勉強をかねて始めてみようと考えている人です。


純金積立は他の投資方法とは異なる特徴がいくつもあったり、結果が出るまで長期間必要だったり、買い付けなどはサービス会社におまかせだったりすることから、純金積立の経験を投資の勉強に役立てることは難しいかと思われます。


まとめ

純金積立はリスクの低い安定した投資方法として非常に人気があります。しかし、今回ご紹介したすぐに大きな利益を出したい人や、つみたてNISAを利用したい人など、5つの特徴に当てはまる人は、純金積立はおすすめしません。無駄だったとがっかりしてしまわないよう、純金積立を始めようと思ったら、まずはしっかりリサーチしてみてください。


この連載の一覧
2025年の税制改正要望、NISA制度・投資関連のものには何がある?
【徹底解説】iDeCoによる節税は嘘と言われるのは本当?実際にシミュレーションしてみた
株価下落で「新NISAで損切り」が話題に!2024年の積立投資のリターンとは
新NISA、オルカン一択は止めた方が良い?ポートフォリオの理想と現実とは
「貯蓄から投資へ」が進まない理由とは?金融教育の義務化で今後は状況が変化する?
新NISAは何歳からできる?年齢制限はある?50代60代こそ始めるべき理由を解説
新NISAの口座変更手続きとは?体験談とともに解説
証券会社が潰れたら株やお金はどうなる? 新NISAの注意点とあわせて解説
人気のつみたてNISAファンド「iFree S&P500インデックス」と「iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし)」を初心者向けに解説します
つみたてNISA【たわらノーロード】シリーズ解析!「全世界株式」と「先進国株式」を比較してみた
資産を育てるチャンス!新しいNISAで高配当株投資は本当にもったいない?
少額投資は意味がないって本当?3つのメリットとシミュレーション結果を徹底解説!
2023年に廃止されるジュニアNISAを賢く運用するコツは?注意点もあわせて解説
【2024年新しいNISA開始】2023年にNISAは始めるべき?メリット・デメリットを解説
資金流入額の多い投資信託は運用効率が良い!
インベスコ世界厳選株式オープンへの資金流入が目立つ
改めて開設手続きは必要?亡くなったらどうなる?新NISAのよくある質問にFPが回答!
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」と「楽天・全米株式インデックス・ファンド」はどちらを選ぶべき?2つの銘柄を比較してみた
「eMAXIS Slim全世界株式」へのさらなる資金流入に期待!
初心者におすすめ「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」について解説します!
新NISA、成長投資枠のファンド約1,000本が公表に!あの人気ファンドはどうなる?
企業型DCやiDeCoは転職後も持ち運びが可能!
2023年にNISAで投資する場合の注意点
【初心者向け】2024年以降の新NISAの特徴は? 現行NISAと併用は可能なの?違いについてカンタン解説!
NISAは60歳からでも出来る!一般とつみたての違いを知って老後資金を運用しよう
新NISAとiDeCo、どちらを選ぶべき?それぞれのメリット・デメリットと選び方
1億総NISA時代にIFAが価値提供できるものは何か
2024年からNISA新制度で投資を始めようという方々に伝えたい複雑化するカントリーリスク
つみたてNISAに確定申告は必要?損失が出た場合の控除など詳しく解説
【確定申告】株の特定口座(源泉徴収あり)とは?取引口座別の確定申告方法とメリットについて
急落後に戻りが期待できる投資信託で運用しよう
本当に一時金形式で受け取った方が良いの?
退職所得控除の利用方法に注意すべき!
素敵な老後を過ごすために積立投資を始めましょう
つみたてNISAは一括購入できる?年間非課税枠を使い切る方法を詳しく解説
2024年から新NISAへ。生涯の投資プランを設計しよう
来年はインデックスファンドで積立投資をしよう
【つみたてNISA】初心者の買い方~SBI証券とゆうちょ銀行を例にはじめ方をご紹介~
残り約1年のジュニアNISAに注目集まる
【つみたてNISA】専業主婦にもおすすめの理由とは?一般NISAとの違いも解説
一般NISAとつみたてNISAを比べてみる ~金融庁「NISAの利用状況」から~
マッチング拠出とiDeCoの併用は不可!
給与受け取りか、企業型DCで運用するか!
企業型DCとiDeCoの併用が可能に!
NISAのロールオーバー(下)
つみたてNISAが利用できない?純金積立での投資をおすすめしない人の特徴5選
将来の資産形成のために積立投資をしよう!
NISAのロールオーバー(上)
換金自由度、それとも税制メリットを優先しますか!?
iDeCoの死亡一時金は受取人指定が可能
一時金、それとも年金受け取りが良い?
iDeCoの運用は投資信託を中心に!
NISAの恒久化は老後資金の獲得方法になるか
DC法改正を活かし受取資産を増やそう
iDeCoの掛金は毎月拠出が良い?それとも年払い?
値下がりはチャンス!ドルコスト平均法
積立投資の開始はお早めに!
積立投資では上昇局面で利益が膨らみやすい
3人に1人が積み立てなし? つみたてNISAの事実
積立投資での投資信託の単価下落は怖くない
iDeCoの金融機関選びはコスト面を重視しよう
「つみたてNISA」の9割に迫る、投資デビュー
iDeCoは引き出し制限に注意も節税メリットは魅力
つみたてNISAやiDeCoはどんな人が加入できるの?

「いまから」 編集部

カジュアルな投資情報メディア「いまから投資」の企画・運営を行っています。「いまから! これから! いまさら?」投資や資産運用をはじめる人にわかりやすいコンテンツを提供します。お金や暮らしにまつわる幅広い情報もわかりやすくお伝えします。

「いまから」 編集部の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております