iDeCoは「運用益が非課税」「掛金全額が所得控除の対象」などのメリットから、老後資産形成手段として注目度が高まっています。
iDeCoに加入する場合、自分自身で金融機関(主に銀行や証券会社)を選択する必要があります。
節税効果などのメリットを生かせるか、金融機関選びが重要となります。
今回はiDeCoの金融機関選択をする際のポイントについて説明します。
金融機関選びのポイントとは
金融機関選びのポイントとしては、「商品ラインナップ」「サポート体制」「口座管理手数料」となります。
金融機関によって、運用商品の品揃えや口座管理手数料は異なります。
NPO法人確定拠出年金教育協会のサイト「iDeCoナビ」では、上記の3点を比較できます。
iDeCoナビを上手に活用しながら、自分に合った金融機関を見つけることをおすすめします。
投資信託の信託報酬に注目しよう
iDeCoの投資可能商品には、元本変動型の投資信託、元本確保型の定期預金や保険商品があります。
まず投資信託に関しては、国内株式型や外国債券型など各資産の商品がまんべんなく揃っているか注目してください。
ちなみに商品数は2023年までにいずれの金融機関でも35本以下(元本確保型との合計)となる予定です。
iDeCoナビでは、金融機関ごとに各資産の商品数が掲載されています。
重要なのは、信託報酬となります。
信託報酬とは投資信託の運用や管理にかかる費用となり、投資信託を保有している期間払い続ける必要があります。
長年運用すると信託報酬は大きなコストになりますので、極力安い商品を選んだ方が良いと考えています。
iDeCoナビでは資産毎に信託報酬を比較できますので、参考にしてください。
サポート体制の充実度を確認しよう
特に投資初心者にとっては、「コールセンター」などサービス体制が充実しているかが重要となります。
iDeCoナビでは「コールセンター」以外にも、「WEBの見やすさ」や「セミナー開催の有無」を比較することができます。
サポート体制についても確認してみてください。
口座管理手数料の安い金融機関を探そう
iDeCoを開始する際、加入時手数料と口座管理手数料がかかります。
まず加入時に国民年金基金連合会に2829円の手数料がかかります。
次に口座管理手数料として、掛金の拠出を開始すると、国民年金基金連合会に1回の納付につき105円の手数料がかかります。
毎月掛金を拠出する場合、年間1260円かかります。
必ずしも毎月拠出する必要はなく、拠出頻度を2カ月に1回、半年に1回などにすることも可能となります。
また資産保全に関する事務(業務)を担っている事務委託先金融機関(信託銀行など)に月66円(年間792円)の手数料が必要となります。
重要なのは、ご自身で選択した金融機関の運営管理手数料となります。
加入手続きや商品申し込みをする際に、ご自身で選択した金融機関のことをiDeCoでは「運営管理機関」と呼んでいます。
特段気にする必要はありませんが、呼び方は認識しておいてください。
運営管理手数料は金融機関によって異なります。
無料の金融機関もあれば、高いところでは月400円程度徴収する金融機関があります。
ほとんどのネット証券では無料にしているところが多いようです。
iDeCoナビで運営管理機関の手数料一覧を比較することができます。
口座管理手数料に関しては、運営管理手数料を無料としている金融機関では月171円となります。
つまり最低でも月171円の手数料がかかり、毎月拠出した場合は年間で2052円となります。
一方、高いところでは月571円(年間6852円)程度の口座管理手数料を徴収するなど開きがあります。
例えば、毎月運営管理手数料の毎月300円を30年払い続けると10万円以上となります。
長期投資においては決して小さな額ではありませんので、口座管理手数料も事前にきちんと確認する必要があります。
自分自身に合った金融機関選びを心がけよう
金融機関を選ぶにあたって、明確な選択基準を持つことが重要だと思います。
ただ「口座管理手数料の安さ」「投資信託の信託報酬の低さ」という点は重視した方が良いです。
それを前提に、「パフォーマンスの良い投資信託が揃っているか」「サポート体制が充実しているか」などご自身の選択基準を重視して良いかと思います。
金融機関は加入後、他社へ変更することが可能です。
しかし移管手数料はかかるケースが多く、移管に時間を要する可能性が高くなります。
さらに、今まで運用してきた商品が変更先の金融機関のラインナップに用意されているかはわかりません。
金融機関を変更しなくて済むように、自分自身に合った運営管理機関を選んでください。